PRESSRELEASE プレスリリース
鼻炎治療剤(内服)169億円(1.7%減)新製品浸透で微減にとどまる
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、一般用医薬品(市販薬・OTC)市場を調査した。その調査結果を報告書「一般用医薬品データブック 2015 No.1」および「(同)No.2」にまとめた。
この報告書では、一般用医薬品を17分野73薬効に分類しその動向を捉えており、No.1で、ドリンク剤、疲労対策、女性関連、フットケア、美容関連用薬、肩こり・関節痛関連、小児用薬、その他外用薬、環境衛生用薬の9分野を、No.2で、感冒関連用薬、花粉症関連、生活習慣病関連、生活改善薬、胃腸・消化器官用薬、オーラルケア、感覚器官用薬、漢方薬の8分野を対象とした。
2014年は、一般用医薬品市場に大きな影響を与える出来事や制度変更が相次いだ。具体的には、1)消費税率の引き上げ、2)要指導医薬品を除くインターネット販売解禁、3)消費税の免税制度変更による中国人観光客を中心とした訪日外国人のインバウンド需要の活性化、が挙げられる。インターネット販売解禁やインバウンド需要への対応など、市場を取り巻く環境は流動的であるものの、市場への好影響が期待される。また、前年に続き、高機能、高付加価値、高価格帯製品の投入や市場への浸透が進んでいる。
◆注目市場
1.ドリンク剤・ミニドリンク剤
2014年 |
2013年比 |
2015年見込 |
2014年比 |
|
市場規模 |
398億円 |
100.5% |
402億円 |
101.0% |
容量100ml以上をドリンク剤、100ml未満をミニドリンク剤とする。なお、主に風邪や発熱時の栄養補給を訴求する製品は対象外である。
ドリンク剤は市場の縮小が続いているものの、ミニドリンク剤では高価格帯製品が、効果実感の高さからユーザーの定着がみられ拡大した。しかし、ユーザーの年齢層が高く、若年層の取り込みが進んでいないことから、販促強化に加え、需要の掘り起こしが重要となっている。
なお、医薬部外品分類のドリンク剤(上表対象外)も縮小を続けている。ドリンク剤は夏場の天候の影響を受けやすく、2014年は前年比4.6%減の866億円、ミニドリンク剤と合わせても医薬部外品分類の市場は3.3%減の1,130億円となった。
2.外用消炎鎮痛剤
2014年 |
2013年比 |
2015年見込 |
2014年比 |
|
市場規模 |
430億円 |
100.5% |
432億円 |
100.5% |
2000年代半ばまでは、インドメタシンやフェルビナクを配合した製品が積極的に投入され拡大していたが、需要の開拓が一巡し伸びが鈍化した。2009年にジクロフェナクナトリウムのスイッチOTC登場による市場活性化が期待されたが、第1類に区分されたことや、インドメタシンやフェルビナクを配合した安価なPB製品の拡充などにより、2010年以降は縮小が続いていた。
2013年にジクロフェナクナトリウムのリスク区分が第2類に引き下げられたことで、メーカーの同成分配合製品の投入意欲が高まり、2014年には新製品の投入、取扱店並びに店頭露出の増加、これに加えて発売80周年を迎えた「サロンパス」(久光製薬)の販促強化などにより、久々に拡大した。また、「ハリックス ほぐリラ」(ライオン)では“外出時の使用”という、これまでなかった使用シーンの提案などによる新たな需要の開拓が進んでいる。
3.鼻炎治療剤(内服)
2014年 |
2013年比 |
2015年見込 |
2014年比 |
|
市場規模 |
169億円 |
98.3% |
190億円 |
112.4% |
花粉症対策としての需要が大きく、市場は花粉飛散量や飛散期間の影響を大きく受けるが、2011年の「アレジオン10」(エスエス製薬)、2012年の「アレグラFX」(久光製薬)の発売など、注目の医療用成分がスイッチOTC化されたこともあり、一般用医薬品による鼻炎治療が浸透している。
2014年は花粉飛散量の減少により市場の大幅な縮小が懸念されたが、新製品の登場や市場への浸透もあり、減少幅を最小限にとどめ前年比1.7%減となった。また、2015年は花粉飛散量の増加により前年比二桁増が見込まれる。
なお、鼻炎治療剤におけるスイッチOTCの比率は4割近い(2014年)。「アレジオン10」「アレグラFX」がけん引することで、スイッチOTC市場は花粉飛散量が前年より減少した2014年も拡大を続けている。
4.目薬
2014年 |
2013年比 |
2015年見込 |
2014年比 |
|
市場規模 |
456億円 |
102.5% |
478億円 |
104.8% |
2009年頃からの価格低下脱却を図るため、高機能型製品による需要開拓に注力した成果が表れつつあり、2012年以降拡大を続けている。
2014年は、新製品の投入や既存製品のリニューアルが続いたことに加え、日本の目薬は中国や台湾をはじめ海外でも評価が高いことから訪日観光客のインバウンド需要を獲得した。これにより、好調だった2013年の市場規模をさらに上回った。
パソコンやスマートフォンの使用による目の疲れや乾き、加齢による眼機能の低下への対応など、様々な切り口で需要喚起が行われ、目薬の使用が習慣化されていることから今後も市場の拡大が予想される。
◆調査対象
| ドリンク剤 | ドリンク剤、ミニドリンク剤 |
| 疲労対策 | 滋養強壮剤(強精剤含)、薬用酒、強肝解毒栄養剤、ビタミンB1主薬製剤、総合ビタミン剤(エネルギー代謝改善薬含) |
| 女性関連 | カルシウム剤、造血剤、膣カンジダ治療薬、女性保健薬、月経前症候群治療薬、妊娠診断薬・排卵予知薬 |
| フットケア | 水虫薬、イボ・ウオノメ薬、足のむくみ改善薬 |
| 美容関連用薬 | ビタミンB2主薬製剤、ニキビ用薬、しみ改善薬(ビタミンC主薬製剤含)、ビタミンE主薬製剤(ビタミンEC主薬製剤含)、あかぎれ用薬、乾燥皮膚用薬 |
| 肩こり・関節痛関連 | 外用消炎鎮痛剤、関節痛治療薬、ビタミンB1B6B12主薬製剤、肩こりドリンク剤 |
| 小児用薬 | 鎮暈剤、小児五疳薬 |
| その他外用薬 | 鎮痒剤、救急絆創膏、外用殺菌消毒剤、口唇ヘルペス治療薬、皮膚治療薬 |
| 環境衛生用薬 | 殺虫剤、消毒剤 |
| 感冒関連用薬 | 総合感冒薬、風邪滋養内服液、葛根湯液、解熱鎮痛剤、鎮咳去痰剤(トローチ・のど飴タイプ)、咳止め薬、含嗽剤、殺菌塗布剤 |
| 花粉症関連 | 鼻炎治療剤(内服)、点鼻薬、抗ヒスタミン剤 |
| 生活習慣病関連 | 肥満防止剤、血清高コレステロール改善薬、中性脂肪値改善薬、強心剤、尿糖・尿蛋白検査薬 |
| 生活改善薬 | 禁煙補助薬、頻尿・尿もれ改善薬、催眠鎮静剤、眠気倦怠防止剤、育毛剤 |
| 胃腸・消化器官用薬 | 総合胃腸薬、健胃・消化薬、制酸薬、鎮痛鎮痙胃腸薬、胃腸内服液、整腸薬、止瀉薬、便秘薬、駆虫薬、痔疾用薬 |
| オーラルケア | 歯槽膿漏治療剤、外用歯痛剤、口内炎治療剤 |
| 感覚器官用薬 | 目薬、耳疾患用剤、ビタミンA・D主薬製剤 |
| 漢方薬 | 漢方処方エキス製剤(葛根湯含) |
※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。
