PRESSRELEASE プレスリリース

第25010号

機能性化粧品の国内市場を調査
― 2025年予測(2023年比) ―
■機能性化粧品市場 2兆6,230億円(7.4%増)
使用アイテムの増加や、高機能性商品を積極的に購入する消費者が増え、市場は拡大

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、コロナ禍が明け外出機会の増加による美容意識の高まりで、使用アイテム数の増加や機能性を重視した商品選択をする消費者が増えたことから拡大している機能性化粧品の国内市場を調査・分析した。その結果を「機能性化粧品マーケティング要覧 2024-2025」にまとめた。

この調査では、薬機法で定める化粧品の効能の範囲と、モイスチャーやホワイトニング、アンチエイジング、敏感肌、アクネ対応などの機能を訴求する商品を機能性化粧品と定義し、訴求機能別の市場動向を分析するとともに注目商品の動向についてまとめた。

◆調査結果の概要

■機能性化粧品の国内市場

機能性化粧品の国内市場

2023年は、SNSなどで化粧品の成分や処方に関する情報の普及が進み、化粧品全般において価格よりも機能性を重視した商品選択を行う消費者が増えたほか、スキンケアやベースメイク、サンスクリーン(日焼け止め)を中心にインバウンド需要の回復がみられたことで市場は拡大した。

2024年も、機能性重視で消費者の商品選択が進むとともに、新型コロナウイルス感染症5類移行に伴う外出機会増加などの影響から、顔だけでなく体や髪など全身の美を追求する美容高感度層が増えている。ケアに使用するアイテム数の増加や、物価高でも効果が期待できる化粧品への投資を惜しまない消費者が増えているため、市場は前年比4.0%増の拡大が見込まれる。

また、美容医療への関心の高まりから美容医療施術で用いられるグルタチオンやアゼライン酸を配合したスキンケア商品の発売や、より高いスキンケア効果や仕上がりの持続性を訴求したベースメイク商品の伸びも市場拡大に寄与するとみられる。

◆注目市場

●アンチエイジング【スキンケア】

アンチエイジング【スキンケア】

加齢によるしわやたるみ、くすみなどの老化症状の予防・改善、また、老化に伴う毛穴の開きに対応した商品を対象とした。

2023年は、インバウンド需要の回復によりプレステージブランドが伸びた。また、マスクを外して顔を見せる機会が増えたことでフェイスラインや口元のたるみケアへの関心が高まり、たるみの引き上げ・引き締めを訴求した商品の伸びが市場拡大に寄与した。しわケアは、しわ改善の新規有効成分であるライスパワーNo.11+とVEP-Mを配合した商品が発売されるなど、配合成分や機能の複合化などにより需要喚起が進んだ。しわやたるみなどのエイジングサインに応じて商品を使い分ける消費者が増加し、使用アイテム数が増えたことも市場拡大に寄与した。

近年、配合成分を重視する消費者が増加しており、アンチエイジング機能を有する成分としてレチノールの認知が急速に高まったことで、各企業から配合商品の発売が活発化している。2024年は、複数の配合成分の組み合わせや肌への浸透技術といった処方を打ち出すことで、エイジングケア機能の高さを訴求する商品が増加し需要獲得が進んでいる。また、中高年人口の増加に加え若年層の美容意識の高まりで早期ケアニーズが高まるとみられる。より高いエイジングケア効果を求め高価格帯商品などを中心に需要が増加することで市場拡大が期待される。

●モイスチャー【ベースメイク】

モイスチャー【ベースメイク】

毛穴やシミ、くすみなどをカバーし凹凸のないきめの整った均一な肌色が実現できることを訴求した商品や、皮脂や汗に強く崩れにくいことを付加訴求した商品を対象とした。

2023年は、新型コロナ5類移行の影響で全顔を見せる機会が増加しファンデーションの需要が回復した。また、艶感や毛穴カバーなど仕上がりの良さを重視する志向の高まりで、プレステージブランドの需要が増加し単価アップが進んだことで市場は拡大した。さらに、肌負担の軽減やスキンケア効果を備えた商品などの投入が活発化し、ファンデーションを使用しない“ノーファンデ"層の需要を捉えたことも市場拡大に寄与した。

2024年も、ベースメイクの仕上がりを重視する傾向が続く。物価高騰の中でもベースメイクについては価格よりも品質を求める消費者が多いことから、プレステージブランドが伸び単価アップが進むとみられる。また、スキンケア効果や美容液ファンデーションといった付加価値商品の拡充による幅広い年代の使用やインバウンド需要の回復も寄与し、市場は拡大すると予想される。

●UV(ホワイトニング)【ボディケア】

UV(ホワイトニング)【ボディケア】

紫外線から肌を保護し体のシミ・そばかすや日焼けによる炎症を防ぐ機能を訴求した商品や、日焼け後の乾燥や炎症を緩和し美白機能を訴求したホワイトニング商品を対象とする。

2023年は、イベントやレジャーでの外出機会の増加や、長引く猛暑の影響で売り場での商品展開が活発化し、サンスクリーン(長時間日差しを浴びることで生じる日焼けや皮膚のしみを抑える効果がある日焼け止め)が大幅に伸びた。また、保湿系アイテムでは美容意識の高まりから、ナイアシンアミドやレチノールなど話題性の高い成分を配合し、シミ予防などのホワイトニング機能に加えしわ改善などのアンチエイジング機能も訴求した高単価なハンドクリームの使用が広がり市場は拡大した。

2024年は、サンタン・サンスクリーンにおいて高いスキンケア機能やメイクアップ効果などの機能訴求強化で単価の上昇が予想される。ミストタイプやスティックタイプなど複数アイテムの併用使用のほか、店頭陳列が通年化したことから使用習慣が定着し、1年あたりの購入アイテム数が増加するとみられる。また、肌の透明感に対する消費者の関心が高まっており、全身のホワイトニングに向けボディクリームやハンドクリームなどが好調なため、コロナ禍前を上回る規模まで市場拡大するとみられる。

◆調査対象

スキンケア
・訴求機能
・モイスチャー
・ホワイトニング
・アンチエイジング
・敏感肌
・アクネ対応
・対象品目
・洗顔料
・クレンジング
・モイスチャー
・スポットケア(部位別訴求商品)
・化粧水
・乳液
・美容液
・パック

ベースメイク
・訴求機能
・モイスチャー
・ホワイトニング・UV
・アンチエイジング
・皮脂過剰抑制
・敏感肌
・アクネ対応
・対象品目
・メイクアップベース
・ファンデーション
・フェイスパウダー

ボディケア
・訴求機能
・モイスチャー
・UV(ホワイトニング)
・スリミング/マッサージ効果
・敏感肌
・フレグランス
・対象品目
・リップクリーム
・サンタン・サンスクリーン
・ボディシャンプー
・ボディクリーム・ローション
・バスプロダクツ

ヘアケア
・訴求機能
・モイスチャー&マイルド
・ダメージケア
・頭皮ケア
・アンチエイジング
・フレグランス
・対象品目
・シャンプー
・リンス・コンディショナー
・ヘアトリートメント(ヘアコーティング剤も含む)
・女性用スカルプケア
・メンズヘアケア(シャンプー/リンス/ヘアトリートメント)
・メンズスカルプケア


2025/2/3
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。