PRESSRELEASE プレスリリース
一般用医薬品9カテゴリー40品目の国内市場を調査
しみ改善薬はインバウンド需要の恩恵も受け好調。
ビタミンB2主薬製剤とともにビタミン剤の市場拡大をけん引
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、国内一般用医薬品市場の現状把握を目的に、ドリンク剤やビタミン剤、滋養強壮保健薬、検査薬、女性関連薬、神経用薬、胃腸・消化器官用薬、オーラル関連用薬、漢方・生薬製剤など、9カテゴリー40品目を調査した。その結果を「2019 一般用医薬品データブック No.1」にまとめた。
◆注目市場
1. ビタミン剤、しみ改善薬

ビタミン剤市場はインバウンド需要の恩恵もある美容関連のしみ改善薬(ビタミンC主薬製剤を含む)やビタミンB2主薬製剤の好調により拡大している。
しみ改善薬はしみ・そばかすの緩和など美白効果を訴求するビタミンC主薬製剤、L−システイン製剤、トラネキサム酸製剤を対象とする。美容要素が強いためサプリメントや化粧品などとの競合が激しく、需要変動が大きな時期もあったが、2010年から2014年にかけ市場は参入企業の継続的な注力もあって安定成長している。
2015年には新製品の投入と販促の強化のほか、インバウンド需要による押し上げがあり、市場は大幅な伸びを示した。2016年は前年の反動を強いられマイナスとなったものの、2017年は販促の強化が図られたことで「トランシーノ」(第一三共ヘルスケア)が実績を伸ばし、インバウンド需要も再燃して拡大に転じた。2018年は上位製品をはじめ多くの製品が実績を伸ばしたことから、市場は2017年比20%超の拡大となった。インバウンド需要の将来性については不透明な部分もあるが、しみ対策をはじめとする美肌は女性の関心事の一つであるため、美肌の手段として一般用医薬品であるしみ改善薬の選択が続けば、今後も順調な拡大が期待できる。
2. 造血剤
2018年 |
2019年見込 |
2018年比 |
|
市場規模 |
12億円 |
14億円 |
116.7% |
造血剤は、血液中の赤血球・ヘモグロビンを増加させる薬剤であり、貧血の治療に用いる。市場は貧血予防・改善を訴求した健康食品の影響を受けて2013年以降縮小・横ばいとなっていたが、2016年に日本臓器製薬から新製品が発売され、TVCMなどによって市場が活性化したことから、2017年以降拡大に転じている。貧血の予防や改善を訴求したサプリメントや健康食品の普及は、造血剤の認知度向上にも寄与しており、2019年以降も市場は拡大が予想される。
3. 便秘薬
2018年 |
2019年見込 |
2018年比 |
|
市場規模 |
159億円 |
161億円 |
101.3% |
多くの胃腸・消化器官用薬が低調に推移する中、便秘薬は酸化マグネシウム配合製品の実績伸長により市場が拡大している。便秘薬は一定の需要があるものの、主なユーザーである若年女性層の人口減少や、便秘予防を訴求した健康食品・食品との競合、健康志向の高まりから食事や運動など生活習慣に気を配る生活者も増え、また、インバウンド需要も落ち着いたことから、市場は2014年から2016年まで横ばいとなっていた。しかし、2016年発売の「酸化マグネシウムE便秘薬」(健栄製薬)が非刺激性を訴求したTVCMなどによってエントリーユーザーを中心に需要を獲得し始めたことから2017年に市場はプラス成長に転じ、2018年も拡大した。2019年も酸化マグネシウム配合製品の需要はエントリーユーザーを中心に伸びており、既存ブランドへのアイテム追加も見られる。今後も製品数が増えることで新規ユーザーの獲得が進み市場拡大が期待される。
4. ドリンク剤、ミニドリンク剤
2018年 |
2019年見込 |
2018年比 |
|
ドリンク剤 |
55億円 |
57億円 |
103.6% |
(参考:医薬部外品分類) |
(775億円) |
(779億円) |
(100.5%) |
ミニドリンク剤 |
354億円 |
352億円 |
99.4% |
(参考:医薬部外品分類) |
(268億円) |
(266億円) |
(99.3%) |
100mlサイズの製品をドリンク剤、100ml未満(主に50ml)の製品をミニドリンク剤としている。ドリンク剤とミニドリンク剤を合算したドリンク剤全体の市場は2016年以降縮小しているが、製品面でのテコ入れ策により底打ち感がみられ、2019年は横ばいと見込まれる。
ドリンク剤市場は2010年以降医薬品・医薬部外品共にエナジードリンクや機能性表示食品との競合により縮小推移していたが、近年は新製品の投入と販促により実績拡大に転じる企業や実績縮小を小幅にとどめる企業も多く、市場は2018年に下げ止まりつつあり、2019年にはプラス成長が見込まれる。
医薬部外品分類の市場は販売規制緩和によって「リポビタンD」(大正製薬)をはじめとする主要製品が一般用医薬品規格から移行したことで、現状ではドリンク剤市場の13〜14倍の市場規模となっている。市場は縮小が続いていたが、日本初のパウチ容器入りのドリンク剤「アリナミンメディカルバランス」(武田コンシューマーヘルスケア)が発売され、その新規性から実績を伸ばしており、2019年の市場は僅かながら拡大するとみられる。
ミニドリンク剤市場は、2016年以降微減推移している。2017年は美肌を訴求する「チョコラBB」シリーズ(エーザイ)や肝臓水解物配合を訴求する「ヘパリーゼ」シリーズ(ゼリア新薬工業)などが好調、2018年は「チョコラBB」シリーズや「アリナミン」シリーズ(武田コンシューマーヘルスケア)が実績を伸ばしたが、その他の製品が苦戦したため市場は前年割れとなった。2019年の市場も縮小するとみられる。市場縮小の原因はエナジードリンクや機能性表示食品などの清涼飲料との競合が考えられるが、美肌訴求や肝臓水解物配合訴求など、ターゲットや訴求が明確な製品は比較的好調であることから、今後は特徴を明確にアピールし清涼飲料との差別化を図った製品や販促の施策が必要とみられる。
医薬部外品分類の市場はドリンク剤と比較して配合成分による差別化を図っている製品が多いため、一般用医薬品規格製品の7〜8割合程度の市場規模にとどまっている。市場は縮小しているものの、2018年は「アリナミンV」「アリナミンVゼロ」「アリナミンV&V」(武田コンシューマーヘルスケア)が好調であった。また、「チョコラBBローヤル2」(エーザイ)なども女性層の支持を得ることで実績を伸ばしている。
◆調査対象
| ドリンク剤 | ドリンク剤、ミニドリンク剤 |
| ビタミン剤 | ビタミンB1主薬製剤、ビタミンB2主薬製剤、ビタミンB1・B6・B12主薬製剤、しみ改善薬、ビタミンE主薬製剤、総合ビタミン剤、ビタミンA・D主薬製剤 |
| 滋養強壮保健薬 | 滋養強壮剤、薬用酒、強肝解毒栄養剤、カルシウム剤、造血剤、関節痛治療薬 |
| 検査薬 | 妊娠検査薬、排卵日検査薬、尿糖・尿蛋白検査薬 |
| 女性関連薬 | 女性保健薬、月経前症候群治療薬、膣カンジダ治療薬 |
| 神経用薬 | 鎮暈剤、小児五疳薬 |
| 胃腸・消化器官用薬 | 総合胃腸薬、健胃・消化薬、制酸薬、鎮痛鎮痙胃腸薬、過敏性腸症候群改善薬、胃腸内服液、整腸薬、止瀉薬、便秘薬、駆虫薬、痔疾用薬 |
| オーラル関連用薬 | 歯槽膿漏治療剤、外用歯痛剤、むし歯予防薬、口内炎治療剤 |
| 漢方・生薬製剤 | 漢方処方エキス製剤、物忘れ改善薬 |
※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。
