PRESSRELEASE プレスリリース

第23002号

物流・産業用包装資材の国内市場を調査
―2026年国内市場予測(2021年比)―
■物流・産業用包装資材 1兆8,912億円(20.1%増)
自動車生産の回復・EV化に伴う自動車部品向け、
通信の高速・大容量化に伴う電子部品向けがけん引
● ウエハー用搬送容器(FOSB・FOUP) 201億円(41.5%増)
12inシリコンウエハー需要の高まりとともにFOSBが伸長

マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(東京都中央区日本橋 社長 田中 一志 03-3241-3490)は、化学工業、電気・電子、自動車、食品などの産業で原料や製品の運搬に用いられる重包装資材、産業用包装資材、物流関連資材の市場を調査した。その結果を「2023年 物流・産業用包装資材の現状と将来展望」にまとめた。

この調査では、重包装資材18品目、産業用包装資材9品目、物流関連資材7品目を対象に、国内市場の現状を明らかにし、将来を展望した。

◆調査結果の概要

●物流・産業用包装資材の国内市場

 

2022年見込

2021年比

2026年予測

2021年比

重包装資材

1兆5,454億円

114.8%

1兆6,028億円

119.1%

産業用包装資材

872億円

115.8%

996億円

132.3%

物流関連資材

1,806億円

118.1%

1,888億円

123.5%

合 計

1兆8,131億円

115.2%

1兆8,912億円

120.1%

※市場データは四捨五入している

2021年から2022年前半は、経済活動が回復に向かったことで自動車部品や電子部品の搬送が増え、物流・産業用包装資材のニーズが高まった。2022年後半は、自動車部品や電子部品の在庫調整の影響が一部でみられるものの、シリコンウエハーの増産継続に伴ってウエハー用搬送容器(FOSB・FOUP)やウエハー用防湿袋が伸びている。また、原料価格の高騰や輸送コストの上昇を背景とする各品目の値上げの影響も大きく、2022年の市場は前年比15.2%増の1兆8,131億円が見込まれる。

今後は、自動車生産の回復、EV化や車載電装化によって自動車部品向けが伸びるとみられる。また、特に産業用包装資材では、通信の高速・大容量化などに伴って積層セラミックコンデンサーなどの電子部品の需要が高まり、大きく伸長するとみられる。

◆注目市場

●ウエハー用搬送容器(FOSB・FOUP)

 

2022年見込

2021年比

2026年予測

2021年比

FOSB

125億円

105.0%

162億円

136.1%

FOUP

38億円

165.2%

39億円

169.6%

合 計

163億円

114.8%

201億円

141.5%

シリコンウエハーメーカーから半導体デバイスメーカーへの工場間輸送容器として使用されるFOSB(Front Opening Shipping Box)と、半導体デバイス工場内の搬送容器として使用されるFOUP(Front-Opening Unified Pod)を対象とする。共に12inシリコンウエハー用を対象とする。

2022年の市場は、前年のシリコンウエハーの需給ひっ迫を受けてシリコンウエハーメーカーが生産能力強化を目的とした大規模な投資を進めているためFOSBが伸長している。また、半導体工場も生産能力を強化していることからFOUPも伸びている。

今後は12inシリコンウエハーの需要の高まりに伴ってFOSBが伸長すると予想される。FOUPは2023年にTSMCの子会社が熊本に工場を新設することから特需が期待される。2024年には特需が落ち着くものの、国内の半導体工場で継続した生産体制の強化が行われることから、安定した需要を維持すると予想される。加えて、半導体の高機能化を背景にシリコンウエハーの投入から半導体デバイス完成までの工程が複雑化していることも追い風になるとみられる。

●段ボール

2022年見込

2021年比

2026年予測

2021年比

1兆  428億円

115.9%

1兆  852億円

120.6%

市場は経済活動に左右されるため、2021年は需要がやや上向いた。

2022年の市場は、新型コロナの経済への影響に対する各種政策効果や海外経済の改善などにより、国内の経済活動が回復に向かったため拡大している。中でも加工食品用や、通販・宅配用が好調である。

今後、通販・宅配用の伸びが市場を押し上げることから、2026年に向けて市場は拡大するとみられる。

●プラスチックドラム

2022年見込

2021年比

2026年予測

2021年比

154億円

107.7%

226億円

158.0%

HDPE(高密度ポリエチレン)を材料とする耐薬品性や耐油性に優れた中空で円筒形の資材を対象とする。一般ドラムと、クリーンルームで製造され高い衛生性から半導体や電池向けの化学薬品容器などに使用されるクリーンドラムに分類される。

2022年は、7月以降にPCやスマートフォンなどの需要減退、自動車生産の停滞による影響がみられ、数量ベースでは縮小するものの、製品の値上げの影響もあって市場は前年比7.7%増が見込まれる。

2023年以降は、急伸している電池向けに加えて、車載半導体向けが再び伸びると予想される。また、参入各社が単価の高いクリーンドラムの生産能力を強化しており、今後クリーンドラムの販売量増加によって、市場は拡大が予想される。

●IBC(Intermediate Bulk Container)

 

2022年見込

2021年比

2026年予測

2021年比

金属製

10億円

100.0%

12億円

120.0%

複合容器

リターナブル

13億円

100.0%

15億円

115.4%

ワンウェイ

143億円

136.2%

195億円

185.7%

合 計

166億円

129.7%

222億円

173.4%

化学品や食品・飲料などを半導体メーカーや食品工場へ輸送するために使用する金属製容器と、プラスチック製の内容器を金属製の外枠で保護した複合容器(プラスチック製内容器付き複合IBC容器)を対象とする。複合容器は、5~7年間使用可能なリターナブル容器と、使い捨て、または短期使用に用いられるワンウェイ容器に分けられる。

ドラム缶よりも軽量で、ドラム缶4本分のスペースに5本分の内容物を充填できる。半導体製造に関わる薬品や電池材料など化学品向けが需要の中心である。今後は、醤油やみりんなど食品向けでの需要増加が期待される。

複合容器のうちリターナブル容器は、2017年~2019年に購入した製品の買い替え需要が高まると予想される。半導体製造に関わる薬品で需要が高まっているワンウェイ容器も参入企業が容器の生産能力の強化を図っているため、今後伸長するとみられ、2026年に向けて市場は拡大が予想される。

◆調査対象

重包装資材

・段ボール

・クラフト紙袋

・ドラム缶

・プラスチック段ボール・

・フレキシブルコンテナ

・ペール缶

発泡PPシート

・バルクライナー

・18リットル缶

・プラスチックコンテナ

・フレキシブルタンク

・IBC

・発泡スチロール(EPS)

・産業用PEタンク

・定温輸送ボックス

・その他ビーズ発泡体

・バッグインボックス

 

・PE重袋

・プラスチックドラム

 

産業用包装資材

・ウエハー用搬送容器

・キャリアテープ

・半導体薬液用容器

(FOSB・FOUP)

(紙・エンボス)

・バイオ医薬品製造用

・ウエハー用防湿袋

・部品搬送用トレー

プロセスバッグ

・ICトレー

・パルプモールド容器

・高圧容器

物流関連資材

・プラスチックパレット

・防錆フィルム

・保冷剤・蓄熱剤

・容リパレット

・気泡緩衝材

 

・パレットストレッチフィルム

・粘着テープ

 

※保冷剤・蓄熱剤は市場算出していない


2023/01/11
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