マーケット情報


熱可塑性エラストマー、合成ゴム・天然ゴムの世界市場を調査

−2018年予測(2013年比)−
熱可塑性エラストマー 2兆641億円(23.5%増)自動車部品向けが市場拡大をけん引
合成ゴム 5兆4,076億円(17.0%増)新興国の自動車用タイヤ向けが増加


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、中国や東南アジアなど新興国を中心に需要が増加している熱可塑性エラストマー、合成ゴム・天然ゴムの世界市場を調査した。その結果を「2015年 高機能エラストマー・応用製品市場の展望とグローバル戦略」にまとめた。

この報告書では、熱可塑性エラストマー(TPE)13品目、合成ゴム12品目、天然ゴムの市場の現状を分析し今後を予測した。加えて、それらの応用製品10品目の市場を整理した。

熱可塑性エラストマー、合成ゴム・天然ゴムの市場は、自動車向けを中心に中国や東南アジアなどの新興国の需要増加により拡大を続けており、2014年には合計で10兆円を突破すると見込まれる。また、参入メーカーについても、従来の日系、欧米メーカーだけでなく、 韓国、台湾、中国、その他アジア系の存在感が増しており今後の動きが注目される。

◆調査結果の概要

高機能エラストマー (TPE13品目、合成ゴム12品目、天然ゴム)の世界市場 ※1

2014年見込
2013年比
2018年予測
2013年比
TPE
1兆7,532億円
104.9%
2兆0,641億円
123.5%
合成ゴム
4兆7,340億円
102.4%
5兆4,076億円
117.0%
天然ゴム
3兆5,166億円
103.0%
4兆1,164億円
120.5%
合計
10兆0,038億円
103.0%
11兆5,881億円
119.3%

※1 TPEの内、s-TPO、RTPOは日本市場を対象とした。

TPEは、自動車、電気・電子、建築、生活日用品など幅広い用途で採用され、中国をはじめとした新興国の経済成長に連動して需要が増加している。今後もアジアを中心とした各用途の需要増加により市場の拡大が予想される。特に、 自動車部品向けの需要が増加しており市場をけん引するとみられる。また、合成ゴムからの代替も進展するとみられる。

2013年は、スチレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマー(SBS)が金額ベースで最も市場規模が大きかった。中国、北米、欧州が需要の中心である。α‐オレフィンコポリマーは自動車部品の樹脂改質剤での需要が大きく金額ベースで市場の15%以上を占めた。自動車、電気・電子、生活日用品などの生産拠点が集積している中国が最大の需要地域である。また、生産拠点のシフトが進む東南アジアの需要も高まっている。

合成ゴムは、数量ベースで6割以上が自動車向けである。2013年は天然ゴムが安価に推移したことや、交換用タイヤの需要が欧州の景気後退により減少したことで、金額ベースで前年比1.0%の伸びにとどまった。特に、ポリブタジエンゴム(BR)やポリイソプレンゴム(IR)が、タイヤ向けで天然ゴムと競合したため縮小した。ただし、今後は新興国の経済成長により自動車市場が拡大するとみられ、合成ゴムの需要増加が期待される。

2013年時点では、タイヤ向けが中心のスチレンブタジエンゴム(SBR)やBR、自動車部品向けが多いエチレンプロピレンゴム(EPDM)や、ブチルゴム(IIR)の需要が大きい。

天然ゴムは、生産量の増加に伴い低価格化が進んだことで、タイヤ向けを中心に需要が増加しており、市場拡大が予想される。

◆注目市場

1.架橋型オレフィン系エラストマー(TPV) 【熱可塑性エラストマー】

2014年見込
2013年比
2018年予測
2013年比
市場規模
1,540億円
106.9%
1,920億円
133.3%

2013年は、北米や中国における自動車生産台数の増加により、ウェザーストリップなどの自動車部品向けが増加した。また、成形加工性の向上、コストダウンなどを目的にEPDMからの代替、軽量化や環境対応のためにポリ塩化ビニル(PVC)からの代替もみられた。2014年は、2013年と同様の理由で市場拡大が見込まれ、以降も拡大が予測される。

地域別にみると、2013年時点では、中国、北米、欧州、日本の需要が大きい。中国は、日米の自動車メーカーの生産拠点があり自動車部品向けが中心であるが、雑貨・生活日用品、建材向けも多い。北米も自動車部品向けが多いが、建築、土木、工業製品向けも堅調である。日本は、自動車向けが数量ベースで7割を占めており、他の地域に比べても比率が高い。欧州は、自動車メーカーがウェザーストリップに水添スチレン系エラストマー(ニートポリマー)やEPDMを使用しているため、自動車部品向けが他の地域より少ない。また、東南アジアは、日米自動車関連メーカーの生産拠点が中国からシフトしていることで、今後の伸長が期待される。

2.スチレンブタジエンゴム(SBR) 【合成ゴム】

2014年見込
2013年比
2018年予測
2013年比
市場規模
1兆6,718億円
102.5%
1兆8,812億円
115.3%

SBRは、重合方式により乳化重合SBR(E-SBR)と、溶液重合SBR(S-SBR)に分かれる。タイヤ向けが7割を占めている。

2013年は、欧州での景気後退や米国などで交換用タイヤ向けの伸びが鈍化しており、市場は金額ベースで前年比1.1%の伸びにとどまった。2014年以降は、天然ゴムの供給が増加し、交換用タイヤ向けの伸びは鈍化するとみられるものの、年率で2〜3%の増加が予測される。

E-SBRは、タイヤ向けを中心に、履物、ベルト、ホースなどで使われているが、需要の伸びは鈍化している。2014年以降は、金額ベースで年率1〜2%の増加が予想される。S-SBRは、低燃費タイヤ向けが増加している。低燃費タイヤの需要が欧州から始まり、日本、米国、中国などのアジアで増加しているのに伴い、S-SBRの市場は2014年以降、年率6〜7%の増加が予想される。また、E-SBRが使用されていた工業用品や履物などでS-SBRの低価格化に伴う代替が進んでいる。

2013年時点では、日本を含め、中国、東南アジア、インドなどのアジアの需要が数量ベースで世界市場の5割以上を占めている。中国では、自動車生産台数の拡大が続いており、主要タイヤメーカーがタイヤの増産を進めているため、需要が拡大している。

3.ウレタン系エラストマー(TPU) 【熱可塑性エラストマー】

2014年見込
2013年比
2018年予測
2013年比
市場規模
3,546億円
105.7%
4,286億円
127.7%

TPUは、様々な物性や付加機能を実現できるため、自動車部品や工業部品をはじめ、ホース・チューブ、フィルム、電線被覆、医療・衛生用品、スポーツ用品などで広く採用されている。

2013年は、中国を中心としたアジアの需要拡大、および北米での需要回復に伴い市場は拡大した。2014年も前年比5%以上の伸長が見込まれる。2015年以降は、中国、インド、東南アジアなどのアジアがけん引することにより、市場拡大が予想される。

地域別にみると、2013年時点では、中国が数量ベースで世界市場の5割弱を占め、靴、雑貨向けを中心に需要が増加している。欧州や北米では自動車部品、工業用部品のホース・チューブ、電線被覆向けが多い。日本では自動車部品向けに加えて、ヘルスケア、スポーツ、衣料向け、また医療向けなどの高機能材料でも使用されている。東南アジアでは靴、雑貨向けが多いが、建機や二輪車部品でも採用されている。

◆調査対象

熱可塑性エラストマー(TPE)※1 スチレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロックコポリマー(SIS)、水添スチレン系エラストマー(ニートポリマー)、水添スチレン系エラストマー(コンパウンド)、単純ブレンド型オレフィン系エラストマー(s-TPO)、架橋型オレフィン系エラストマー(TPV)、重合型オレフィン系エラストマー(RTPO)、 塩ビ系エラストマー(TPVC)、塩素化ポリエチレン系エラストマー(CPE)、ウレタン系エラストマー(TPU)、ポリエステル系エラストマー(TPC)、ポリアミド系エラストマー(TPAE)、α-オレフィンコポリマー
合成ゴム・天然ゴム スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、フッ素ゴム(FKM・FEPM)、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム、ウレタンゴム(AU、EU)、天然ゴム(NR)
応用製品 ウェザーストリップ、自動車内装表皮材、医療器具材、ホットメルト系粘・接着剤、樹脂改質、タイヤ、防振ゴム、ゴムベルト、ゴムホース/ゴムチューブ、免震ゴム

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。

 


2015/03/03
       
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