PRESSRELEASE プレスリリース

第19099号

2023年度の国内の5G対応市場
移動体通信端末は2.2兆円、携帯電話サービスは2.5兆円の予測
通信機器/通信サービスの市場調査結果

マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 田中 一志 03-3664-5839)は、2020年からの5G通信サービスの提供開始により拡大が予想される5G対応の移動体通信端末と携帯電話サービスの国内市場を調査した。その結果を「2019 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧」にまとめた。

この調査では、5G通信サービスの提供開始に加え、楽天モバイルの携帯電話サービス市場参入などにより設備投資が増加し拡大が予想される通信機器28品目と、移動体通信キャリア間の競争激化によるサービス料金低価格化が進む移動体通信サービスやインターネット接続サービスなどの通信サービス28品目、計56品目の国内市場を調査・分析した。

◆注目市場

●5G対応移動体通信端末、5G対応携帯電話サービスの国内市場

5G対応の移動体通信端末はハンドセット(スマートフォンなど)、タブレット端末、Wi-Fiモバイルルーターを対象とし、5G対応の携帯電話サービスは、ハンドセット向けとデータ通信端末(タブレット端末やWi-Fiモバイルルーターなど)向けや通信モジュール向け(PC内蔵モジュールやIoT向け)を対象とした。

移動体通信端末、携帯電話サービスの5G市場は2020年度の5G商用サービス開始によって立ち上がる。開始当初は5G通信サービスの展開エリアが大都市圏中心となり、端末価格やサービス料金は現行より高くなることが予想される。現在展開されている4G(LTE)でも十分な高速化がなされており、5G通信サービスの通信速度向上による乗り換えメリットはまだそれほど大きくないことから、2020年度の5G対応移動体通信端末と携帯電話サービスの需要は、5G通信サービス利用に関心の高い一部のユーザーにとどまるとみられる。

5G通信サービスの展開エリアの拡大や対応端末の増加と低価格化の進行とともに、移動体通信キャリアによる5Gのサービス料金低価格化や端末購入への優遇プランが展開され、市場が拡大していくとみられる。

移動体通信端末市場はハンドセットを中心に拡大し、タブレット端末やWi-Fiモバイルルーターは、2020年度以降に5G対応製品へ買い替えが進むことで拡大するとみられる。移動体通信端末市場における5G対応端末の比率は、2020年度で41.4%、2023年度は89.6%が予測される。なお、タブレット端末にはWi-Fiタイプも含むことから、対象をハンドセットとWi-Fiモバイルルーター、セルラータイプのタブレット端末に限れば、2023年度には5G比率は100%になるとみられる。

携帯電話サービス市場はハンドセット向けを中心に拡大し、2021年度以降5Gの特徴である超低遅延、大量接続に対応した商用サービスが開始されることで、IoT領域でも活用が広がっていくとみられる。携帯電話サービス市場における5G対応サービスの比率は2020年度には2.9%にとどまるが、2021年度以降伸びていき、2023年度には44.3%が予測される。なお、5GのMVNOサービス(本市場対象外)は、移動体通信キャリアからの回線の借り入れが可能となれば、市場が徐々に立ち上がるとみられるが、2023年度時点でも僅少にとどまるとみられる。

●リモートアクセスサービスの国内市場

2018年度

2023年度予測

2018年度比

315億円

434億円

137.8%

リモートアクセスサービスはオフィス外からオフィスのネットワークへアクセスするサービスを対象とした。

業務効率化意識の高いユーザー、サーバーやPCのリモート管理、BCP対策などに積極的なユーザーによる導入が中心であったが、近年は働き方改革推進などによるテレワーク環境の構築を目的に需要が増加している。特に働き方改革は社会全体の課題として捉えられており、その対応策の一環として企業の規模を問わずリモートアクアセスサービスの導入が進んでいる。

◆調査結果の概要

■通信機器の国内市場

 

2018年度

2023年度予測

2018年度比

ネットワーク関連製品

4,983億円

5,947億円

119.3%

音声関連製品

2,806億円

2,784億円

99.2%

会議関連製品

310億円

349億円

112.6%

移動体通信端末

2兆3,764億円

2兆4,470億円

103.0%

移動体通信基地局

2,900億円

4,500億円

155.2%

合計

3兆4,763億円

3兆8,050億円

109.5%

通信機器市場は、通信キャリアがFTTHサービスやLTEサービスの提供エリア拡大を目的とした設備投資を抑制していたことで停滞感がみられていた。しかし、2020年春以降の5G通信サービスの提供開始に向けて、移動体通信キャリアが2018年度頃からネットワーク関連製品、2019年度には移動体通信基地局への投資を拡大させており、2020年度以降も5G通信サービスの提供エリア拡大などを進めることで、光伝送装置、ルーター、L2/L3スイッチ、L4-7スイッチ、帯域制御装置/DPIなどのネットワーク関連製品、移動体通信基地局が伸長し、市場は拡大が予想される。

■通信サービスの国内市場

 

2018年度

2023年度予測

2018年度比

インターネット接続サービス

2兆3,241億円

2兆1,306億円

91.7%

移動体通信サービス

7兆1,106億円

6兆5,330億円

91.9%

固定データ通信サービス

6,349億円

6,404億円

100.9%

音声関連サービス

1兆4,781億円

1兆2,778億円

86.4%

その他サービス

932億円

1,455億円

156.1%

合計

11兆6,409億円

10兆7,273億円

92.2%

通信サービス市場は、インターネット接続サービスの需要飽和、移動体通信サービスにおけるMVNOサービスをはじめとする安価なサービスの普及と楽天モバイルの携帯電話サービス市場の参入による競争激化、メール、SNS、チャットなどコミュニケーション手段の多様化による音声関連サービスの利用減少などにより、縮小が予想される。

◆調査対象

通信機器

通信サービス

ネットワーク関連製品

音声関連製品

インターネット接続

サービス

音声関連サービス

・光伝送装置

・ソフトスイッチ

・加入電話サービス

・PONシステム

・SBC

・ADSLサービス

・直収電話サービス

・メディアコンバーター

・呼制御装置

・FTTHサービス

・050-IP電話サービス

・CATV関連機器

・固定電話端末

・CATVインター

ネットサービス

・0AB~J-IP電話

サービス

・L2/L3スイッチ

・構内PHSシステム

・無線LAN関連機器

・ソフトフォン

・ISPサービス

・クラウドPBXサービス

・ルーター

 

 

・FMCサービス

・LoRaWANゲート

ウェイ/ネットワーク

サーバー

会議関連製品

移動体通信サービス

 

・ビデオ会議システム

・携帯電話サービス

その他サービス

・Web会議システム

・PHSサービス

・ビデオ会議サービス

・L4-7スイッチ

・音声会議関連機器

・WiMAXサービス

・Web会議サービス

・帯域制御装置/DPI

 

・MVNOサービス

・音声会議サービス

・RADIUSサーバー

移動体通信端末

 

・ビジネスチャットサービス

・DNS/DHCP/

IPAMサーバー

・ハンドセット

固定データ通信サービス

・MVNEサービス

・タブレット端末

・IP-VPNサービス

・クラウド型無線LAN

サービス

・CATV-STB

・Wi-Fiモバイル

ルーター

・広域イーサネット

サービス

・IP-STB

・LPWAサービス

・リモートアクセス

 

・インターネットVPN

サービス

・リモートアクセス

サービス

関連ツール

移動体通信基地局

 

・移動体通信基地局

・専用線サービス

・クラウド通訳サービス

 

 

 

・クラウド翻訳サービス


2019/11/22
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。