PRESSRELEASE プレスリリース

第15100号

抗がん剤、がん関連製剤、甲状腺機能障害治療剤、体内診断薬の国内市場を調査
−医療用医薬品 市場調査(5)−

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、医師の診断に基づいて処方される医療用医薬品について、国内市場の動向を2年間にわたって調査している。このたび第5回(全6回)として、抗がん剤11分類、がん関連製剤といわれるCSF、制吐剤、がん疼痛治療剤・がん副作用治療剤・がん関連症状緩和剤や、甲状腺機能障害治療剤、体内診断薬の計16分類の市場を調査した。その結果を「2015 医療用医薬品データブック No.5」にまとめた。

◆調査結果の概要

抗がん剤治療の分野では、特定の遺伝子背景を持つがん細胞をターゲットとした分子標的治療剤の発売と、分子標的治療剤との適合性をみるコンパニオン診断薬の登場により、個別化医療が大きく進展している。また、副作用が重い場合は抗がん剤の減薬や休薬を余儀なくされるケースも多いことから、がん疼痛治療剤・がん副作用治療剤・がん関連症状緩和剤の新製品発売は、抗がん剤市場にとってプラスになっている。

1.薬効領域別市場

2014年
2023年予測
2014年比
抗がん剤
8,523億円
1兆5,438億円
181.1%
がん関連製剤 CSF
176億円
272億円
154.5%
制吐剤
290億円
298億円
102.8%
がん疼痛治療剤
がん副作用治療剤
がん関連症状緩和剤
377億円
609億円
161.5%

(1)抗がん剤

分子標的治療剤の発売が相次いだことで抗がん剤市場の拡大が続いており、2014年時点で分子標的治療剤は市場の5割近くを占める。抗がん剤は分子標的治療剤を中心に開発品が豊富にあり、新製品の発売や適応拡大も活発なことから、今後も市場は拡大を続け2023年には1兆5,000億円を突破し、その内分子標的治療剤の構成比は7割弱が予測される。

部位別では、最も市場規模が大きいのは大腸がんであり、これに続く乳がん、前立腺がんの3品目が2014年時点で市場規模が1,000億円を超える。なお、2023年には肺がんがトップとなり、乳がん、前立腺がん、大腸がんが続き、市場規模が1,000億円を超えるのは、これら4品目に加え、胃がん・食道がん、多発性骨髄腫・骨髄異形成症候群・その他血液がん、白血病が挙げられる。

抗がん剤注目市場

肺がん 2014年 948億円 2023年予測 3,338億円/14年比3.5倍

2002年に分子標的治療剤が発売されて以降、市場は大きく拡大している。分子標的治療剤は特定の遺伝子変異が陽性の患者に処方されており、広範な肺がん患者を対象としているわけではないが、適応患者への効果の高さと高薬価であることから市場構成比を上げている。一方で、投与を継続することでがんが耐性を持つことから、代謝拮抗剤なども一定の市場を有している。

今後は分子標的治療剤の伸びや新製品の登場、高い効果が期待される免疫チェックポイント阻害剤の登場などにより急拡大し、2023年には2014年比3.5倍の3,338億円が予測される。

(2)がん関連製剤:CSF、制吐剤、がん疼痛治療剤・がん副作用治療剤・がん関連症状緩和剤

CSFは、2013年に「グラン」(協和発酵キリン)のバイオシミラーが発売されたことで、2014年に市場が大きく縮小し200億円を割った。しかし「グラン」の後継品と位置づけられる「ジーラスタ」(協和発酵キリン)の発売で外来患者への投与が容易となり、投与患者の広がりにより2015年以降再拡大が予想される。

制吐剤は、2010年頃の「イメンド」(小野薬品工業)、「アロキシ」(大鵬薬品工業)の発売以降、市場拡大を続けていたが、徐々に新製品による伸びは落ち着きつつある。多剤併用療法の普及が進んでいるものの、直近で新製品発売の予定はなく、今後は既存品中心の展開が想定されるため、市場はほぼ横ばいが予想される。

がん疼痛治療剤・がん副作用治療剤・がん関連症状緩和剤は、がんの痛みを和らげるがん疼痛治療剤と、治療によって生じる副作用などを緩和するがん副作用治療剤・がん関連症状緩和剤に区分され る。がん疼痛治療剤は、市場の中心となっている貼付剤「フェントス」(協和発酵キリン、久光製薬)の拡大や、2013年頃に発売が相次いだ新製品の普及、「がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン」の浸透により拡大しており、緩和医療の進展により今後も拡大が続くとみられる。がん副作用治療剤・がん関連症状緩和剤は、2010年より市場が形成され、以降新製品が続々と発売されている。今後も新製品発売や既存品の浸透により、拡大が予想される。

◆調査対象

抗がん剤 肺がん、胃がん・食道がん、大腸がん、乳がん、子宮がん・卵巣がん・その他女性関連がん、前立腺がん、皮膚がん、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫・骨髄異形成症候群・その他血液がん、その他固形がん
CSF
制吐剤
がん疼痛治療剤・がん副作用治療剤・がん関連症状緩和剤
甲状腺機能障害治療剤
体内診断薬

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。

 


2015/10/30
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