PRESSRELEASE プレスリリース

第19090号

全固体電池などの次世代電池世界市場を調査
~全固体型リチウム二次電池(全固体電池)世界市場は、
2035年に2兆6,772億円(2018年比:1,115.5倍)に成長~

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、次世代電池として実用化や新たな開発・製品化が加速している全固体型リチウム二次電池の市場を調査した。その結果を「2019 電池関連市場実態総調査 <次世代電池編>」にまとめた。

この調査では全固体型リチウム二次電池4品目に加え、ポストリチウム二次電池5品目、次世代電池材料6品目、次世代電池応用製品3品目の市場を調査・分析した。また、次世代電池の製造プロセスについてもまとめた。

◆注目市場

■全固体型リチウム二次電池(全固体電池)世界市場

2018年の市場は24億円となった。現状は高分子系全固体電池のみ量産が行われており、海外メーカーがxEV向けで製品展開をしている。

日本メーカーが注力する硫化物系全固体電池は、xEV向けで量産化・低コスト化を目指した積極的な開発が行われており、2020年代前半にxEVへの搭載が予想される。xEV以外の用途では2021年頃からセンサー向けなどの小型の硫化物系全固体電池のサンプル出荷が進むとみられる。

酸化物系全固体電池は、バルク型、薄膜型、積層型といった三種類の全固体電池と固体電解質を主材料にイオン液体やポリマーを微量添加したバルク型疑似固体電池を対象とする。バルク型全固体電池は実用化までの技術ハードルが高く、バルク型疑似固体電池の製品化が進んでおり海外メーカーが積極的に開発を行っている。バルク型全固体電池は2030年代に実用化が予想され、xEV向けで採用されるとみられる。硫化水素の発生がないことや設備投資額が少ないことなどがメリットとしてあげられるが、実用化の時期は硫化物系全固体電池に比べ遅れる見通しである。薄膜型は2013年ごろから製品化が進められており、ウェアラブル機器やICカード、医療用途で一部展開されている。積層型は回路基板上に実装できることを強みに、従来一次電池や電気二重層キャパシタが用いられていたアプリケーションで代替が一部展開されている。今後は、薄膜型、積層型ともに量産化が進むとみられる。特に積層型は積層セラミックコンデンサーやインダクターの生産設備を転用できるため比較的少額の設備投資で量産化が可能であり、受動部品メーカーによる市場参入が相次いでいる。

錯体水素化物系全固体電池は開発が進められており、2020年代前半には新規電解質材料を用いた実電池化に向けた取り組みが進み、2020年代後半からは製品化に向けた動きが加速していくと予想される。

全固体電池は、有機溶媒系電解液とセパレータを固体電解質に代替した二次電池である。酸化物系は1960年代から、硫化物系は1980年代から開発が開始されたが、固体電解質は電解液に比べてイオン伝導性が低いことや電極層と電解質層の界面形成に課題が多く、技術開発に長期間かかった。しかし、2000年代以降、電解液並みのイオン伝導性を持つ硫化物系固体電解質LGPSの発見や固体電解質の界面制御方法の開発などを契機に、全固体電池のブレイクスルーが起こり注目度は非常に高まっている。

リチウムイオン二次電池と比較し、全固体電池を用いるメリットは不燃かつ固体であるため発火や液漏れのリスクがなくなるなどの高い安全性が第一にあげられる。また、温度範囲が広く耐久性に優れること、リチウムイオン輸率が1であり出力特性が大幅に向上し急速充電に向くこと、電解液では使用できなかった高容量正極・負極活物質の適用可能性が広がるなど、多くのメリットがあげられる。

◆調査結果の概要

■次世代電池世界市場

 

2018年

2035年予測

2018年比

全固体電池

24億円

2兆6,772億円

1,115.5倍

ポストリチウム二次電池

268億円

合 計

24億円

2兆7,039億円

1,126.6倍

※市場データは四捨五入している

2018年の次世代電池世界市場は、全固体電池のみが市場形成されており、ポストリチウム二次電池の市場形成はされていない。ポストリチウム二次電池は、リチウムやコバルトといったレアメタルの資源リスクの高まりから開発機運が高まっており、レアメタルフリーであるナトリウムイオン二次電池が実用化に最も近いとみられる。それ以外の電池は基礎技術開発が必要であり、市場拡大は2030年以降とみられる。

◆調査対象

次世代電池

全固体型リチウム二次電池

・硫化物系

・酸化物系

・高分子系

・錯体水素化物系

ポストリチウム二次電池

・金属空気二次電池

・マグネシウム二次電池

・ナトリウムイオン二次電池

・その他次世代電池(全樹脂電池、

・カリウムイオン二次電池

フッ化物イオン電池、デュアルカーボン電池)

次世代電池材料

・電解質

・正極活物質

・負極活物質

・バインダ

・集電体

・セパレータ

次世代電池応用製品

・自動車

・電力貯蔵システム(ESS)

・小型民生用途/その他有望用途


2019/10/28
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