PRESSRELEASE プレスリリース

第15009号

化粧品国内市場をチャネル別に調査・分析
−2014年ドラッグストア、量販店、百貨店などが拡大−
般用医薬品ネット販売解禁や化粧品の免税制度施行が契機

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、化粧品の国内市場をチャネル別に調査・分析をした。その結果を報告書「化粧品チャネル別マーケットトレンドデータ 2014-2015」にまとめた。この報告書では化粧品店・薬局・薬店、ドラッグストア、量販店、百貨店、訪問販売(以下、訪販)、通信販売(以下、通販)など、販売のチャネルや形態ごとに市場を分析するとともに、化粧品メーカー各グループおよび注目ブランドの販売カテゴリー別動向とチャネル戦略の最新動向を明らかにした

◆調査結果の概要

1.チャネル別化粧品の国内市場

2013年
2012年比
2014年見込
2013年比
ドラッグストア
6,798億円
102.3%
6,897億円
101.5%
通信販売
3,061億円
100.5%
3,071億円
100.3%
量販店
2,859億円
100.5%
2,877億円
100.6%
化粧品店・薬局・薬店
2,266億円
98.5%
2,235億円
98.6%
訪問販売
2,083億円
100.6%
2,088億円
100.2%
百貨店
1,864億円
101.2%
1,883億円
101.0%
コンビニエンスストア
728億円
99.2%
723億円
99.3%
ライフスタイル提案型
620億円
105.8%
657億円
106.0%
その他
1,165億円
101.3%
1,183億円
101.5%
業務用
1,783億円
101.0%
1,814億円
101.7%
合計
2兆3,227億円
,101.1%
2兆3,428億円
100.9%

2013年はネットワーク系訪販メーカーがアンチエイジングスキンケアの注力度を高めたことで不振が続いていた訪販がプラスに転じ、市場全体が底上げされた。また、イオングループやセブン&アイグループなど組織小売業の特定チェーンのみに展開するブランド(ストアブランド)が増加し、ドラッグストアや量販店が拡大となった。さらに、近年店舗数が増加している直営店(通信販売直営店、ライフスタイル提案型ブランド)やコスメセレクトショップが好調、無店舗販売(通販および訪販)といったルートも堅調で、市場は2012年比1.1%増の2兆3,227億円となった。

2014年は4月の増税前の高価格帯ブランドに対する特需や10月の化粧品免税制度施行により外国人観光客の需要を取り込むなど、化粧品店・薬局・薬店、コンビニエンスストアを除く大半のチャネルが拡大する見込みである。特に、その他に含まれるオンラインショップはオムニチャネル化を進めるイオングループやセブン&アイグループがPB、ストアブランドだけでなく化粧品全般の取り扱いを強化していることにより拡大している。また、ドラッグストアも6月の一般用医薬品第一類のネット販売解禁を受け、化粧品取り扱いの注力度を高めている。

化粧品販売の主要チャネルはドラッグストアであり、2013年の市場の29%を占めている。続いて、通販が13%、量販店が12%の占有率となっている。

ドラッグストアはグループ化や提携を進めることで大量発注による安価な仕入れができ、それに伴い店頭の低価格販売が可能となり、他のチャネルから需要を取り込み、拡大が続いている。2013年は大手化粧品メーカーの一部美白スキンケア商品の自主回収の影響を受けたが、特定チェーンに限定した高価格帯のインバスヘアケアブランドの発売や、ボディケア、メンズコスメティックスにおいて潜在需要の開拓が進んだことにより、引き続き拡大となった。

通販は新規参入が続いているものの、競合激化の影響で上位ブランドの伸び悩みが顕著となってきたことや、通販で軌道に乗り始めた新興ブランドが直営店やその他店販での展開によってシナジー効果を追求する傾向にあり、伸びは鈍化している。

量販店は食品特化に移行する店舗の増加によってSMの実績が低迷している一方で、郊外型モールを中心にGMSの集客力が高まっていることにより、拡大している。2014年秋にイオンが30〜50代向けのスキンケアブランド「グラマティカル」、セブン&アイグループがファンケルと共同開発の「ボタニカル フォース」シリーズを発売するなど、PB、ストアブランドの強化を行っている。

化粧品店・薬局・薬店はドラッグストアや量販店などの組織小売業の低価格販売に需要がシフトしていることから、薬局・薬店のチェーン化が進みドラッグストア業態となる店舗が増加しており、縮小が続いている。

訪販は2012年までは在宅主婦率の低下やチャネルの多様化を背景に縮小が続いていたが、2013年は新規性の高い成分や処方のアンチエイジングブランドが投入され、広告によって需要を取り込み拡大に転じた。また、日本アムウェイやニュー スキン ジャパンなどネットワーク系訪販メーカーや、フェイシャルサロンを拠点に展開するサロン拠点型訪販メーカーがアンチエイジングスキンケアへのてこ入れを強めたことも拡大に大きく貢献した。

百貨店は景気回復を背景に集客力が高まっており、特に、国内系最高級ブランドは安定したリピートユーザーに支えられている。また、2014年は4月の増税前の特需や10月に化粧品が免税対象となったこともあり、大幅な拡大が見込まれる。

コンビニエンスストアは2013年頃よりインバスヘアケアやボディシャンプー、シェービング料などのトイレタリーのPBを投入している。また、2014年はコーセーがセブン−イレブン専用ブランド「雪肌粋」のサンスクリーンをリニューアルするとともにBBクリームを発売している。共に好調で女性需要の取り込みに成功しつつあるものの、コンビニエンスストアでは依然として食品領域への注力度が高く、化粧品関連フェイスに広がりが見られず微減が続いている。

ライフスタイル提案型ブランドは新規参入が続いており、特に、2013年以降は「キールズ」(日本ロレアル ロレアル リュクス事業本部)、「サボン」(サボン・ジャパン)などが出店増加とともに大幅に実績を拡大させており、好調を維持している。

その他はオンラインストア、バラエティショップ、コスメセレクトショップなどが対象となる。その中でもオンラインストアは、2014年以降セブンネットショッピングやイオンショップなどが化粧品の取り扱いを本格的に開始したことで、流通企業への卸売実績が大幅な増加となった。特に、「SK-II」(P&Gマックスファクター)では製品紹介画面からこれらのオンラインストアに誘導されるシステムとなっており、同ショップ限定の企画品展開も行っている。また、外資系プレステージブランドの取り扱いも増加していることから、引き続きその他の実績の底上げに貢献すると見込まれる。


2.販売形態別市場

2013年
2012年比
2014年見込
2013年比
店舗販売
1兆8,082億円
101.2%
1兆8,268億円
101.0%
無店舗販売
5,144億円
100.5%
5,159億円
100.3%
合計
2兆3,227億円
101.1%
2兆3,428億円
100.9%

2013年の市場は店舗販売(以下、店販)が8割弱、無店舗販売(以下、無店販)が2割強を占める。前年に引き続きドラッグストアが店舗数の増加や集客力アップ、景気の回復の中で百貨店も好調だったことから、店販が拡大した。無店販は通販の上位ブランドが店販を強化したが、日本アムウェイやニュー スキン ジャパンが機能別スキンケアラインの強化を図り、サロン拠点型訪販メーカーも好調な訪販が伸び、微増となった。

◆調査対象

チャネル動向 化粧品店・薬局・薬店、ドラッグストア、量販店(GMS、SM)、百貨店、訪問販売、通信販売、コンビニエンスストア、ライフスタイル提案型、その他(通信販売直営店、バラエティショップ、コスメセレクトショップ、ホームセンター、ディスカウントショップなど)、業務用
化粧品メーカー各グループのチャネル戦略 資生堂グループ、花王グループ、カネボウ化粧品グループ、コーセーグループ、アルビオングループ、日本ロレアルグループ、エスティ ローダー グループ、LVMHグループ、ポーラ・オルビスグループ
注目ブランド ケーススタディ クレ・ド・ポー ボーテ、SHISEIDO、エリクシール(含シュペリエル、ホワイト、プリオール)、ベネフィーク、アクアレーベル、エテュセ、ZA、専科(含パーフェクト洗顔シリーズ)、ビオレ(含ビオレu)、ニベア(含ニベアフォーメン)、トワニー、ケイト、潤<うるり>、コスメデコルテ、雪肌精、ヴィセ(含リシュ)、ジル スチュアート、グレイスワン、アルビオン、イグニス、レ・メルヴェイユーズ ラデュレ、シュウ ウエムラ、イヴ・サンローラン、キールズ、エスティ ローダー、クリニーク、クリスチャン・ディオール、ゲラン、ジバンシイ、BA(含RED B.A、B.Aザ メーク)、オルビス、THREE、SK-II、シャネル、ラッシュ、無印良品、サボン、マークスアンドウェブ、クヴォン・デ・ミニム、CHIFURE、オハジ、レブロン、K-パレット、フェイスマスク ルルルン、ソワーニュ、DHC、ファンケル、ドクターシーラボ、アスタリフト、ライスフォース

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。

 


2015/01/28
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