PRESSRELEASE プレスリリース

第26106号

企業向けソフトウェア52品目の国内市場を調査
2030年度に4兆4,768億円へ
― 2030年度予測(2025年度比) ―
■企業向けソフトウェア52品目の国内市場 4兆4,768億円(149.1%)
SaaS/PaaSを軸としたクラウドシフトのほか、AI活用が進む

マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(東京都中央区日本橋 代表取締役 稲葉 視朗 03-3241-3490)は、レガシーシステムの刷新、DX推進、AI活用といった需要増加のほか、生成AI/AIエージェント実装や、BPaaSなどの新たなビジネスモデルの出現で市場拡大が期待される企業向けソフトウェアの国内市場を調査した。その結果を「ソフトウェアビジネス新市場 2026年版」にまとめた。

この調査では、バックオフィス/コーポレート20品目、セールス/マーケティング8品目、デベロップメント/オペレーション13品目、デジタルワークプレース11品目の計52品目の市場について、SaaS/PaaSとパッケージの提供形態別に最新の動向を明らかにし、将来を展望した。

◆調査結果の概要

■企業向けソフトウェア52品目の国内市場

企業向けソフトウェア52品目の国内市場

2025年度の市場は3兆23億円と好調だった。業務効率化やDX推進に加え、レガシーシステムの刷新、場所を問わないシステム利用などのニーズが増加しSaaS/PaaSがけん引する形となった。また、業務の標準化や運用負荷の軽減、短期間でのシステム導入を求める企業では、従来のパッケージからSaaS/PaaSへの移行が進展した。

2030年度の市場は4兆4,768億円への拡大が予測される。今後もパッケージからSaaS/PaaSへの移行に伴う継続的なサービス利用の増加に加え、新規導入時のクラウド採用が加速することが予想されるため、SaaS/PaaSの伸びが市場の拡大に寄与するとみられる。

生成AI活用の本格化に伴い、ソフトウェアへの機能搭載が進んでいる。これによる機能強化や付加価値向上に伴い、製品の値上げが予想される。また、クラウドやAIなどを活用し、業務プロセス全体のサービス提供を行うBPaaSベンダーが増加しており、主にバックオフィス/コーポレート領域において新たなビジネスモデルの創出が期待されている。

【カテゴリー別の動向】

バックオフィス/コーポレートは、バックオフィスDXを目的に、ERP、財務・会計など基幹システムの刷新が増加した。また、経営管理の高度化や予算策定支援などを目的とした予実管理やEPMなどの製品や、経費・給与、人事管理など人材戦略見直しを目的としたHR領域の製品などが伸びている。今後、労働基準法が段階的に改正された場合、人事労務関連製品の更なる伸びが期待される。

セールス/マーケティングは、マルチチャネル化に伴う顧客接点の増加や、顧客データと生成AIを組み合わせたマーケティング施策の展開により、顧客データの統合、活用、管理ができる製品の需要が増加した。また、生成AI/AIエージェント機能を搭載する上位プランへの移行が進展している。

デベロップメント/オペレーションは、事業部門でのシステム開発やAI活用に向けたシステム整備を目的に、Webデータベース/ノーコード開発、ローコード開発、BPMなどの製品が伸びている。また、基幹システムからSaaSへの移行に伴い、データ基盤構築のニーズが高まっており、データ連携やRDBMSなどの需要が増えている。

デジタルワークプレースは、生成AI/AIエージェントの搭載により高付加価値化に伴う価格上昇がみられる。コミュニケーションツールとしての利用に加え、情報検索や承認など業務システムを横断可能な環境として活用が進み、需要増加が予想される。

【提供形態別国内市場】

提供形態別国内市場

SaaS/PaaSは、パッケージから移行が進んでおり、2030年度には市場に占める割合が8割強になると予想される。業務標準化、ITコスト削減、運用効率化などのニーズが高まっているほか、AIエージェント関連機能の搭載で、高付加価値化、高単価化の傾向が強い。新規導入時にも採用が増加するとみられ、SaaS/PaaSの伸びが市場をけん引する。

パッケージは、カスタマイズやセキュリティ要件を必要とするシステムでのリプレース需要が底堅いものの、AIエージェント関連機能の搭載は難航しており、製品の差別化が難しいためSaaS/PaaSへの移行が進んでいる。


◆注目市場

●予実管理

予実管理

予実データと実績データを収集・統合・管理し、企業における予実作成、分析、進捗状況の可視化などを実現する製品を対象とする。

2025年度は、Excelデータの統合による経営データの収集・集計効率化ニーズの高まりによって市場が拡大した。特に、初期費用が抑えられ、短期間で導入可能なSaaSの伸びが市場をけん引した。

2026年度は、生成AIを活用したアシスタント機能の組み込みが進むとみられる。自然言語による予算実績の参照や、グラフやレポートの自動出力といった分析機能の実装により、製品の高付加価値化が導入を後押しし、市場の成長が続くと予想される。

2027年度以降は、AIエージェント機能の組み込みが本格化するとみられる。AIエージェントが経営数値と予算を比較、進捗管理をすることで、経営指標のアラート通知や経営視点のアドバイスを先回りして行う機能の実現が期待される。一方で、本製品を用いて予実管理を行う層と、Excelなどの汎用ソフトウェアで管理を行う層への二極化・固定化が進むとみられる。また、導入が一巡した後は、リプレース需要や顧客単価の上昇に伴い、市場は緩やかな拡大を維持するとみられる。

●請求書受領管理

請求書受領管理

請求書の受領や保管を行う請求書受領サービスを対象とする。法改正や郵便料金の改定といった外部要因の変動を受ける。

2025年度は、郵送料金値上げやインボイス制度への対応、電子帳簿保存法改正などによる特需が一段落したが、業務効率化やペーパーレスニーズを背景とした新規導入が増加したため、市場は拡大した。

2026年度は、業務効率化や電子化に向けた自発的な新規導入が継続するとみられる。また、電子帳簿保存法改正や郵便料金値上げなどの外部要因を契機とする導入も一部で残ることから、需要は増加し市場は前年度に続き、好調な拡大が予想される。

2027年度以降も、業務効率化を目的とした新規導入により市場は堅調な拡大を続けるとみられる。今後新たな法改正が実施された場合には、市場は大きく拡大する可能性がある。

●Webデータベース/ノーコード開発

Webデータベース/ノーコード開発

業務アプリケーションを開発する製品を対象とする。Webデータベース以外の機能が付随したスイート製品や、製品自体に販売金額が設定されていないOSSは対象外とする。

2025年度は、ペーパーレス化やExcelからの脱却を契機に、中小企業においてSaaSを中心とした新規導入が増加した。また、多くのベンダーがAI機能を実装し、これをフックとした案件が増加したことで市場は拡大した。

提供形態別では、SaaS/PaaSが企業規模を問わず導入を伸ばしている。大・中規模企業では、部門、業務単位で導入するケースが多く、社内での横展開を中心に拡販が進んだ。小規模企業では、Excel脱却に伴う新規導入が増加した。パッケージも、大・中規模企業を中心に追加購入やリプレース案件を獲得したことで、堅調だった。

2026年度も、引き続きペーパーレス化や脱Excelを契機とした中小企業の新規導入、大企業における社内横展開が進み、SaaS/PaaS主導で好調を維持するとみられる。2027年度以降も、システムの内製化やDX投資の進展に加え、深刻化する人材不足を背景とした業務効率化ニーズから、さらなる導入増加が予想される。

一方で、生成AIを活用したAIエージェントの登場が、市場に影響を与える可能性がある。自然言語の指示のみでアプリを自動生成できるAIエージェントが登場しており、競合になりつつある。AIガバナンスやセキュリティ保護の観点から現状は大きな影響はみられないが、今後はAIエージェントと組み合わせた提供形態へのシフトや、課金体制が変化していくとみられる。なおパッケージは、AI搭載のハードルの高さや近年のクラウドシフトを受け、SaaS/PaaSへの移行がさらに加速するとみられる。

◆調査対象

バックオフィス/コーポレート
・大規模企業向けERP
・中規模企業向けERP
・財務/会計管理
・連結会計管理
・EPM
・予実管理
・販売/在庫管理
・BSM/購買管理
・SCM/S&OP
・EDI
・請求書発行管理
・請求書受領管理
・経費精算管理
・人事/給与管理
・人材管理
・勤怠管理
・労務管理
・CLM/契約管理
・電子契約
・契約書審査

セールス/マーケティング
・CX/マーケティングスイート
・マーケティングオートメーション
・メール配信プラットフォーム
・CMS
・ECサイト構築(カスタマイズ型)
・ECサイト構築(カート型)
・CRM(営業系)
・CRM(コンタクトセンター系)

デベロップメント/オペレーション
・ワークフロー
・電子帳票関連ツール(設計・出力)
・電子帳票関連ツール(運用・保存)
・Webデータベース/ノーコード開発
・ローコード開発
・BPM
・RPA
・OCR
・データ連携
・ファイル転送
・RDBMS
・DWH用DB
・運用管理/オブザーバビリティ

デジタルワークプレース
・統合コミュニケーションサービス
・グループウェア
・Web会議
・ビジネスチャット
・プロジェクト管理
・クラウドストレージ
・文書管理/ECM
・検索エンジン
・ITサービスマネジメント
・BI
・テキストマイニング


2026/10/1
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