PRESSRELEASE プレスリリース

第20016号

OLEDやLCDなどディスプレイの関連部材市場を調査
フォルダブル用部材、広色域を実現するQD部材などに注目
―2024年世界市場予測―
■フォルダブル用カバー材料 455億円
~2019年に本格的に市場形成され、透明PIフィルムがけん引~
■QD関連 936億円(2018年比7.1倍)
~QDシートがTV向けを中心に採用、QDインクは量産技術が確立される22年以降急拡大~

マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 田中 一志 03-3664-5839)は、ディスプレイの需要増加によりOLED関連部材が好調で、高コントラストや広色域を実現する高付加価値LCD向けの拡大が期待されるLCD関連部材など、ディスプレイ関連部材の世界市場を調査した。その結果を「2019 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望 下巻」にまとめた。

この調査では、LCD・OLED共通関連部材5品目、LCD関連部材15品目、OLED関連部材14品目、タッチパネル関連部材6品目を調査・分析した。なお、ディスプレイデバイスの市場は「同 上巻」でまとめており、結果は2019年12月2日に発表している。

◆注目市場

■フォルダブル用カバー材料世界市場

 

2019年見込

2018年比

2024年予測

2018年比

透明PIフィルム

34億円

392億円

フレキシブルガラス

僅少

63億円

合 計

34億円

455億円

フォルダブルディスプレイのカバー材料に使用される透明ポリイミド(以下、PI)フィルムとフレキシブルガラスを対象とする。

2019年に発売されたフォルダブルスマートフォンには透明PIフィルムが採用されており、市場は34億円が見込まれる。透明PIフィルムは耐久性や光学特性に課題があるため、折れ筋が発生せず筐体が歪まないフレキシブルガラスの採用も検討されている。しかし、フレキシブルガラスは割れに対する強度や屈曲半径の小径化が課題であり、当面は透明PIフィルムが中心になるとみられ、市場は2024年で透明PIフィルムが392億円、フレキシブルガラスが63億円と予測される。

参考:ディスプレイ(フォルダブルAMOLED)世界市場

2019年見込

2018年比

2024年予測

2018年比

114億円

3,315億円

フォルダブルディスプレイは、折りたためるディスプレイである。

2019年にSamsung El.「Galaxy Fold」やHuawei「Mate X」など、AMOLEDを採用した見開き型のフォルダブルスマートフォンが発売された。これによりフォルダブルAMOLED市場が形成され、2019年の市場は114億円が見込まれる。2020年にはSamsung El.の新機種フォルダブルスマートフォン投入により市場は引き続き拡大し309億円が予測される。

フォルダブルAMOLEDを採用する最終製品としては、スマートフォン以外にも、タブレット端末、ノートPCなどが想定されている。端末需要の増加とフォルダブルAMOLED市場の拡大には、フォルダブルを生かせるアプリケーションの開発なども重要とみられる。

■QD関連世界市場

 

2019年見込

2018年比

2024年予測

2018年比

QDシート

200億円

152.7%

407億円

3.1倍

QDインク

529億円

合 計

200億円

152.7%

936億円

7.1倍

QD(Quantum Dot/量子ドット)は、特殊な光学特性を持つ半導体のナノ粒子であり、ディスプレイに応用することで広色域を実現できる。材料はセレン化カドミウムが代表的だが、カドミウムは重金属であるため環境規制に抵触するケースが多く、カドミウムフリー材料の開発が重要になっている。

【QDシート】

LCDのバックライトユニットに採用されるQDシートを対象とした。高付加価値LCD向け材料であり、QDシートをバックライトに組み込んだQD-LCDが量産され、TVを中心に採用されている。

Samsung El.のQD-LCD(QLED)TV向けを中心に需要が増加している。Samsung El.のほか、Vizio、TCL、Hisenseなど中国メーカーもQDシートを採用したTVを投入しており、2019年の市場は200億円が見込まれる。QDシートの低価格化が進んでいることから、2020年はSamsung El.がQDシートを採用したTVの展開をミドルレンジまで広げるほか、HuaweiからもQDシートを採用したTVの投入が予定されおり、QDシート市場の拡大が続くとみられる。

今後は、中国TVメーカーによるQDシートの採用が増えるとみられるが、Samsung El.はQDシートを使用しないQD-OLEDの開発を進めており、2022年以降は市場の伸びは落ち着き、2024年には407億円が予測される。

【QDインク】

QDをバインダー樹脂に分散したインクジェット用材料を対象とした。光源の青色光を赤色光や緑色光に変換させる材料として、LCD、OLEDとマイクロLED向けでの採用を想定した開発が行われている。

2019年は開発用のサンプル出荷のみであり、市場は形成されていない。QD-OLEDの開発が難航しており、量産技術の確立には時間を要するとみられることから、QDインクの市場形成時期は2022年ごろになるとみられる。

また、QDマイクロLED向けの市場も立ち上がると予想されるが、マイクロLEDはQD-OLED以上に量産技術の確立とコストダウンが課題になっており、まずは非コンシューマー向けの展開が中心になるとみられる。

2022年以降QD-OLED、QD-マイクロLEDの拡大とともに材料需要が喚起され、2024年にはQDシートの市場を上回る529億円が予測される。

◆調査結果の概要

●LCD・OLED関連部材世界市場

 

2019年見込

2018年比

2024年予測

2018年比

LCD関連部材

2兆7,734億円

96.9%

2兆8,413億円

99.3%

OLED関連部材

2,020億円

114.1%

4,642億円

2.6倍

LCD・OLED

共通関連部材

9,216億円

94.2%

9,702億円

99.2%

OLED関連部材はスマートフォン、TV向けを中心としたAMOLEDディスプレイの需要増加により市場が拡大している。蒸着型発光材料(EML)や円偏光板などの部材が今後も安定した需要が予想されるほか、将来的には、フォルダブル用カバー材料などフォルダブル用部材、塗布型発光材料などインクジェット対応部材、QDインクなどQD-OLED用部材といった新規ディスプレイデバイス向け部材の拡大も期待される。

LCD関連部材やLCD向けの比率が高いLCD・OLED共通関連部材の市場は、2019年第三四半期以降のTV用LCDの生産調整の影響により低迷している品目も多く、共に縮小が予想される。今後はディスプレイの安定的な枚数や面積ベースの増加、車載ディスプレイに関わる部材、高コントラストや広色域を実現する高付加価値LCD用部材などの伸びにより緩やかながら拡大するとみられる。

◆調査対象

LCD・OLED共通関連部材

 

 

・ガラス基板

・ブラックレジスト・ブラック

・透明電極用ターゲット材

・カラーレジスト

カラムスペーサー

・表面処理フィルム

LCD関連部材

 

 

・オーバーコート剤

・偏光板保護フィルム・位相差

・プリズムシート・マイクロレンズ

・フォトスペーサー

フィルム

シート・輝度向上フィルム

・配向膜材料

・TV用バックライトユニット

・反射シート

・液晶材料

・車載用バックライトユニット

・QDシート

・シール剤

・拡散シート

・バックライト用LED

・偏光板

 

・拡散ビーズ

OLED関連部材

 

 

・フォルダブル用カバー材料

・封止材(OLED用)

・電子輸送材料(ETL)

(透明ポリイミド・フレキシブルガラス)

・TFT基板用ポリイミド

・電荷発生材料(CGL)

・円偏光板

・バンク用透明ポリイミド

・塗布型発光材料

・円偏光板保護フィルム・位相差

・蒸着型発光材料(EML)

・QDインク

フィルム

・正孔注入材料(HIL)

 

・重合性液晶材料

・正孔輸送材料(HTL)

 

タッチパネル関連部材

 

 

・カバーガラス(元板)

・車載用カバーガラス(完成品)

・OCA

・カバー樹脂(元板)

・メタルメッシュフィルム

・OCR


2020/02/25
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。