PRESSRELEASE プレスリリース
放熱シート360億円(14.3%増)、放熱樹脂基板333億円(2.3倍)
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、モバイル端末の高性能化、家電機器のインバータ化、自動車の電装化、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーシステム向けパワーモジュールの増加などにより、様々な分野・用途において需要が増加している熱制御・放熱部材の市場動向を調査した。 その結果を「2014年 熱制御・放熱部材市場の現状と新用途展開」にまとめた。 報告書では、放熱部材19品目、フィラー材・セラミック基板原料5品目、放熱部材の用途とされるアプリケーション13品目を対象として、熱制御・放熱部材に関する市場の動向を分析し今後を予測した。
◆注目市場
1.放熱シート
2013年 |
2018年予測 |
2013年比 |
|
市場規模 |
315億円 |
360億円 |
114.3% |
2013年の放熱シート市場は315億円となった。放熱シートは、これまでの主用途であったCPUや各種パワーモジュール向けに加えて、自動車分野や産業分野での採用が増加している。 特に、自動車分野では、LEDヘッドランプやECU周り、HVやEVなどの次世代自動車の搭載バッテリー、モータ、コンバータ向けで採用されている。「自動車の電装化」の進展に伴い、今後も需要の増加が期待される。 産業分野では、日本を中心に太陽光発電用のパワーコンディショナ向けの需要が増加している。また、通信基地局向けや、クラウドサービスの進展に伴うネットワークシステム向けも好調である。 今後はこれら自動車分野や産業分野での需要の増加と採用の拡大により、2018年の市場は2103年比14.3%増の360億円が予測される。
2.放熱樹脂基板
2013年 |
2018年予測 |
2013年比 |
|
市場規模 |
144億円 |
333億円 |
2.3倍 |
放熱樹脂基板はTV用LEDバックライトやLED照明向けの需要が中心である。アルミベース回路基板からの代替需要を取り込み市場は拡大し、2013年はPWB(プリント配線板)ベースで144億円となった。 TV用LEDバックライト向けは、4Kタイプを中心とした高精細TVにおいて直下型バックライトの採用が拡大していることから、直下型に主に用いられる放熱樹脂基板の需要も増加している。加えて、アルミベース回路基板の採用が主流であるエッジライト型バックライトでも、放熱樹脂基板の性能向上を受け、低コスト化を目的に採用が増加するとみられる。 また、中国をはじめとしたアジアにおいて市場拡大が続くインバータ搭載家電向けについても、アルミベース回路基板からの代替が進んでおり、さらなる需要増加が期待される。 現時点では採用に至っていないものの、自動車の駆動部向けパワーモジュールに窒化アルミをはじめとした高熱伝導率フィラーを充填した放熱樹脂基板の採用が検討されている。採用された場合の市場規模の大きさや付加価値の高さから、今後の動向に注目が集まっている。
3.グラファイトシート
2013年 |
2018年予測 |
2013年比 |
|
市場規模 |
281億円 |
431億円 |
153.4% |
2013年のグラファイトシート市場は281億円となった。2012年後半から、急速に普及するスマートフォンやタブレット端末向け人工グラファイトシートの需要が大幅に増加している。人工グラファイトシートは天然グラファイトシートに比べて2倍以上の熱伝導率を有するなど高性能なグラファイトシートとして、今後も市場をけん引していくとみられる。一方、天然グラファイトシートは、主用途であったLED-TVやノートPC、フィーチャーフォンの需要縮小の影響を受け、今後の苦戦が予想される。モバイル端末の高機能化や多機能化に対応した熱対策のニーズは今後も継続するとみられ、2018年には2013年比53.4%増の431億円が予測される。
◆調査結果の概要
1.熱制御・放熱部材の世界市場 (※ヒートシンクは国内市場を対象とする)
2013年 |
2018年予測 |
2013年比 |
|
| Thermal Interface Material | 639億円 |
760億円 |
118.9% |
| 放熱基板 | 699億円 |
1,025億円 |
146.6% |
| 接着・封止材 | 647億円 |
793億円 |
122.6% |
| その他放熱部材 | 3,455億円 |
4,832億円 |
139.9% |
合 計 |
5,440億円 |
7,410億円 |
136.2% |
1.Thermal Interface Material (TIM)
TIMは各部材がユーザーの設計思想や使用部位により使い分けがされており、2013年の市場は639億円となった。 各品目の単価は下落しているものの、主用途である電子・電機機器の生産台数の増加に伴い、TIMの市場も拡大している。今後は、電装化の進む自動車分野、太陽光発電システムや通信基地局などの産業分野で需要が拡大すると予想される。 特に、HVやEVなど次世代自動車の生産台数の増加、また自動車1台あたりのECU搭載数の増加により、益々需要が高まるとみられ、参入メーカーの多くが今後の注力分野と位置づけている。 市場も堅調に拡大するとみられ、2018年には2013年比18.9%増の760億円が予測される。
2.放熱基板
2013年の市場は699億円となった。チップの高出力化に伴い放熱基板の需要が増加している。特に、 家電分野向けで放熱樹脂基板、自動車分野や産業分野向けでセラミック系基板の需要増加が期待され、2018年は2013年比46.6%増の1,025億円が予測される。 窒化アルミベース回路基板は、中国における鉄道や産業機器、次世代自動車向けの需要を背景に市場が大幅に拡大している。 窒化ケイ素ベース回路基板は、2017年以降の次世代自動車のラインアップ拡充に伴い、需要拡大が期待される。また、放熱樹脂基板は、LED照明やTV用LEDバックライト、家電用インバータ向けでアルミベース回路基板からの代替が進んでおり、今後も採用が拡大するとみられる。
3.接着・封止材
2013年の市場は647億円となった。接着・封止材では高熱伝導へのニーズの高まりを受け、高価格な放熱グレードの採用が増加しており、市場は拡大している。
パワーデバイス用封止材は、熱対策が必要なIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)モジュールが好調なため需要が増加している。ダイボンドペーストは、LEDパッケージ市場の拡大や、高輝度・高出力LEDパッケージ向けの高価格なシリコーンペーストや共晶はんだの需要増加で好調である。放熱ポッティング材は、自動車の電装化の進展や次世代自動車の市場拡大に伴い、自動車用電子基板向けで採用が拡大している。
◆調査対象
| 用途市場 | スマートフォン、タブレット端末、ノートPC、LED照明、薄型TV(バックライト)、インバータ搭載ルームエアコン、自動車(内燃機関自動車・次世代自動車)、車載用インバータ、車載用リチウムイオン電池、LEDヘッドランプ、太陽光発電用パワーコンディショナ、無線基地局、汎用インバータ | |
| 放熱部材市場 | Thermal Interface Material | 放熱シート、フェイズチェンジシート、放熱両面テープ、放熱グリース、放熱接着剤、ギャップフィラー |
| 放熱基板 | 放熱樹脂基板、アルミベース回路基板、アルミナベース回路基板、窒化アルミベース回路基板、窒化ケイ素ベース回路基板 | |
| 接着・封止材 | パワーデバイス用封止材、ダイボンドペースト、放熱ポッティング材 | |
| その他放熱部材 | グラファイトシート、ヒートシンク(※国内市場)、ヒートパイプ・冷却ユニット、放熱塗料、放熱エンプラ | |
| フィラー材・セラミック基板原料市場 | シリカ、アルミナ、窒化アルミ、窒化ホウ素、炭素繊維 | |
※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。
