PRESSRELEASE プレスリリース

第24056号

ヘアケア・ヘアメイク、メンズコスメティックスの国内化粧品市場を調査
― 2024年国内市場見込(2023年比) ―
●メンズ整肌料 314億円 (6.4%増)
男性のスキンケア意識の高まり、脱マスクによるメイクアップ需要拡大により伸長

●ヘアトリートメント 1,821億円 (4.1%増)
リブランディングや新ブランドの投入など商品のてこ入れ活発

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、業務用の回復に加えて家庭用でも商品単価アップにより好調なヘアケア・ヘアメイクや、メンズ整肌料の需要が高まるメンズコスメティックスの国内化粧品市場を調査した。その結果を「化粧品マーケティング要覧 2024 No.2」にまとめた。

この調査では、化粧品市場のうち、ヘアケア・へアメイク7品目、メンズコスメティックス7品目の市場把握に加え、インバウンド需要の変化や韓国コスメのトレンド、今後の市場の方向性なども捉えた。なお、スキンケア、フレグランスの化粧品市場については4月30日に発表し、メイクアップ、ボディケアの化粧品市場については今後発表する予定である。

◆調査結果の概要

■メンズコスメティックス市場

メンズコスメティックス市場

2023年は、メンズシャンプー・リンスやメンズスカルプケアが、外出機会の増加に伴う広告効率低下により減少したが、メンズスタイリング剤の需要回復が進んだほか、参入メーカーによるTVCMなど積極的なプロモーション展開によりメンズ整肌料が大きく伸長したことで、市場が拡大した。

2024年は、市場環境が新型コロナウイルス感染症流行前の状況に戻りつつある中でメンズスタイリング剤、メンズ整肌料は伸びが続くとみられる。特にメンズ整肌料は、中高年層のスキンケア需要が伸び、また、若年層では加えてポイントメイクやベースメイクなどのメイクアップも需要が増加している。一方で、メンズスタイリング剤はコロナ禍で減少した需要が徐々に回復しているものの、中高年層を中心としたロングセラー商品が多いため、長期的にはユーザーの減少が懸念される。また、メンズスカルプケアやメンズシャンプー・リンスなどでは、男性が女性用・ユニセックスブランドを使うといったケースがみられており、需要の獲得に苦戦していることから、市場は前年比0.6%増にとどまる見込みである。

●メンズ整肌料

メンズ整肌料

2023年は、前年発売されたサントリーウエルネスの「VARON オールインワンセラム」が中高年層の需要を獲得したことで、保湿ケアが市場をけん引した。また、メイクアップは男性のメイクアップに対する抵抗感が徐々に薄れていることや、脱マスクによりシミや青髭などを気にするようになったことからBBクリームの需要が増加し、好調だった。

男性の身だしなみ、スキンケア意識は高まっており、手軽に本格的なケアが出来るオールインワンの商品や中高年層をターゲットとしたエイジングケア訴求の商品など、保湿ケアを中心に2024年の市場は拡大するとみられる。メイクアップは、各社から商品投入が行われており、インフルエンサーや美容系YouTuberとのタイアップなどによる需要の取り込みが行われている。女性向けのメイクアップ商品は、男性が使用するには色味が強くユニセックス化は進みにくいため、男性向け商品の需要開拓による、市場拡大への寄与が期待される。

■ヘアケア・ヘアメイク市場

ヘアケア・ヘアメイク市場

2023年は、主力のシャンプーやヘアトリートメントで、家庭用のセルフブランドとしては高価格である1,000円台の商品が伸びた。これらは新興メーカーが市場をけん引しており、特定のチェーンに展開を絞り、訴求の独自性やパッケージデザインで差別化し、SNSを活用した販促活動により若年層の需要を獲得した。また、外出頻度の増加によるヘアスタイリング剤やパーマネントウェーブ剤の需要増加、ヘアカラーのインバウンド需要獲得も追い風となり、市場は前年比2.2%増となった。

2024年は、シャンプーやヘアトリートメントで新興メーカーに加え、大手トイレタリーメーカーが同様の価格帯商品の投入を行っていることから、市場拡大が予想される。一方で、新興メーカー間の競合が激化しているほか、商品棚の確保といった観点から展開アイテム数を増やすことが難しいため、既存商品のリニューアルなどが進むとみられる。

●ヘアトリートメント

2023年は、家庭用では“ナイトケア"を訴求し前年にヒットした「YOLU」(I-ne)が引き続き好調だったほか、その他の新興メーカーも、“ナイトケア"を訴求したブランドを投入し、SNSを中心とした販促活動により若年層の需要獲得が進み、市場は拡大した。また、業務用ではハイトーンのカラー施術による深刻なダメージのケアを訴求した商品が好調で、市場は前年比5.2%増となった。

2024年は、新興メーカーだけでなく、大手トイレタリーメーカーによるリブランディングや新ブランドの投入など商品のてこ入れが活発であることに加え、業務用でも展開サロンを限定した登録制ブランドの拡大による単価アップが期待され、市場拡大が続くとみられる。

●ヘアカラー

2023年は、家庭用の白髪用ヘアカラートリートメントが美容室や理容室で行ったヘアカラーのメンテナンスアイテムとして好調だった。また、手軽なカラーリングが可能な黒髪用ヘアマニキュアやエントリー層を中心に支持されたカラーシャンプーも前年を上回った。業務用では、仕上がり感を重視するユーザーの増加によって、セルフ施術から美容室や理容室での施術へシフトしたことに加え、イベント参加や人と会う機会が増えたことを背景に、白髪用と黒髪用ともに伸びており、市場は前年比2.0%増となった。

2024年は、セルフ施術から美容室などへのシフトが続き、業務用の伸長が予想される。特に黒髪用はハイトーンカラーの人気が続いており、ブリーチ剤を含め複数アイテムを使用したヘアカラー、季節感をイメージした鮮やかなカラーやインナーカラーも浸透するなどヘアカラーの嗜好も多様化しており、市場は引き続き拡大するとみられる。

◆調査対象

ヘアケア・ヘアメイク
・シャンプー
・リンス・コンディショナー
・ヘアトリートメント
・女性用スカルプケア
・ヘアスタイリング剤
・ヘアカラー
・パーマネントウェーブ剤
メンズコスメティックス
・メンズシャンプー・リンス
・メンズスタイリング剤
・メンズスカルプケア
・メンズシェービング料
・メンズ洗顔料
・メンズ整肌料
・メンズボディケア

2024/6/13
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。