PRESSRELEASE プレスリリース
高齢者向け食品1,693億円(28.1%増)高齢者数の増加と福祉施設数の増加により伸長
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、簡便性ニーズが高まる高齢者向け食品8品目、高齢者向け食品宅配6サービス、高齢者向け施設給食2カテゴリーの国内市場を調査した。その結果を報告書「高齢者向け食品市場の将来展望 2015」にまとめた。
この報告書では高齢者数や高齢者向け施設数、高齢者施設向け卸業者の動向、高齢者向け食品の注目チャネル・素材の最新状況も併せて明らかにした。
2015年度の改正介護保険法では、持続可能な社会保障制度の確立を図るとともに、「地域包括ケアシステム」を構築することを目指し、介護サービス提供施設に対する介護報酬の引き下げや、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の入所条件の要介護3以上へ引き上げなどが施行された。これにより、介護サービス提供施設はコスト削減意識が高まっている。また、在宅介護強化の流れが一層強まり、高齢者向け食品や高齢者向け食品宅配サービスなどにもその影響が現れている。
◆調査結果の概要
1.高齢者向け食品市場 (メーカー出荷ベース)
2014年 |
2020年予測 |
2014年比 |
|
市場規模 |
1,322億円 |
1,693億円 |
128.1% |
高齢者数の増加および高齢者福祉施設入所者数の増加・高齢化に伴い需要が増加し、市場は拡大している。
品目別にみると、流動食は、市場規模が最も大きく、病院・高齢者福祉施設向けが9割弱を占める。近年は上位企業を中心に価格競争が激化していることに加え、2014年の胃ろう造設術の診療報酬大幅引き下げが影響し、伸びは鈍化している。
在宅用やわらか食の市場は、2015年に34億円が見込まれる。薬局・薬店での店頭販売が増えており、認知度も向上している。今後、在宅要介護者の増加は確実視されることから、拡大が期待される。施設用やわらか食は、施設の調理スタッフ不足が深刻化している中で、調理の手間削減につながることから、冷凍のムース食やゼリー食を中心に導入する施設が増加している。
栄養補給食は、高齢者の低栄養改善目的に施設で積極的に採用されている。参入企業、商品が増える中で含有栄養素だけでなく、味覚面でも優れた商品開発が進んでいる。水分補給食は、熱中症対策として「オーエスワン(OS-1)」(大塚製薬工場)「アクアジュレORゼリー」(フードケア)など経口補水商品を中心に伸びている。
とろみ調整食品・固形化補助剤は、在宅向けが伸びている。施設向けは有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅で利用がみられ、従来は比較的低介護度の入居者が多かった施設でも、高齢化により利用が増加している。低たんぱく食は、主に腎疾患をはじめとするたんぱく質摂取制限が必要な人向けである。腎疾患向けなど表示訴求できる商品がまだ少なく、商品の認知度向上が課題である。施設用冷凍骨なし魚は、病院給食向けに開発された商品であるが、骨なしの安全性に加え調理後もパサつかないため高齢者でも食べやすく、厨房で鮮魚を扱わずに済み衛生的であることなどから高齢者福祉施設でも採用が進んでいる。
2.高齢者向け食品宅配サービス市場 (小売ベース)
2014年 |
2020年予測 |
2014年比 |
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市場規模 |
6,241億円 |
7,178億円 |
115.0% |
宅配サービスは、特に生協の利用者が増加しているほか、施設向け完成食宅配が人件費などのコスト削減を目的に採用する施設数が増加するなど、市場拡大が続いている。その他のサービスでは、病者・高齢者食宅配が、新規参入の増加や、既参入企業による販促強化、店舗拡大により利用者が増え、伸びている。食材宅配は、ヨシケイグループやタイヘイなどが展開する施設向けが伸びている。在宅向けは、ネットスーパーなど他チャネルへの流出により伸びが鈍化している。2015年は、施設向けの続伸が見込まれる一方で、在宅向けも販売エリア見直しを進める企業があり、利用者数の回復が期待される。
3.高齢者向け施設給食市場 (受託ベース)
2014年 |
2020年予測 |
2014年比 |
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市場規模 |
1兆0,227億円 |
1兆0,833億円 |
105.9% |
高齢者向け施設給食は、病院給食と高齢者福祉施設給食を対象としており、市場はそれぞれ給食業者が受託した売上である(施設直営給食は含まない)。
病院給食は、病院・診療所の施設数減少により苦戦が続いている。高齢者福祉施設給食は、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の増加によって高齢者福祉施設の裾野が広がっており、市場拡大が続いている。有料老人ホームでは、高単価なメニューの提供など、給食の価格帯も広がっている。今後も介護ニーズの高まりによって有料老人ホームは増加するが、施設が小規模化しており、コスト面から配食サービスを選択する施設も増えるとみられ、市場にとっては懸念材料である。
◆調査対象
| 高齢者向け食品 | 流動食、在宅用やわらか食、施設用やわらか食、栄養補給食、水分補給食、とろみ調整食品・固形化補助剤、低たんぱく食、施設用冷凍骨なし魚 |
| 高齢者向け食品宅配サービス | 病者・高齢者食宅配、冷凍弁当通販、食材宅配、生協、牛乳販売店、施設向け完成食宅配 |
| 高齢者向け施設給食 | 病院給食、高齢者福祉施設給食 |
| 高齢者向け施設 | 病院・診療所、介護保険施設、有料老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅、デイサービス・デイケア、小規模多機能型居宅介護 |
| 高齢者施設向け業務用卸 | 高齢者施設向け卸業 |
| 高齢者向け食品の注目チャネル・商品 | 薬局・薬店、通販、注目素材(豆乳クリーム・低脂肪豆乳) |
※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。
