PRESSRELEASE プレスリリース
バイオ燃料11兆8,808億円(16.1倍)従来のジェット燃料の代替品として市場が拡大
人工衛星1兆7,890億円(15.7%増)新興国を中心に地球観測衛星の需要が増加
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋)は、2013年8月から11月にかけて航空宇宙分野の世界市場を調査した。その結果を報告書「航空宇宙関連市場の現状と将来展望 2014」にまとめた。 この報告書では、今後日本企業の参入が期待される、航空分野23品目、宇宙分野11品目について、市場の現状を分析し今後を予測した。また、航空宇宙分野で今後有望な構成部品の市場動向とともに材料置換の可能性や情報通信技術との関連性についても整理した。
◆注目市場
1.ジェット燃料/バイオ燃料 【航空分野】
2013年見込 |
2030年予測 |
2012年比 |
|
ジェット燃料 |
49兆2,664億円 |
61兆3,839億円 |
126.8% |
バイオ燃料 |
7,560億円 |
11兆8,808億円 |
16.1倍 |
合計 |
50兆0,224億円 |
73兆2,646億円 |
149.1% |
航空機の燃料として、従来のジェット燃料に加えて、バイオ燃料が注目されている。バイオ燃料は、サトウキビなどの食物や油分を含む種子、藻類、廃木材など生物資源を原料とした燃料である。 航空機の運航増加により今後も燃料の需要拡大が想定されるが、ジェット燃料のみでは需要に対応できないため、代替燃料の開発、実用化に向けての取り組みが進められている。中でも、バイオ燃料が期待されており、使用量も増加するとみられる。ただし、バイオ燃料が100%使用される可能性は低く、当面はジェット燃料と低率のバイオ燃料の混合燃料が採用され、徐々にバイオ燃料の比率が上昇する形が想定される。バイオ燃料の普及には低価格化、また原料の一部を食物から生成しているため、食物と競合しないバイオ燃料の開発と精製方法の確立が課題である。
2.人工衛星 【宇宙分野】
2013年見込 |
2030年予測 |
2012年比 |
|
人工衛星 |
1兆5,774億円 |
1兆7,890億円 |
115.7% |
低コストかつ高性能な衛星ニーズが高まる中、現状は通信・放送用途が中心の商業衛星の占める比率が高い。一方、地図作成、資源探査、環境調査、農水産業の生産管理、国家安全保障などの用途で、地球観測衛星の需要が増加しており、今後の市場拡大が期待される。2013年の人工衛星市場は1兆5,774億円が見込まれ、2030年には1兆7,890億円に成長すると予測される。 人工衛星市場の成長を支えるのは新興国である。中国やインドは既に自国製の衛星の運用を開始しており、東南アジア諸国は海外からの調達を検討しながら、将来的には自国での開発を目指している。日本においては、2008年の宇宙基本法成立以降、小型衛星に注目した取り組みが進んでいる。
◆調査結果の概要
1.宇宙関連ビジネス市場 【宇宙分野】
2013年見込 |
2030年予測 |
2012年比 |
|
宇宙関連ビジネス市場 |
20兆4,281億円 |
43兆9,653億円 |
2.4倍 |
人工衛星を中心とした宇宙機器、宇宙ロケット本体製造およびロケット打ち上げに必要な各種地上施設、および人工衛星に関連する各種サービスを含めた宇宙関連市場は、2013年に前年比10.0%増の20兆4,281億円が見込まれる。 新興国などの経済発展を背景に、航行衛星(ナビゲーション衛星)や衛星放送などの各種衛星サービスの需要増加が今後も期待される。それに伴い、人工衛星本体および人工衛星を構成するコンポーネント、ロケット本体、地上設備等の需要も連動して拡大し、2030年の市場は43兆9,653億円が予測される。
◆調査対象
航空分野 |
民間航空機(機材)、航空機エンジン、APU(補助動力システム)、電源システム、バッテリー、ジェット燃料/バイオ燃料、降着システム、与圧・空調システム、ワイヤーハーネス、フライトコントロールシステム/アクチュエータ、ベアリング、タイヤ、ギャレー、多機能座席(シート)、旅客娯楽システム(IFS)、LED照明/読書灯、コックピット用タッチパネルディスプレイ、HUD(ヘッドアップディスプレイ)、 フライトレコーダー、炭素繊維(CFRP)、チタン材料、航空灯火(空港施設)、次世代航空管制システム(空港) |
宇宙分野 |
ロケット打ち上げサービス、ロケット推進用固体燃料、人工衛星、太陽電池パドル、姿勢制御用GPS受信機(GPSR)、地球センサ、TTCトランスポンダ、熱制御用ヒートパイプ、スラスタ、ミッションデータプロセッサ、計測モニタカメラ |