PRESSRELEASE プレスリリース
市場は2018年に4,000億円超
■歯磨902億円(6.7%増)
~歯周病予防訴求製品が引き続き好調、若年層を中心に口臭ケア訴求製品の需要が増加~
■洗口剤330億円(16.6%増)
~中高年層主体から、口臭ケア訴求製品の人気で若年層にも需要広がる~
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、高機能・高付加価値製品の需要が高まっているオーラルケア関連製品の国内市場を調査した。その結果を「オーラルケア関連市場マーケティング総覧 2019」にまとめた。
この調査では口腔ケア用品7品目、口腔ケア用具・機器8品目、口腔ケア食品4品目、医薬品・医薬部外品7品目の市場を調査・分析した。また、各品目の訴求機能、剤形、素材別動向などを捉えた。
◆調査結果の概要
■オーラルケア関連製品国内市場
オーラルケア関連製品市場は、消費者の多様なニーズに対応した製品のバリエーション増加、高機能・高付加価値製品へのシフトにより各カテゴリーで拡大が続いている。ヘルスケア分野の中でもオーラルケアは非常に消費者の関心が高く、食品から医薬品まで幅広く製品が展開されており、2018年に市場は4,000億円に到達した。
口腔ケア用品 ―洗口剤が好調―
口腔ケア用品では、利用者の増加や利用頻度の上昇を背景に洗口剤が伸長している。また、歯磨、洗口剤ともに歯周病対策をコンセプトとした製品の投入が活発化している。口臭ケア訴求はライオンの「NONIO」がヒットしたことで、市場の拡大が期待される。
口腔ケア用具・機器 ―デンタルフロスや歯間ブラシのユーザー開拓が進展―
口腔ケア用具・機器では、歯ブラシ、電動歯ブラシが100億円を超える市場を形成している。近年は歯科医院やメーカーの啓発活動を背景に、デンタルフロスや歯間ブラシのユーザー開拓が進んでおり、市場が拡大している。
口腔ケア食品 ―口中清涼菓子市場が伸長する一方でオーラルケアガム市場の縮小続く―
口腔ケア食品は2019年に1,492億円が見込まれ、オーラルケア関連製品カテゴリーの中で最大の市場規模となっている。手軽にリフレッシュできる口中清涼菓子が伸びる一方で、消費者のガム離れに伴い、オーラルケアガムは縮小が続いている。
医薬品・医薬部外品 ―散剤の鎮咳去痰剤「龍角散ダイレクト」が好調―
花粉やインフルエンザ対策に伴う喉のケアに対するニーズの高まりを受け、散剤の鎮咳去痰剤である龍角散の「龍角散ダイレクト」が好調である。また、口内炎治療剤はインバウンド需要などにより近年大幅に伸長している。
◆注目市場
●歯磨
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2019年見込 |
2018年比 |
2022年予測 |
2018年比 |
|
全体 |
863億円 |
102.1% |
902億円 |
106.7% |
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歯周病予防 |
312億円 |
102.3% |
331億円 |
108.5% |
|
口臭予防 |
71億円 |
107.6% |
77億円 |
116.7% |
※歯周病予防、口臭予防は全体の内数
歯磨は近年、参入各社による積極的な付加価値製品の投入により単価が上昇しており、市場は緩やかに拡大していくとみられる。
訴求機能別では、歯周病予防がオーラルケアに対する意識が高い中高年層を中心に需要を獲得し、引き続き堅調に拡大していくとみられる。口臭予防は、歯磨の定番機能として定着してきたことから伸び悩んでいたが、2017年に発売されたライオンの口臭ケア訴求ブランド「NONIO」がヒットしたことで市場が活性化し、2019年は2018年比7.6%増の71億円が見込まれる。知覚過敏ケアではグラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパンの「シュミテクト」において積極的な製品ラインアップの拡充が図られていることにより、市場拡大が続いている。
●洗口剤
2019年見込 |
2018年比 |
2022年予測 |
2018年比 |
294億円 |
103.9% |
330億円 |
116.6% |
歯を磨いた後の仕上げとして使用する洗口液と、歯ブラシでブラッシングすることで効果を発揮する液体歯磨を対象とする。
洗口剤は、歯磨や歯ブラシに次いで規模が大きな市場であり、参入各社においてプロモーション活動や新製品の投入が積極的に行われている。近年はライオンの口臭ケア訴求ブランド「NONIO」が若年層のニーズを捉えてヒットし、従来の歯周病予防をコンセプトとした中高年層主体の需要から広がりをみせている。液体歯磨、洗口液ともに伸長を続けており、2019年は2018年比3.9%増の294億円が見込まれる。
●歯周病治療剤
2019年見込 |
2018年比 |
2022年予測 |
2018年比 |
97億円 |
103.2% |
105億円 |
111.7% |
歯垢が原因となり引き起こされる歯周病(歯肉炎・歯槽膿漏)の治療剤を対象とする。
歯周病治療剤は、主に中高年層が需要の中心であり、それらの層の人口増加を背景に、市場拡大が続いている。2017年は厚生労働省によって進められている「健康サポート薬局」制度において定められた要指導医薬品48品目の中に歯周病治療剤が含まれたことにより対象薬局への配荷が進んだことや、佐藤製薬の「アセス」のリニューアルなどが影響し、市場は二桁を超える伸長となった。新規参入企業もみられるなど、2019年以降も市場は拡大するとみられる。
●鎮咳去痰剤(散剤・カプセル・錠剤・液剤)
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2019年見込 |
2018年比 |
2022年予測 |
2018年比 |
|
全体 |
169億円 |
107.6% |
212億円 |
135.0% |
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散剤 |
84億円 |
118.3% |
128億円 |
180.3% |
※散剤は全体の内数
鎮咳去痰剤は、液剤主体の市場であったが、現在は水なしで手軽に喉のケアができる散剤が主流である。花粉やインフルエンザ対策に伴う喉のケアに対するニーズの高まりを受け、散剤である龍角散の「龍角散ダイレクト」が好調で、市場の拡大に寄与している。
◆調査対象
口腔ケア用品 |
・歯磨 |
・義歯安定剤 |
・洗口剤 |
・口腔保湿剤 |
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・口中清涼剤 |
・ホワイトニング関連用品 |
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・義歯洗浄剤 |
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口腔ケア用具・機器 |
・歯ブラシ |
・歯間ブラシ |
・電動歯ブラシ |
・舌クリーナー |
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・口腔洗浄器 |
・介護用口腔ウェットティシュ |
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・デンタルフロス |
・介護用口腔スポンジブラシ |
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口腔ケア食品 |
・オーラルケアガム |
・口中清涼菓子 |
・のど飴(食品) |
・オーラルケアサプリメント |
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医薬品・医薬部外品 |
・歯周病治療剤 |
・鎮咳去痰剤(トローチ・のど飴) |
・外用歯痛剤 |
・殺菌塗布剤 |
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・鎮咳去痰剤 (散剤・カプセル・錠剤・液剤) |
・うがい薬 ・口内炎治療剤 |