PRESSRELEASE プレスリリース

第21011号

業務・産業施設向け空調システム関連機器の国内市場を調査
―2030年予測(2019年比)―
<調査結果の概要>
■業務・産業施設向け空調システム関連機器市場 7,249億円(15.4%減)
~ 2020年に新型コロナウイルス感染症の影響により縮小し、以降は横ばいで推移 ~
<注目市場>
●全熱交換器 217億円(38.2%増)
~ 換気やIAQ(室内空気質)に対する関心が高まることで、新規導入が進み市場拡大 ~
●単独運転加湿器 20億円(5.3%増)
~ 家庭用加湿器から単独運転加湿器への入れ替えが進むとみられ、市場拡大 ~

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い設備投資の抑制や工期遅れなどが影響し苦戦を強いられている業務・産業施設向け空調システムの関連機器市場を調査した。その結果を「2020年版 業務・産業施設向けHVAC国内市場の全貌」にまとめた。

この調査では、空調システム関連機器として熱源機器9品目、二次側機器8品目、快適性/IAQ機器5品目、AI/IoT関連3品目の市場を調査した。また、業務・産業施設8区分の需要を分析した。

◆調査結果の概要

■業務・産業施設向け空調システム関連機器市場

※熱源=熱源機器、二次側=二次側機器

2019年の業務・産業施設向け空調システム関連機器の市場は、8,568億円(前年比106.6%)となった。東京五輪特需や2018年の猛暑を契機とした学校空調特需、消費税増税前の駆け込み需要などを受け市場は拡大した。

2020年は、前年の特需の反動や新型コロナウイルス感染症の流行に伴う設備投資の抑制や資材調達・工期遅れなどが影響し、市場は縮小するとみられ、7,362億円(前年比85.9%)が見込まれる。新型コロナウイルス感染症の影響は、2022年ごろまで続くとみられる。また、2030年にかけては新築需要が減少し、リプレース需要が中心となることから市場は横ばいで推移していくと予想される。

市場が縮小する中で、快適性/IAQ機器は省エネや感染症対策などを目的にニーズが急速に高まっており、今後需要が増加するとみられる。中でも、単独運転の加湿器、除湿機、空気清浄機などが伸びている。また、従来は病院や産業施設などに限定されていたウイルス除去用フィルターは導入先が広がり伸びている。AI/IoT関連のBASや遠隔モニタリングも中小規模施設に普及することで今後の伸長が期待される。

◆注目市場

●全熱交換器

2020年見込

前年比

2030年予測

2019年比

156億円

99.4%

217億円

138.2%

全熱交換器とは、空調された室内から排気を行い、排気と同時に外気を吸気することで熱交換を行い、省エネ化を促すための機器であり、業務用と大規模施設に導入される設備用に大別される。業務用は、ビルの天井に設置する、給排気用のファンを組み込んだ小型のユニット型機器を対象とする。設備用は、エアハンドリングユニット(AHU)の中に組み込む、もしくはAHUに外付けされる中大型のカセット型およびユニット型の機器を対象とする。

2020年の市場は、新型コロナウイルス感染症の流行により、導入計画の延期などが生じたが、補助金の給付が始まったことから全熱交換器をはじめとした高機能換気設備の導入が進んだため、微減にとどまるとみられる。今後は、大規模施設におけるリプレース需要だけではなく、換気やIAQに対する関心が高まっていることから、中小規模施設にも導入が進み市場は拡大していくと予想される。

●単独運転加湿器

2020年見込

前年比

2030年予測

2019年比

17億円

89.5%

20億円

105.3%

業務・産業施設向けに使用される容量1~10kg/h未満の独立運転型の加湿器を対象とする。

1986年にウエットマスターが天井埋め込み型の「てんまい加湿器」を発売し、本格的に市場が立ち上がった。これまで市場はインフルエンザ流行シーズンに罹患拡大を避けるため病院の待合室や高齢者福祉施設、文教施設などの需要を獲得し拡大してきたが、2020年は新型コロナウイルス感染症の流行により、多くの施設で設置計画が延期になったことから、縮小するとみられる。2021年以降は、ウイルス全般に対する感染防止対策として一定以上の湿度を保った環境が求められることから、主に業務施設において加湿に対する意識が向上し、家庭用加湿器から単独運転加湿器への入れ替えが進むとみられ市場の拡大が期待される。

●単独運転空気清浄機

2020年見込

前年比

2030年予測

2019年比

23億円

2.1倍

15億円

136.4%

別置型で電気集塵機とフィルターによる除塵を行い、単独運転が可能な汎用型の業務用空気清浄機(約40㎡以上の延床面積に対応した機種)を対象とする。

オフィスの喫煙室や分煙スペースなどに設置されていたが、家庭用との能力差がほとんどなくなったことなどから、2019年まで市場は微減していた。2020年は、新型コロナウイルス感染症が流行したことで抗ウイルス対策への関心が高まり、従来空気清浄機を導入していなかった施設や、家庭用空気清浄機を導入していた施設において、対応面積が広くより高スペックな業務用空気清浄機を新規導入する動きが活発化しており、市場は大幅に拡大すると予想される。しかし、特需的な導入は2021年ごろまでで、2022年ごろには収まるとみられる。中期的には、コロナ禍に伴い認知度が向上することから、コロナ禍前よりやや高い水準規模の需要で落ち着き、2030年にかけて更新需要などをもとに、横ばいから微増で推移すると予想される。

●ウイルス除去用フィルター

2020年見込

前年比

2030年予測

2019年比

20百万円

133.3%

110百万円

7.3倍

ろ材に抗菌・殺菌・制菌・抗ウイルス剤などを固定化させ、捕集した菌やウイルスを不活化させる機能を有する空調向けエアフィルターを対象とする。

2019年まで導入先は産業施設(医薬品工場、食品工場など)や病院などに限定されていたが、2020年に入り新型コロナウイルス感染症の流行により、オフィスや店舗、宿泊施設といった人が集まりやすい業務施設でも需要が増加しており、市場は大幅に拡大するとみられる。

ウイルス除去用フィルターは、捕集した細菌やウイルスを死滅・不活性化させることができるものの、捕集に限界があることや空調の省エネ性も一部損なわれるなどのデメリットもあるが、換気やIAQに対する関心が高まっていることから、今後も一定の需要を獲得し、市場の拡大は続くとみられる。

◆調査対象

施設

・事務所

・データセンター

・店舗

・産業施設

・文教施設

・倉庫

・病院/診療所

・地域熱供給

熱源機器

・チリングユニット

・ビル用マルチエアコン

・ターボ冷凍機

・ガスエンジンヒートポンプエアコン

・コンデンシングユニット

・ボイラ(蒸気・温水)

・吸収式冷凍機(吸収式冷温水機)

・冷却塔

・パッケージエアコン

 

二次側機器

・エアハンドリングユニット

・冷凍/冷蔵ショーケース

・ファンコイルユニット

・外気処理ユニット

・VAV/CAVユニット

・全熱交換器

・ユニットクーラー

・個別空調向け室内機

快適性/IAQ機器

・単独運転加湿器

・IAQセンサー

・単独運転除湿機

・ウイルス除去用フィルター

・単独運転空気清浄機

 

AI/IoT関連

・BAS(Building Automation System)

・遠隔モニタリング

・フロン回収機


2021/01/28
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