PRESSRELEASE プレスリリース
自動車の電装化・電動化や5G通信機器の普及で需要が増加
■熱制御・放熱部材の世界市場 43億3,090万ドル(52.6%増)
~車載電装用途や5G通信機器用途の需要が増加し、市場は拡大~
■べーパーチャンバー市場 7億2,950万ドル(46.0%増)
~スマートフォン用途が市場をけん引し、伸長~
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、電装化・電動化が進展する自動車分野や5G通信の商用化が本格的に開始された通信分野で需要が高まる熱制御・放熱部材の世界市場を調査した。その結果を「2021年 熱制御・放熱部材市場の現状と新用途展開」にまとめた。
この調査では、放熱部材21品目、放熱フィラー5品目の市場を調査・分析したほか、インバーターやECU、LiBといった車載電装部品やスマートフォン、通信基地局など注目用途における需要動向を捉えることで、将来を展望した。
◆調査結果の概要
■熱制御・放熱部材の世界市場
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2021年見込 |
2020年比 |
2025年予測 |
2020年比 |
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TIM |
9億5,070万ドル |
111.1% |
13億1,790万ドル |
154.0% |
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放熱基板 |
9億1,360万ドル |
110.0% |
12億5,170万ドル |
150.7% |
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放熱絶縁板 |
9,070万ドル |
116.7% |
1億6,300万ドル |
2.1倍 |
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その他放熱部材 |
12億2,480万ドル |
114.1% |
15億9,830万ドル |
148.9% |
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合 計 |
31億7,980万ドル |
112.1% |
43億3,090万ドル |
152.6% |
【Thermal Interface Material(TIM)】
2020年の市場は前年比12.6%増の8億5,560万ドルとなった。放熱シートが約4割、放熱ギャップフィラーが約3割を占め、市場をけん引している。特に、放熱ギャップフィラーの伸びが大きく、2024年には放熱シートの市場規模を上回るとみられる。今後も放熱シートと放熱ギャップフィラーがけん引するとともに、車載電装用途や5G通信機器用途で、液状TIMでは放熱グリースが、シート状TIMではフェイズチェンジシートなどが伸びるとみられる。
【放熱基板】
放熱基板は、自動車、産業分野向けパワーモジュールや自動車用LEDヘッドランプ用途がけん引し、市場拡大してきたものの、2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大でそれら向けの需要が停滞したことから前年比1.4%減の8億3,050万ドルとなった。2021年は需要が回復に向かうことから市場は拡大に転じるとみられる。今後は自動車の電装化や産業分野における投資拡大を背景に市場は堅調に伸長し、2023年には10億ドルに達すると予測される。
【放熱絶縁板】
2020年の市場は前年比20.7%増の7,770万ドルとなった。自動車分野において窒化ケイ素白板や放熱絶縁シートの需要が増加しており、市場は拡大している。特に、窒化ケイ素白板はHVなどの車載用パワーモジュール用途で需要が増加し、今後も採用車種の拡大が期待されることから高い伸びで推移するとみられる。市場は二桁伸長を続け、2025年には2020年比2.1倍の1億6,300万ドルが予測される。
【その他放熱部材】
2020年の市場は、新型コロナの影響により主にスマートフォンなどで採用されるグラファイトシートなどが縮小したものの、スマートフォン用途でベーパーチャンバーの販売実績が大幅に増加したことからマイナスをカバーし、前年比25.6%増の10億7,350万ドルとなった。伸びは鈍化するものの、ベーパーチャンバーは2021年以降も市場をけん引していくとみられる。バッテリー冷却プレートはxEVの生産拡大および搭載率の上昇に伴い需要は大幅に増加し、2025年に向けて高い伸び率が予想される。
◆注目の市場
●放熱シート
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2021年見込 |
2020年比 |
2025年予測 |
2020年比 |
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3億8,600万ドル |
114.4% |
4億5,420万ドル |
134.6% |
シリコーン樹脂などの有機系バインダーに高熱伝導性を有するフィラー(無機系粉末)を高充填したシート状の放熱材料を対象とする。シート状であるため液状のように塗布量を管理する必要がなく、所望の箇所に貼り付けるだけで良いため作業性に優れる。
2020年は、主用途である通信機器、自動車など応用製品市場が縮小したことから6月頃まで苦戦したものの、下期以降需要の回復がみられたことから前年比19.0%増の3億3,740万ドルとなった。2021年以降は5G通信機器用途や車載電装用途などにおいて熱対策の需要が増加することから市場拡大が予想される。
●放熱ギャップフィラー
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2021年見込 |
2020年比 |
2025年予測 |
2020年比 |
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2億9,630万ドル |
115.3% |
5億4,210万ドル |
2.1倍 |
有機系バインダーに高熱伝導性フィラー(無機系粉末)を高密度に充填した液状の放熱材料を対象とする。液状であるためシートを挿入できない複雑な形状の箇所にも使用できる。
2020年は、車載電装用途などにおいて放熱シートや放熱グリース、放熱接着剤など他のTIMから切り替えが進んだことにより需要を獲得し、市場は二桁増となった。また、通信機器用途も近年販売が増加しており、応用製品における熱対策への需要増加に伴い今後も伸長するとみられる。
2021年以降も高い伸びで推移し、2025年には2020年比2.1倍の5億4,210万ドルが予測される。自動車分野の中でも、特に自動運転・ADAS関連機器やドメイン型ECU用途において高熱伝導率品への需要が大きい。さらなる市場拡大のためには熱伝導率の向上が課題となっている。
●窒化ケイ素ベース回路基板
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2021年見込 |
2020年比 |
2025年予測 |
2020年比 |
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6,540万ドル |
130.8% |
2億1,730万ドル |
4.3倍 |
窒化ケイ素(Si₃N₄)基材にアルミ箔や銅箔を形成した金属張積層板にエッチングで回路パターンを形成した基板を対象とする。窒化ケイ素は耐熱衝撃抵抗性に優れた性質を有している。
日系自動車メーカー向け車載用パワーモジュール用途の需要が主であったが、海外自動車メーカーで採用が広がっているほか、近年では窒化アルミベース回路基板からの切り替えが進んでいることから市場は拡大している。日本では産業機器や電鉄用パワーコンディショナー用途でも使用されており、引き続き安定した需要が予想される。また、2022年には欧州自動車メーカーが駆動用インバーターモジュールに採用を予定していることから海外需要が大幅に増加し、今後は海外を中心に市場拡大するとみられる。
●べーパーチャンバー
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2021年見込 |
2020年比 |
2025年予測 |
2020年比 |
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6億 880万ドル |
121.8% |
7億2,950万ドル |
146.0% |
ベーパーチャンバーは、液体の温度変化および蒸発・凝縮による熱移動により大量の熱輸送を可能とする板状の部材である。スマートフォンなどのモバイル端末に使用される厚さ0.4mm以下の薄型ベーパーチャンバーと、産業機器や通信機器、自動車用途などで使用される厚さ1.0mm以上の大容量ベーパーチャンバーに大別される。
2019年にSamsung El.社の「Galaxy S10」に採用されたことを契機に、厚さ0.4mm以下の薄型ベーパーチャンバーを中心として本格的に市場が立ち上がった。2020年はスマートフォン用途で厚さ0.4mm以下の薄型ベーパーチャンバーの販売実績が伸長したほか、厚さ1.0mm以上の大容量ベーパーチャンバーも新型コロナの影響による巣ごもり需要によりPC用途が好調だったことから市場は前年比2.2倍の4億9,980万ドルとなった。2021年以降、伸びは鈍化するものの、引き続きスマートフォン用途がけん引する形で市場拡大するとみられる。
◆調査対象
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放熱部材市場 |
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【Thermal Interface Material(TIM)】 |
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・放熱シート |
・放熱ギャップフィラー |
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・フェイズチェンジシート |
・放熱接着剤 |
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・放熱両面テープ |
・封止材 |
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・放熱グリース |
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【放熱基板】 |
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・放熱樹脂基板 |
・アルミナベース回路基板 |
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・アルミベース回路基板 |
・窒化アルミベース回路基板 |
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・銅ベース回路基板 |
・窒化ケイ素ベース回路基板 |
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【放熱絶縁板】 |
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・窒化ケイ素白板 |
・放熱絶縁シート |
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【その他放熱部材】 |
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・グラファイトシート |
・ベーパーチャンバー |
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・ヒートシンク |
・熱伝導樹脂 |
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・金属セラミックス複合材料(MMC) |
・バッテリー冷却プレート |
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放熱フィラー市場 |
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・低ソーダアルミナ(放熱フィラー用) |
・窒化ホウ素(放熱フィラー用) |
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・球状・丸み状・多面体アルミナ(放熱フィラー用) |
・炭素繊維(放熱フィラー用) |
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・窒化アルミ(放熱フィラー用) |
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用途市場 |
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・スマートフォン |
・自動車(LiB) |
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・自動車(インバーター) |
・通信基地局 |
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・自動車(ECU) |
・サーバー |
※網掛けは日本市場のみ対象
