PRESSRELEASE プレスリリース
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、医師の診断に基づいて処方される医療用医薬品について、国内市場の動向を2年間にわたって調査した。このたび第6回(全6回)として、感染症領域5分類、予防医療(ワクチン製剤)、眼科・耳鼻科疾患治療剤6分類、栄養補助剤3分類、消毒剤(含嗽剤含む)、漢方製剤、再生医療製品の計18分類の国内市場動向をまとめ、第1回から第6回までの調査結果をもとに医療用医薬品全体市場を総括分析した。その結果を報告書「2015 医療用医薬品データブック No.6」にまとめた。
◆調査結果の概要
1.医療用医薬品市場
2014年 |
2022年予測 |
2014年比 |
|
市場規模 |
8兆5,278億円 |
9兆7,443億円 |
114.3% |
※2014年に実施した調査結果を合算していることから、同年実績は一部見込を含み、予測は2022年までとする。後述の再生医療製品は対象外とする。
2014年の医療用医薬品市場は、8兆5,278億円となった。ジェネリック医薬品発売から5年経過した長期収載品は、ジェネリック医薬品への置き換え率に応じて薬価が引き下げられる特例的な引き下げ(Z2)が導入され、2014年の長期収載品の薬価引き下げ幅は大きくなった。また、花粉症やインフルエンザの流行が小さかったこともあり、市場は拡大を続けたものの、前年と比較し伸びが鈍化した。
2015年もジェネリック医薬品の影響はあるものの、大型化が期待される新薬の登場により前年を上回る成長率が見込まれる。しかし、2016年から3年連続で薬価改定が予定されることや、政府がジェネリック医薬品推進を加速させていることから、2022年まで市場は拡大が続くが、成長率は鈍化すると予想される。
薬効領域別では、最も市場が大きいのは高血圧症治療剤を含む循環器官用剤であり、抗がん剤、糖尿病治療剤を含む代謝領域剤がこれに続き、この3領域の2014年時点の市場は1兆円前後となる。なお、2022年には抗がん剤をトップに、循環器官用剤、代謝領域剤が続き、抗がん剤は1.5兆円、循環器官用剤は縮小しながらも1兆円超を維持し、代謝領域剤は1兆円目前の規模に拡大すると予想される。
2.バイオ医薬品
バイオ医薬品は、抗体医薬品及び細胞培養医薬品を対象とする。医療用医薬品市場におけるバイオ医薬品の構成比は年々高まっており、2014年は市場の12%を占め、規模は1兆円を超えた。薬効領域別には、抗がん剤が27%を占め、これに関節リウマチ治療剤を含む整形外科領域剤が20%と続く。抗がん剤と整形外科領域剤は開発品も多く、今後もこれらがバイオ医薬品市場をけん引するとみられる。
◆薬効領域別市場
2014年 |
2022年予測 |
2014年比 |
|
| 感染症領域剤(経口、注射) | 4,664億円 |
3,630億円 |
77.8% |
| 予防医療剤(ワクチン製剤) | 2,328億円 |
2,909億円 |
125.0% |
| 眼科・耳鼻科疾患治療剤 | 2,743億円 |
3,324億円 |
121.2% |
1.感染症領域剤(経口、注射)
インフルエンザウイルス治療剤が、大規模流行により急伸し拡大する年もあるが、市場の大半を占める抗生物質のジェネリック医薬品への置き換えなどにより、市場は縮小が続いている。今後は、HIV治療剤が処方期間の長期化や併用療法の普及により伸びるものの、抗生物質は薬価引き下げやジェネリック医薬品の普及により上位ブランドの縮小が続き、耐性菌に対応する新薬の登場などもマイナスをカバーしきれず、縮小が続くとみられる。
2.予防医療剤(ワクチン製剤)
2013年、2014年と新たに定期予防接種に加わったワクチンが伸び、市場は拡大している。しかし、子宮頸がん予防ワクチンについては、2013年4月から定期予防接種に組み込まれたが、接種者に深刻な副反応がみられたことから、厚生労働省が積極的勧奨の差し控えを勧告し、急速に縮小している。今後は、2016年にB型肝炎ワクチンの定期予防接種化が予想されることや、高齢者肺炎球菌ワクチンの接種定着などから市場拡大が期待されるが、以降は定期予防接種ワクチンの追加や新型インフルエンザの流行がなければ、徐々に横ばいになると予想される。
3.眼科・耳鼻科疾患治療剤
高齢化で患者数が増加するとみられる緑内障や黄斑変性症の治療剤を中心に市場の拡大が予想される。特に、黄斑変性症治療剤は2008年の抗VEGF抗体発売以降大きく伸びており、今後も市場拡大をけん引するとみられる。また、緑内障を発症した場合には基本的に生涯治療していくことになるため、緑内障治療剤は長期での処方になり、今後も伸びるとみられる。
◆調査対象
| 感染症領域剤 | (経口、注射) 抗生物質、HIV治療剤、インフルエンザウイルス治療剤、抗ヘルペス(疼痛除く)・抗RSウイルス剤、抗真菌剤 |
| 予防医療剤(ワクチン製剤) | − |
| 眼科・耳鼻科疾患治療剤 | 緑内障治療剤、角結膜上皮障害・ドライアイ治療剤、黄斑変性症治療剤、その他眼科疾患治療剤、点鼻・点耳剤、メニエール病治療剤(鎮暈剤含む) |
| 栄養補助剤 | 輸液製剤、経腸栄養剤、ビタミン剤 |
| 消毒剤(含嗽剤含む) | − |
| 漢方製剤 | − |
| 再生医療製品 | − |
※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。
