MARKET マーケット情報


拡大する国内の化粧品EC市場を調査
化粧品EC市場は2020年に前年比20.6%増、2021年も二桁成長を維持

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を背景に、百貨店などの臨時休業やカウンセリング活動の一部制限によって各メーカーがEC(eコマース)に注力していることや、外出自粛などによって消費者の化粧品購入がECにシフトしていることから、拡大している国内の化粧品EC市場を調査した。その結果を「新型コロナウイルスを契機に拡大する化粧品EC市場の現状と将来展望」にまとめた。

この調査では、メーカーが自社通販サイトまたはECプラットフォームのメーカー公式店舗を通じて直接消費者に販売する形態(DtoC)を対象とし、ECプラットフォームが運営するモールや流通企業が運営するECを通じて販売する形態は対象外とした。また、国内で販売される商品を対象とし、越境ECや海外で販売される商品は対象外とした。

◆調査結果の概要

■国内の化粧品EC市場

2020年

2019年比

2021年見込

2020年比 

化粧品全体

2兆7,502億円

85.5%

2兆8,415億円

103.3%

化粧品通販

5,641億円

107.0%

5,943億円

105.4%

化粧品EC

3,757億円

120.6%

4,166億円

110.9%

※化粧品通販は化粧品全体の、化粧品ECは化粧品通販の内数

国内の化粧品全体市場はインバウンド需要やエイジングケア志向の高まりから機能性を重視した、単価の高い商品を選択する消費者の増加を受けて2019年まで拡大を続けてきた。しかし、2020年はインバウンド需要の消失や実店舗の臨時休業、また、消費者もメイクアップなどでは使用機会が減少し、市場は前年比二桁減となった。2021年は前年に比べ商業施設の営業状況が改善していることや、外出機会も徐々に増えており、前年比3.3%増が見込まれる。

一方、化粧品通販市場は参入のし易さもあってプレーヤーが増えている。また、楽天市場やAmazon.co.jpといったECプラットフォームが好調で、利便性やポイント還元などによって需要を取り込んでおり、市場は拡大している。特に化粧品ECは、近年のデジタル化の加速を受けて重点チャネルの1つに位置付けられており、制度品系メーカー(直接小売店と契約して商品を販売する、制度品システムを採用するメーカー)や百貨店系メーカー(百貨店における対面のカウンセリング販売を主体に展開するメーカー)といった実店舗販売を主体にしてきたメーカーでも新規顧客の獲得を目的に展開を強化していることから、市場が拡大している。

化粧品EC市場は2020年に前年比20.6%増の3,757億円となった。また、化粧品全体市場に占める割合は前年比4.0ポイント上昇し13.7%となった。新型コロナの感染拡大による緊急事態宣言の発出で百貨店や直営店、バラエティショップなどの実店舗が臨時休業を強いられたことから、百貨店系メーカーやライフスタイル系メーカーを中心にウェブ広告やライブコマースが強化され、ECがその需要の受け皿になった。また、実店舗も展開してきた通信販売系メーカーでは実店舗からECへのシフトを打ち出すところも見られた。2021年は外出機会が徐々に増えているが、在宅率が高い状態が続いており、EC利用が増加していることから、市場は続伸するとみられる。

■メーカー形態別の化粧品EC市場

2020年

2019年比

2021年見込

2020年比

通信販売系

2,968億円

112.5%

3,239億円

109.1%

百貨店・カウンセリング系

281億円

2.0倍

335億円

119.2%

ライフスタイル系

196億円

149.6%

232億円

118.4%

制度品系

147億円

177.1%

168億円

114.3%

セルフ系

104億円

128.4%

121億円

116.3%

訪問販売系

62億円

147.6%

72億円

116.1%

合 計

3,757億円

120.6%

4,166億円

110.9%

※市場データは四捨五入している

ECの実績が最も大きいのがECをメインチャネルの1つとする通信販売系メーカーで、次いで大きいのが百貨店・カウンセリング系メーカーである。百貨店・カウンセリング系メーカーは、百貨店の店舗数が減少していることからECに注力している。2020年は臨時休業を強いられた緊急事態宣言中にEC強化の動きが顕著になり、解除後も肌測定ツールやメイクアップシミュレーションなどをECサイトで展開したりし、大幅に実績を伸ばした。

EC化率が最も高いのが通信販売系メーカーで、2020年に46.8%となった。スマートフォンの普及やコスト圧縮を目的に、カタログ発行部数やインフォマーシャルの投下量を減らしてECに注力するメーカーが増加しており、EC化率の上昇が続いている。百貨店や直営店といった実店舗をメインチャネルとしていた百貨店・カウンセリング系メーカーやライフスタイル系メーカーも前年比11.5ポイント増の17.9%、同6.5ポイント増の17.5%と、それぞれEC化率が高まった。2022年以降新型コロナの流行が落ち着けば、百貨店・カウンセリング系メーカーについては、カウンターでの肌測定やタッチアップを求める消費者が実店舗に回帰するため、EC化率の伸びが一時的に停滞するとみられる。一方、ライフスタイル系メーカーについては、新規性の高い新興ブランドなどが人気となる傾向があり、こうしたブランドでは直営店や配荷店舗数にも限りがあることから、ECを利用する消費者も多く、EC化率が引き続き高まるとみられる。

◆調査対象

 メーカー形態

制度品系メーカー

 化粧品カテゴリー

スキンケア

百貨店・カウンセリング系メーカー

メイクアップ

ライフスタイル系メーカー

ヘアケア

訪問販売系メーカー

ボディケア

通信販売系メーカー

メンズコスメティックス

セルフ系メーカー

フレグランス


2021/12/24
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。