PRESSRELEASE プレスリリース

第23108号

菓子・スナック菓子、デザート、乳油製品、育児用食品、ステープルの国内市場を調査
― 2024年市場予測(2022年比) ―
●アイスクリーム類 5,620億円(8.4%増)
~外出機会の増加に伴いパーソナルサイズ商品の需要が増加、リラックスシーンでの喫食を想定した商品展開も進む~
●グミキャンディ 808億円(32.0%増)
~ガムからの需要シフトや、食感や形状など幅広い商品開発によるユーザー開拓が進み、拡大~

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、加工食品(27カテゴリー385品目)のうち、菓子・スナック菓子、デザート、乳油製品、育児用食品、ステープルの5カテゴリー93品目の市場を調査した。その結果を「2024年 食品マーケティング便覧 No.1」にまとめた。

◆注目市場

●アイスクリーム類

2023年見込

2022年比

2024年予測

2022年比

5,475億円

105.6%

5,620億円

108.4%

2022年は、外出機会の増加に伴いパーソナルサイズ商品のノベルティアイスクリームが好調だったほか、上位メーカーを中心に価格改定を実施した影響により、値ごろ感のあるマルチパックアイスクリームの需要も堅調だった。また、業務用も外食産業の客数回復を背景に大きく伸びたことから市場は拡大した。2023年は、新型コロナの5類移行に伴い外出機会がさらに増加していることから、ノベルティアイスクリームの需要が引き続き増加しており、上位メーカーを中心に新商品投入やプロモーション展開などによる需要喚起が活発化している。また、高級アイスクリームは“体験型アイスクリーム"をコンセプトとした「ハーゲンダッツ ミニカップ SPOON CRUSH」(ハーゲンダッツ ジャパン)がヒットするなど好調なことから市場は前年比5.6%増の5,475億円が見込まれる。コロナ禍でのプチ贅沢需要の増加を受け、アイスクリーム類はユーザー層や時間帯などを問わず、リラックスを目的に喫食される傾向が強まっていることから、上位メーカーによるリラックスシーンでの喫食を想定した商品展開が進められ、今後も市場拡大が予想される。

●グミキャンディ

2023年見込

2022年比

2024年予測

2022年比

736億円

120.3%

808億円

132.0%

2022年は、旺盛な需要を受け小売店での売り場スペースが拡大したほか、ガムからの需要シフトもあり、若年層から中高年まで幅広い需要獲得が進んだことから市場は拡大した。2023年は、急増する需要に対応するため、一部の参入メーカーでは主力ブランドの基幹商品に絞った生産への切り替え、また、一部商品の休売などがみられる。明治がガムで展開していた「キシリッシュ」ブランドからグミキャンディを発売するなど、依然として参入メーカーの注力度は高く、市場は前年比20.3%増の736億円が見込まれる。ガムからの需要シフトや食感や形状などでの幅広い商品開発によるユーザー開拓が進むことなどにより、今後も市場拡大が期待される。

●ファブリケートポテト

2023年見込

2022年比

2024年予測

2022年比

1,090億円

106.4%

1,160億円

113.3%

原料のジャガイモをつぶして油脂や調味料と共に成型・加工した商品を対象とする。2022年は、外出機会の増加に伴い「じゃがりこ」(カルビー)など持ち歩きに適した商品の需要が高まった。また、上位メーカーを中心に個包装商品の投入やコラボ施策など、食シーンや話題性の拡大に向けた取り組みが活発化したことで市場は伸びた。2023年は、前年に引き続きオフィスや行楽など外出時の需要の回復がみられる中で、食シーンの拡大に向けた商品・コミュニケーション施策が活性化しており、市場は前年比6.4%増の1,090億円が見込まれる。今後も多様な食シーンへの進出に向けた商品・プロモーション展開が加速するとみられ、市場は堅調な拡大が予想される。

●オートミール

2023年見込

2022年比

2024年予測

2022年比

66億円

106.5%

69億円

111.3%

2020年以降、新型コロナの流行に伴う健康意識の高まりにより、豊富な食物繊維や低糖質、栄養バランスの高さに加え、メディアによる特集や著名人によるSNSでの拡散により若年層にもユーザーが広がったことで市場は大幅に拡大した。2022年は、前年の反動から伸びは鈍化したものの、ユーザーの定着や参入企業の商品展開拡大もみられ、市場は前年比二桁増となった。2023年は、コロナ禍における特需は落ち着いたものの、各社のレシピ提案に加え、米の代替として浸透しつつあることから市場は活性化しており、前年比6.5%増の66億円が見込まれる。今後も健康意識の高まりにより需要増加が期待される。

●育児用液体ミルク

2023年見込

2022年比

2024年予測

2022年比

25億円

113.6%

28億円

127.3%

2022年は、外出機会の増加によって利用が増えたことや、4月に森永乳業が市場参入したことにより売り場スペースが拡大した。また、前年に改正された育児・介護休業法の段階的な施行に伴い、男性の育児参加が増加したことにより、簡便性の高さから需要が増え、市場は前年比二桁増となった。2023年は、外出機会がさらに増えていることから引き続き需要が高まり、新規ユーザーの獲得も進んでいるため市場は前年比13.6%増の25億円が見込まれる。今後も家族の育児参加が定着する中で市場拡大が続くとみられる。

◆調査結果の概要

 

2023年見込

2022年比

2024年予測

2022年比

菓子・スナック菓子

1兆6,725億円

104.7%

1兆7,189億円

107.6%

デザート

1兆3,093億円

103.6%

1兆3,330億円

105.5%

乳油製品

7,323億円

103.4%

7,394億円

104.4%

育児用食品

857億円

103.3%

861億円

103.7%

ステープル

1兆3,832億円

103.8%

1兆4,092億円

105.7%

菓子・スナック菓子は、2022年以降は原料価格高騰を背景とした価格改定が相次いだことで買い控えの動きがみられるものの、スナック菓子を中心に素材や食感などでの差別化による価値提案が進んでいる。また、メーカーによる、おやつのみならず食事シーンでの喫食をターゲットとした商品・プロモーション展開が活発化しているため、他カテゴリーからの需要流入が進むとみられ、2023年は前年比4.7%増の1兆6,725億円が見込まれる。

デザートは、日常的な喫食機会を創出すると共に、コロナ禍においてプチ贅沢需要を取り込んできた。2022年以降鶏卵不足による一部商品の販売抑制や価格改定など懸念材料がみられるものの、節約志向の高まりなど消費行動が変容する中でも日常のリラックスシーンで喫食される機会が多く、ユーザーは支出に対して比較的寛容であるため、素材などを訴求した高付加価値提案による需要の取り込みが活発化している。

乳油製品は、原料となる生乳の生産量や輸入原料価格、油脂価格による影響が大きく、価格改定が相次いでいるものの、2021年以降は外食業態や観光地をはじめとした業務用ルート向けが回復に向かっていることから、2023年は前年比3.4%増の7,323億円が見込まれる。今後は各品目の上位メーカーを中心に用途提案などによる使用量増加に向けたアプローチが進むとみられる。

育児用食品は、少子化の進行により市場環境は厳しくなっているものの、共働き世帯の増加や男性による育児参加が広がる中で利便性を重視する傾向が強まっており、育児用調整粉乳よりも高単価でありながら育児用液体ミルクの需要が増加していることなどから2023年は前年比3.3%増の857億円が見込まれる。

ステープルは、パンやシリアルフーズを中心に朝食を主体とした食事シーンでの喫食が定着したことから市場は堅調に拡大してきた。2021年以降、小麦をはじめとした原料価格が高騰したことを受け、価格改定を行ったことから廉価商品の需要が高まっている。今後、参入メーカーは価格改定と並行して品質や利便性などを打ち出した商品・プロモーション展開を強めるとみられる。

◆調査対象

菓子・スナック菓子

 

 

 

・米菓

・ドライフルーツ

・ガム

・玩具・雑貨菓子

・豆菓子

・ビスケット・クッキー

・機能ガム

・ポテトチップス

・ミックス菓子

・クラッカー

・キャンディ類

・ファブリケートポテト

・ナッツ類

・プレッツェル

・ハードキャンディ

・ポテトシューストリング

(テーブルナッツ)

・ウエハース菓子

・のど飴

・小麦系スナック

・かりんとう

・マシュマロ

・ソフトキャンディ

・コーン系スナック

・甘納豆

・菓子パイ

・グミキャンディ

・ポップコーン

・ゼリー菓子

・半生ケーキ

・キャラメル

・ライス系スナック

・スナック梅

・チョコレート

・口中清涼菓子

・野菜・その他スナック

・素材菓子

・チョコレート菓子

・手作り菓子

・カップ入りスナック菓子

デザート

 

 

 

・チルドプリン

・プレーンヨーグルト

・高級アイスクリーム

・一口タイプゼリー

・アジアンデザート

・ハードヨーグルト

・マルチパックアイスクリーム

・ドライゼリー

・チルドゼリー

・ソフトヨーグルト

・ノベルティアイスクリーム

・デザートベース

・手作り風デザート

・ギリシャヨーグルト

・冷凍ケーキ

(レトルト/粉末・他)

・シュー

・植物性ヨーグルト

・冷凍プリン・ゼリー

・和風デザート

・手作り風和菓子

・フルーツソース

・ソフトクリーム・

・しるこ・ぜんざい

・ヨーグルト

・アイスクリーム類

シェイクミックス

 

乳油製品

 

 

 

・バター

・ナチュラルチーズ

・チーズスプレッド

・ポーションクリーム

・市販用マーガリン類

・クリームチーズ

・市販用チーズ

・インスタント

・業務用マーガリン類

・カマンベールチーズ

・生クリーム類

クリーミーパウダー

・プロセスチーズ

・チーズフード類

・コーヒー用クリーム

 

育児用食品

 

 

 

・育児用調製粉乳

・育児用液体ミルク

・ベビーフード

・ベビーフード菓子

ステープル

 

 

 

・パン

・中華まんじゅう

・チルドピザ

・栄養バランス食

・食パン

・冷凍ピザ

・シリアルフーズ

(ソリッドタイプ)

・菓子パン・惣菜パン

・チルドピザ・スナック

・オートミール

・ホットケーキ・パンケーキ


2023/10/10
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。