マーケット情報


インバウンド需要に加えて、国内需要の開拓も進み好調が続く
スキンケア、フレグランスの国内市場を調査

スキンケア…オールインワンや全顔用シートパックなどの伸びがけん引し2017年以降も市場は拡大
フレグランス…オードパルファン、ライトフレグランスなどが若年層も取り込み好調が続く


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、2017年2月から6分野44品目の化粧品国内市場について、3回に分けて調査を行う。その第1回目の調査結果を報告書「化粧品マーケティング要覧 2017 No.1」にまとめた。

今回の報告書ではスキンケア9品目とフレグランス5品目を対象とした。なお、「(同) No.2」ではヘアケア・ヘアメイクとメンズコスメティックスを、「(同) No.3」でメイクアップとボディケアの市場を調査・分析し、結果を報告する予定である。

◆調査結果の概要

1.スキンケアの国内市場

2014年10月に外国人旅行者向けの消費税免税制度の対象が化粧品にまで広がったことにより、制度品メーカーやセルフブランドを中心に百貨店やドラッグストアにおいてインバウンド需要の獲得が進んだ。小売り側でも免税レジの整備やカウンセリングにおける言語対応の強化、中国や英語でのPOP作成を始めとする売場作りに努めたことにより、2015年の市場は前年比5.4%増の1兆862億円と大幅に拡大した。

2016年は一時的に為替が円高にシフトしたことで外国人旅行者の購入単価が減少したものの、年末には為替が円安に振れたことによりインバウンド需要の取り込みが進んだ。特に日本ならではの丁寧なカウンセリングが体験できる制度品系プレステージブランドなどが人気となった。

国内需要は景況感の改善が続いていることにより、アンチエイジングなどの機能性訴求の高価格帯品が好調だった。加えて、ニーズの高い時短ケアを訴求したオールインワン(モイスチャー)や全顔用シートパックが需要を取り込み、2016年の市場は前年比3.4%増の1兆1,230億円となった。

2020年の東京五輪開催まで外国人旅行者の増加が予想されることにより、2017年以降もインバウンド需要の獲得による更なる市場拡大が期待される。特に、制度品系プレステージブランドが丁寧なカウンセリングなどの"コト消費"が体験できるため伸びが予想される。国内需要は時短ケアへのニーズが高いためオールインワンが引き続き拡大するほか、美容液や乳液などの複数機能を兼ねた全顔用シートパックや、塗って寝るだけで高い美容効果が期待できる"スリーピングパック"を謳ったクリームやジェルなどが需要を集めるとみられる。

2.スキンケアのチャネル別動向 (2016年・金額ベース)

ドラッグストアは、インバウンド需要ではお土産用アイテムとして人気だった洗顔料が下火となったものの、パックは引き続き需要獲得が進んだ。また、国内需要は、制度品系カウンセリングブランドがアイテム拡充やリニューアルを進めたことにより、セルフブランドがオールインワンを中心にコストパフォーマンスの高さにより好調である。PB商品の拡充による他チェーンとの差別化も強化されており、ドラッグストアは伸びが続いている。

通信販売は、大手メーカーやオールインワンを主力とする上位メーカーが積極的にてこ入れを図った商品が、需要を獲得した。加えて、上位メーカーによるオンラインショップをメインチャネルとした新ブランドの投入、店舗数拡大に限りのある外資系プレステージブランドやライフスタイル提案型ブランドのオンラインでの需要獲得が進んだ。またスマートフォンのSNSによるオンラインショップへの誘導も進んでいる。

訪問販売は、上位企業が展開する機能性訴求の高価格帯アイテムが好調だったことに加えて、一部ブランドがインバウンド需要を獲得して伸びている。

百貨店は、カウンセリングなどの"コト消費"を体験できるチャネルとして、制度品系プレステージブランドなどが外国人旅行者の人気を集め、2016年も引き続きインバウンド需要を獲得した。加えて、国内需要でも機能性訴求のアイテムを中心に新規顧客を獲得し伸びている。

◆注目市場

1.モイスチャーの国内市場

2016年
2017年見込
2016年比
全体市場
2,027億円
2,121億円
104.6%
(クリーム)
875億円
893億円
102.1%
(オールインワン)
825億円
892億円
108.1%

※クリーム、オールインワンは全体の内数

モイスチャー市場はオールインワンがけん引して拡大しており、2016年は前年比7.1%増の2,027億円となった。

オールインワンは、上位通販メーカーが商品リニューアルやオールインワンへの資源集中によって実績を拡大し、セルフブランドも新規ブランドの参入や根強い時短志向・節約志向のユーザー需要を捉え好調だった。また、クリームやオイルはプレステージブランドが美容効果の高さを訴求して需要獲得に成功した。

近年はオールインワンだけでスキンケアを済ませるのではなく、化粧水との併用やクリーム・乳液などのスキンケアの"フタ"としての使用などユーザー側で使用用途の変化が進んでいる。そのため、他品目とのカニバリゼーションの懸念が払拭されたことも後押しとなり、2016年は「シュウ ウエムラ」(日本ロレアル ロレアル リュクス事業本部)や「雪肌精」(コーセー)などの大型カウンセリングブランドでもオールインワンが投入されており、2017年以降もオールインワンの需要増加がモイスチャー市場の拡大に貢献するとみられる。

2.フレグランスの国内市場

2016年は上位メーカーが百貨店を中心にプロモーションに注力したことや、若年層をメインターゲットとしたカウンターの新設やTVCMの投下などにより若年層の購入単価の上昇に成功したことから、市場は大きく拡大した。

特に、高価格帯のファッション/メゾンフレグランスブランドの好調や、バラエティショップなどで展開されるマスブランドでヒット商品が登場したオードパルファン、セルフブランドでヒット商品が登場したライトフレグランスなどが好調だった。

上位メーカーによる大規模プロモーションやカウンターでのカウンセリングなどの店頭施策によりフレグランスの使用率が上昇しており、エントリー層の獲得、フレグランスに関心の高い顧客のさらなる育成につながっている。高価格帯メゾンフレグランスについてもフレグランスの使用に慣れた消費者が、上質な原料を使用した商品、ストーリー性のある商品、より自分にあった香りなど、高次のニーズを持ち始めたことで購入単価が上昇している。

3.フレグランスのチャネル別動向 (2016年・金額ベース)

百貨店は、海外ファッションブランドやメゾンフレグランスの主要チャネルである。近年は男女ともにハードフレグランスの使用率が上昇しつつあり、セルフチャネルを主とするライトフレグランスからより本格的な香りを求める層を中心としたユーザーの吸い上げもみられる。また、ブランドによっては、化粧品カウンターでもフレグランスの推奨販売を行っている。

ドラッグストアは、男女用のライトフレグランスなどの配荷があり、若年層から支持を受ける商品が好調だった。加えて、メンズフレグランスも、制汗剤などの他カテゴリーとの競合がみられたものの好調だった。

通信販売は、オンラインショップでのリピート需要の取り込み、メッセージアプリとのコラボレーションによる販促施策などを通じた新規需要の獲得など、各メーカーの積極的な展開により伸びている。

◆調査対象

分野
品目
スキンケア 洗顔料、クレンジング、マッサージ、モイスチャー、スポットケア、化粧水、乳液、美容液、パック
フレグランス パルファン、オードパルファン、オードトワレ、ライトフレグランス、メンズフレグランス

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2017/05/22
       
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