PRESSRELEASE プレスリリース

第19113号

インフラを支える管材の国内市場を導入先・用途別に徹底調査
―2030年度予測―
管材の国内市場 6,629億円( 2018年度比 6.5%増)
管材の高機能化や原料価格の上昇により拡大、金属系から樹脂系への進展加速

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、コンクリートなど建築物や構造物の素材は研究が進み躯体寿命100年が可能となりつつある中、より耐久性が高く長寿命で、かつ環境負荷が低く施工が容易なものが求められている上下水道・都市ガスなどのインフラやあらゆる建築物の配管として使用される管材の国内市場を調査した。その結果を「インフラを支える管材国内市場の現状と将来展望 2019」にまとめた。

この調査では、樹脂系4品目、金属系6品目、その他・複合系4品目、計14品目の管材に加え、管材同士を繋ぐ継手など関連部材6品目の市場を捉えた。

◆調査結果の概要

■管材・関連部材市場

 

2018年度

2030年度予測

2018年度比

管材

6,226億円

6,629億円

106.5%

関連部材

4,570億円

4,370億円

95.6%

合 計

1兆 795億円

1兆 998億円

101.9%

※市場データは四捨五入している

■管材の種類別市場

管材・関連部材の国内市場は2018年度で1兆795億円となり、管材が6割近くを占めた。樹脂系は金属系よりも耐久性の面で劣ると考えられていたが、物理的性質、耐熱性、耐用年数を向上した製品が開発され、軽量で施工や加工が容易、耐食性が優れるなどの理由により、金属から樹脂へ切り替えが進んでいる。2030年度には、数量ベースでは縮小するとみられるが、金額ベースでは管材の高機能化とナフサや鉄鉱石など資源価格の上昇により拡大が予想される。金属系は原料価格の高騰により金額ベースでは伸びるが、樹脂系への移行が今後も進み、数量ベースでは1割強の減少となるとみられる。

管材の高機能化としては、耐久性・耐腐食性・長寿命などが求められており、樹脂系ではポリエチレン管、金属系ではステンレス管の需要が増加するとみられる。樹脂系と金属系は棲み分けがなされており、大口径・高圧・高耐久用途は金属系が多いが、法規制の緩和により消火管やインフラ(上水道、地中電線保護管など)にも樹脂系の使用が広がっている。また、樹脂系は金属系と比較し同延長・同口径の場合に軽量でトータルコストが低減でき、可とう性もあることから耐震対策としても選択されることが増えている。

品目別には、金額ベースの市場規模が大きいのは、上水道や都市ガスなどのインフラで採用が拡大するポリエチレン管、住宅・建物の排水管として需要が大きい塩化ビニル管、空調冷媒配管に使用される銅管などである。今後の市場伸長率が高いのは、耐熱性・耐薬品性に優れ厨房用途で伸びる強化プラスチック(PP)複合管、空調冷媒配管として検討が進められているアルミ管、産業プラントや建物の給排水だけでなく首都圏の大規模ビルなどで採用がみられるステンレス鋼管などである。

関連部材は首都圏再開発、東京五輪関連設備などの建設需要が旺盛であったために好調だったが、これらの需要が一段落したため、今後は市場の落ち込みが予想される。一方で燃料電池や水素ステーションといった水素インフラの拡充が期待され、新たな需要創出も期待される。

■管材の導入先/用途別動向(2018年度:6,226億円)

【導入先別動向】

住宅は、安価である塩化ビニル管を中心に、軽量で施工性が高く、耐久性に優れる樹脂系の採用が多い。金属系は空調冷媒配管やガス管、集合住宅における消火管など限定的である。

業務施設や産業施設は、給水・排水以外にも、高温・高圧の蒸気や冷温水、生活排水ではない薬液や廃液などを通すことから、管材には耐久性や耐熱性が求められ、金属系や複合系の採用が多い。

インフラは必要な流量や圧力に応じて使用可能な管材種が異なるが、大口径・高圧は金属系やヒューム管、小中口径・低圧は樹脂系と棲み分けがなされている。防災の観点から耐震性や可とう性が必要なため、今後樹脂系の割合が高まるとみられる。

【用途別動向】

給水設備に使用される管材は建築物内の給水管にはポリエチレン管や塩化ビニル管、住宅(給水・給湯)には架橋ポリエチレン管やポリブテン管などの樹脂系が主流である。インフラ(上水道)は、口径や流量に応じて管材が選択され、ダクタイル鋳鉄管が広く使用されているが、配水管はポリエチレン管が主流である。

排水設備に使用される管材は、建築物内・下水道共に塩化ビニル管が主である。飲食店などの厨房の排水には耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管が多く、強化プラスチック(PP)複合管も増えている。また、プラントなどの産業施設では特殊ライニング鋼管や、特殊塗装を施した塩化ビニル管が使用される。

ガスのうち都市ガス導管は、高圧は大口径の炭素鋼鋼管、中圧はダクタイル鋳鉄管、低圧はポリエチレン管が使用される。このほか、医療ガス配管には銅管が使用されている。

電気・通信では地中配電線の保護管や通信ケーブル管を対象とする。塩化ビニル管が多く、地中配電線の保護管では強化プラスチック(FRPM)複合管も増えている。

空調冷媒配管は、主に銅管が使用されている。中長期的に銅不足が懸念されているため、ルームエアコンで一部使用されているアルミ管を、業務用エアコンでも使用できるよう規格化が進められている。

◆注目市場

●強化プラスチック(PP)複合管市場

2018年度

2030年度予測

2018年度比

5億円

12億円

2.4倍

300トン

650トン

2.2倍

ポリプロピレンの管材を高温領域でも活用できるように、繊維強化熱可塑性樹脂で剛性を高めた二重構造の複合管を対象とした。市場は2018年度で5億円、300トンとなった。耐熱性・耐薬品性に優れる管材であり、製薬工場や研究施設、食品工場など産業施設の薬液排水や厨房排水などの排水管として使用される。近年では飲食店や社員食堂、フードコート、病院、学校など、厨房のある業務施設での採用が増えている。

厨房用排水管としては耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管が主に使用されるが、洗剤に含まれる水酸化ナトリウムや界面活性剤が、継手に悪影響を及ぼすことがあるため、継手部分からの漏水トラブルを避けるために、導入を進めるデベロッパーもいる。そのため、今後採用が増加するとみられ、2030年度には12億円、650トンが予測される。

●塩化ビニル管の導入先/用途別動向(2018年度数量ベース)

塩化ビニル管は一般的に広く使用されている管材で、薄肉化したもの、耐衝撃性や耐熱性を向上させたものなど様々な規格がある。

市場は2018年度で1,068億円、28万2,840トンとなった。安価で施工性に優れるため、排水管として幅広く使用されており、用途別では7割以上を占め、このほかは空調の結露水を排水する空調ドレン管が1割強である。導入先別では業務施設、住宅の比率が高い。インフラでは下水道を中心に上水道、一部地中配電線の保護管として採用される。災害対策として無電柱化が東京都をはじめ都市部で進められていることから、地中管としての使用が年々増えている。

公共工事の減少や住宅着工件数の伸び悩みなどにより、2000年代前半をピークに縮小傾向である。住宅着工件数の回復は期待しにくいことから、市場は今後も緩やかな縮小が続くとみられる。

●ポリエチレン管の導入先/用途別動向(2018年度数量ベース)

ポリエチレン管は、主に上水道やガスなどインフラで使用されている。市場は2018年度で1,738億円、3万5,980トンとなった。1995年1月の阪神淡路大震災においてガス用ポリエチレン管の被害がなかったことから、インフラ管材としての耐震性が注目され、ガス用に加え水道配水用配管として普及率が大きく伸びた。水道配水管ではこの10年で採用率は25%程度から50%程度まで向上しており、ダクタイル鋳鉄管の需要を奪う形で市場が拡大している。

インフラを中心とした堅調な更新需要と、消火管など用途の広がりによる管材の付加価値化・高機能化により、市場は緩やかながら拡大が予想される。

◆調査対象

樹脂系管材

・塩化ビニル管

・架橋ポリエチレン管

 

・ポリエチレン管

・ポリブテン管

 

金属系管材

・ダクタイル鋳鉄管

・ライニング鋼管

・銅管

・炭素鋼鋼管

・ステンレス鋼管

・アルミ管

その他・複合系管材

・ヒューム管

・強化プラスチック(PP)複合管

・強化プラスチック(FRP)複合管

・強化プラスチック(FRPM)複合管

関連部材

・金属継手(ねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手、防食継手)

・銅管継手

・ステンレス鋼管継手(一般配管用)

・バルブ(総合)

・プラスチック製公共マス・宅地マス

・自動弁

施設・インフラ

施設

インフラ

・事務所

・病院・診療所

・集合住宅

・上水道

・都市ガス

・店舗

・産業施設

 

・下水道

・電力・通信

・文教施設

・戸建住宅

 

 

 


2019/12/23
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。