PRESSRELEASE プレスリリース
●DCブラシレスモータ 9,500億円(32.9%増)
~自動車向けでは電装化進展による搭載数の増加とブラシレス採用が進み、
省エネ規制によりエアコンなどの家電向けではACモータからのシフトが進む~
●ファンモータ 5,685億円(17.5%増)
~冷却ニーズの高まりを受けて、情報・通信分野や自動車電装分野を中心に需要が増加~
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、5Gに対応したサーバーや通信基地局の需要が増加する情報・通信分野や電装化が進む自動車分野での伸長が期待される小型モータの世界市場を調査した。その結果を「精密小型モータ市場実態総調査 2019」にまとめた。なお、市場は生産ベースで算出した。
◆注目市場
【小型モータ】
●DCブラシ付モータ、DCブラシレスモータ

DCブラシ付モータは、整流子とブラシにより機械的に電流の流れる方向を切り替えることでトルクを生み出す基本的なモータである。幅広い用途で採用されており、近年は電装化の流れを受けて自動車分野の需要が中心となっている。2019年は中国における自動車電装分野の需要低迷により、市場は縮小が見込まれる。中長期的には自動車電装分野を中心に家電、業務、産業分野などでも、省エネ性の向上を目的に採用が進むとみられる。
DCブラシレスモータは整流子とブラシがなく、磁気センサーと電子回路で駆動するモータである。省エネ性の高さ、長寿命、低騒音といったメリットからエアコン向けなどの空調・住設分野やパワーステアリング、電動ブレーキ向けなどの自動車電装分野の需要が中心となっている。2019年は自動車市場の停滞に伴い、伸びが鈍化するとみられるが、2020年以降は省エネ規制によりエアコンや自動車向けにおいてACモータからのシフトが進み、市場は拡大するとみられる。2025年にはブラシ付きモータの市場規模を超えているとみられる。
●ファンモータ
|
2019年見込 |
2018年比 |
2025年予測 |
2018年比 |
|
4,725億円 |
97.6% |
5,685億円 |
117.5% |
ファンモータはブラシレスモータの中でも冷却・排熱を目的とするものである。ノートパソコンの市場拡大を受けて大きく伸長してきたが、タブレット端末の普及により需要は落ち着き、横ばいから縮小で推移してきた。近年は冷却ニーズの高まりを受けて家電分野や自動車電装分野を中心に市場が再び拡大している。家電の需要は堅調で、それに伴いファンモータも伸長するとみられる。自動車電装分野は特に注目され、HVやEVの普及に伴い冷却ニーズが高まり、エンジン回りなどで採用が進むとみられる。また、情報・通信分野ではノートパソコン向けが横ばいで推移するとみられるが、サーバー向けは通信需要の増加に加え、今後5Gの普及により通信データ量が大きく増加することから堅調な需要がある。
【モータ制御部材/部品・材料】
●モータ制御用マイコン・ゲートドライバIC
|
|
2019年見込 |
2018年比 |
2025年予測 |
2018年比 |
|
|
全体 |
4兆4,500億円 |
97.3% |
5兆4,300億円 |
118.7% |
|
|
|
自動車電装分野向け |
3兆3,000億円 |
97.1% |
4兆1,000億円 |
120.6% |
※自動車電装分野は全体の内数
モータの駆動・制御に使われる半導体製品を対象とした。モータは半導体で制御を行うもの、エンコーダで制御を行うもの、制御をおこなわずオン・オフのみでモータを駆動するものに大別される。オン・オフのみでモータを駆動するのではなく、マイコンやゲートドライバを使ってモータ制御をおこなう需要が増加しており、市場は堅調に拡大するとみられる。用途別では自動車電装分野での需要を中心に、家電分野などで採用が進むとみられる。インテリジェントパワーモジュールを主に採用するエアコンやマイコン制御を行う洗濯機、掃除機、冷蔵庫の伸長に伴い、需要が増加するとみられる。
●フェライト焼結磁石
|
|
2019年見込 |
2018年比 |
2025年予測 |
2018年比 |
|
|
全体 |
5,600億円 |
96.6% |
6,600億円 |
113.8% |
|
|
|
小型モータ向け |
1,170億円 |
99.2% |
1,380億円 |
116.9% |
※小型モータ向けは全体の内数
フェライト焼結磁石は低価格で高い保磁力や減磁のしにくさ、優れた耐食性などの特性が評価されており、モータのみならず幅広い用途で採用が広がっている。モータ向けでは小型・小容量のモータを中心に需要が増加しており、今後も自動車電装分野をはじめ、最終製品の小型化に伴い家電や事務機器向けモータなどで採用が進むとみられる。
●ネオジム焼結磁石
|
|
2019年見込 |
2018年比 |
2025年予測 |
2018年比 |
|
|
全体 |
5,000億円 |
98.0% |
5,800億円 |
113.7% |
|
|
|
小型モータ向け |
480億円 |
99.0% |
440億円 |
90.7% |
※小型モータ向けは全体の内数
ネオジム鉄ボロン(Nd2Fe14B)の焼結磁石をネオジム焼結磁石とする。ネオジム焼結磁石は高特性で、フェライト焼結磁石と比較すると価格が高い。参入企業は日系では基本特許を持つ日立金属をはじめ信越化学工業やTDK、大同特殊鋼などが挙げられる。中国系ではBeijing Zhong Ke San Huan Hi-Techなどが挙げられ、技術開発が進んでおり市場では中国系企業の存在感が増している。小型モータ向けは縮小していくものの、電装化の進む自動車分野や風力発電向けなどを中心に幅広く採用が進み、全体市場は拡大していく。
◆調査結果の概要
●小型モータ7品目の世界市場
|
2019年見込 |
2018年比 |
2025年予測 |
2018年比 |
|
3兆2,795億円 |
96.3% |
3兆8,107億円 |
111.9% |
小型モータは世界経済の低迷を受け、主な採用分野である自動車電装、情報・通信機器、家電、空調・住設分野で需要が減少しているため、2019年は市場縮小が見込まれる。2020年は米中貿易摩擦の改善により製造業での設備投資の増加や自動車市場の回復、5G関連設備で需要が増加し、市場は拡大に転じるとみられる。その後は引き続き5Gに対応したサーバーや通信基地局向けが増加する情報・通信機器分野、自動車電装分野、新興国の産業化進展により業務分野や産業分野などでの伸長が期待される。
【自動車電装分野】車両タイプ別車載モータ搭載数
|
|
2018年 |
2025年予測 |
2018年比 |
|
内燃車 |
60億2,756万個 |
53億9,400万個 |
89.5% |
|
PHV・HV |
2億1,590万個 |
6億7,800万個 |
3.1倍 |
|
EV |
7,530万個 |
4億5,350万個 |
6.0倍 |
|
合計 |
63億1,876万個 |
65億2,550万個 |
103.3% |
自動車市場はPHV・HV、EVの市場拡大に伴い、小型モータの市場もPHV・HV、EV向けが伸長するとみられる。
◆調査対象
|
小型モータ |
・DCブラシ付モータ |
・ACモータ |
|
・ステッピングモータ |
(インダクション・シンクロナス) |
|
|
・ブラシレスモータ |
・ユニバーサルモータ |
|
|
・ファンモータ |
・その他モータ |
|
|
モータ制御部材/ 部品・材料 |
・モータ制御用マイコン・ゲートドライバIC |
・ネオジム焼結磁石 |
|
・エンコーダ |
・マグネットワイヤ |
|
|
・転がり軸受 |
・整流子(コンミ) |
|
|
・軸受(メタル) |
・ブラシ(カーボンブラシ+金属ブラシ) |
|
|
・フェライト焼結磁石 |
・軟質磁性材料 |
|
|
・希土類ボンド磁石 |
|
