PRESSRELEASE プレスリリース

第19095号

スマート工場を構築するシステム・製品の世界市場を調査
FAシステムはハードウェア中心からハードウェアとITを組み合わせたシステムへ変化
―2025年予測(2018年比)―
◆モノづくり向けAIシステム市場 3,080億円(5.6倍)
ユーザーの理解が高まり、使える技術として導入が増加
■スマート工場関連市場 6兆9,543億円(3.0倍)
モノづくりの高度化、効率化が求められ、IoTやAI技術の活用が活発化

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、生産効率化などを目的にIT化を進める企業が増えていることから需要増加が予想されるスマート工場を構築するシステム・製品(スマート工場関連)の世界市場を調査した。その結果を「NEXT FACTORY関連市場の実態と将来展望 2019」にまとめた。

スマート工場とは、多品種少量、変種変量生産に対応する知能化された柔軟性が高い工場である。工場のスマート化により、これまでハードウェアを中心に構築されてきたFAシステムが、ITとハードウェアを組み合わせたシステムへと変化し、IoTデータを活用することで安定した歩留まりや生産能力を維持する24時間稼働工場、自律型AGVを積極的に活用することでレイアウト変更が簡単な工場などの構築が可能となっている。

◆調査結果の概要

■スマート工場関連の世界市場

2018年のスマート工場関連市場はすべてのカテゴリーが拡大した。特にインテリジェント生産システムや見える化ツール、インテリジェント製造・搬送装置が好調だった。インテリジェント生産システムは、コンサルティング会社の提案により、生産効率化などを目的としたIT化を進める企業が増えていることから伸びた。見える化ツールは、低コストで簡単なIoTシステムを構築できることから導入が好調だった。インテリジェント製造・搬送装置は製造現場の直近の課題である人手不足や技能の可視化、共有化の解決手段となるロボットやAGVがけん引した。

2019年は、米中貿易摩擦の影響による景気減速感があるものの、工場のスマート化に対するユーザーの意識が高まっており、既存生産ラインの見える化、設計効率向上などを目指したIT化が進んでいることから、市場は前年以上の伸びが見込まれる。今後も、ユーザーニーズの多様化により、モノづくりの高度化、効率化が求められていき、IoTやAI技術の活用が活発化し、市場は拡大していくとみられる。

■注目カテゴリーの動向

インテリジェント生産システムは、設計・開発に関わる図面などのデジタル化が進んでおり、機械系3D CAD・CAMが市場をけん引している。機械系3D CAD・CAMは2018年に5,810億円の規模があり、スマート工場関連市場の中で最も大きい。欧米などの先進国では需要が一巡しているが、中国を中心としたアジアでは増加しており、新規需要と2Dから3Dへの切り替え需要やAIの実装などにより市場は堅調に拡大し、2025年には1兆円が予測される。

また、設計以外の生産、流通、保守サービス業務などでも、効率的にデータを管理するニーズが高まっており、CAD、PLM、BOM、ラインシミュレーター、生産スケジューラー、MESなどを連携させた大規模なIoTプラットフォームの導入も進んでいる。データの見える化、生産の効率化を実現するキーシステムとして、モノづくり向けのIoTプラットフォームやAIシステムが大きく伸びるとみられる。

インテリジェント製造・搬送装置は、多品種少量生産への柔軟な生産ラインの構築、生産効率向上を実現するための装置やシステムとして、アーム付AGV、リニア搬送システム、3Dプリンター、3Dロボットビジョンシステムが注目されている。アーム付AGVやリニア搬送システムは、製造・物流関連業界におけるフレキシブルなライン構築を実現する装置として需要増加が期待される。3Dプリンターは樹脂プリンターから金属プリンターへ需要がシフトしつつある。

◆注目市場

◆モノづくり向けAIシステム

2019年見込

2018年比

2025年予測

2018年比

700億円

127.3%

3,080億円

5.6倍

工場内の生産性を高めるために採用されるAIシステムを対象とする。品質管理や予兆保全、外観検査などに活用されている。生産現場の課題はユーザーごとに異なるため、スクラッチで進められることが多い。

FA分野ではようやくユーザーのAIに対する理解が高まり、AIの活用の仕方がわかってきたことから、実証実験、本格導入案件ともに増加している。

データを蓄積し設備寿命が長い、または高機能な設備でAIを採用するハイエンドユーザーがいる一方で、単純なアラート的な使われ方も出始めておりAIの導入ハードルが下がっている。モノづくり向けAIシステムは、品質管理と省人化に寄与するソリューションとして、世界中のあらゆる工場で適用可能な技術となり、市場は拡大を続けていくとみられる。

◆アーム付AGV

2019年見込

2018年比

2025年予測

2018年比

100億円

117.6%

295億円

3.5倍

ロボットアームを搭載したAGV(Automated Guided Vehicle)を対象としている。ロボットアームはヒト協調ロボットを搭載した製品が多い。

少品種大量生産から、多品種少量生産にモノづくりが変化する中で、生産ラインのフレキシブル化や、省人化への対応が求められている。このようなモノづくりの変化に対応する装置として、自動車部品のピックアップや組み立て工程への搬送、半導体におけるフープ搬送、医薬品開発におけるピペット搬送などで採用が進んでいる。ハードウェアやシステム構築費用が高価である点が課題であるが、搬送だけではなく組み立てや加工などの複数の作業工程での採用が増えることにより、コストダウンが進んでいくとみられる。

◆AR/MR表示機器(スマートグラス)

2019年見込

2018年比

2025年予測

2018年比

53億円

123.3%

185億円

4.3倍

産業・業務向けのAR(拡張現実:Augmented Reality)、MR(複合現実:Mixed Reality)表示デバイスであるスマートグラスを対象とする。

国内、海外問わず、電力・ガスなどのエネルギーインフラや、鉄道、道路、建物、工場設備などの点検作業の遠隔支援で活用されている。また、海外では、国土が広大な米国などを中心に、物流倉庫におけるピッキング作業支援や、医療現場の一次救命処置に対する遠隔支援など、国内よりも幅広い業界で採用が進んでいる。

国内では、熟練者の高齢化が課題になっており、作業ノウハウや技術伝承や技術の平準化を実現する手段としてスマートグラスの活用が進んでおり、市場拡大が期待される。

◆調査対象

インテリジェント生産システム

・PDM/PLM

・SCADA(モノづくり向け)

・モノづくり向けRPA

・MES

・生産スケジューラー

ソリューション

・IoTプラットフォーム

・機械系 3D CAD・CAM

・モノづくり向け組み合わせ

(モノづくり向け)

・ラインシミュレーター

最適化ソリューション

・モノづくり向けAIシステム

 

 

インテリジェントコントローラー

・FAPC

・PCベースコントローラー

・アクセラレータボード(non GPU)

インテリジェント製造・搬送装置

・ヒト協調ロボット

・リニア搬送システム

・パワーアシスト・増幅スーツ

・アーム付AGV

・3Dプリンター

・3Dロボットビジョンシステム

インテリジェントセンサー

・画像センサー

・振動センサー

・RFIDタグ

・圧力センサー

・電流センサー

(製造業・物流業向け)

・温度センサー

・4K監視カメラ(工場監視用)

 

見える化ツール

・ダッシュボード(モノづくり向け)

・製造現場向けドライブレコーダー

・AR/MR表示機器(スマートグラス)

・IoTポカヨケ工具・ツールシステム

・IoT信号灯・アンドンソリューション

 

ネットワーク

・FA用無線LANシステム

・プロトコルコンバーター

・FAオープンネットワーク

・クラウドサービス(モノづくり向け)

FAセキュリティシステム

・FA UTM

・制御システム向けファジングツール

メイカーズ

・クラウドファンディング(モノづくり関連)

・Web受託加工・生産

・クラウドソーシング(モノづくり関連)

・自動車EMS


2019/11/12
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