PRESSRELEASE プレスリリース

第23018号

リハビリテーション関連の国内市場を調査
―2025年度予測(2021年度比)―
■リハビリテーション関連市場 139億円(47.9%増)
…リハビリテーションの保険加算の検討が進むほか、DX化が進み開発製品が増加

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、高齢者人口増加による需要増加やDX技術を駆使したロボット・システムの登場により注目されるリハビリテーション関連機器・システムの国内市場を調査した。その結果を「Dx化が進むリハビリ関連市場の最新トレンド分析と将来予測」 にまとめた。

この調査では、リハビリテーション関連として運動療法リハビリテーション機器、自立支援型機器・ロボット、移動支援型ロボット、リハビリ支援ロボット、ロボット義肢、VR・アプリ活用デジタルリハビリテーション、リハビリテーション・機能訓練支援システム、BMI・ニューロリハビリテーションロボットを対象とし、市場規模や最新技術動向を分析した。

◆調査結果の概要

●リハビリテーション関連市場

2022年度見込

2021年度比

2025年度予測

2021年度比

102億円

108.5%

139億円

147.9%

2020年の診療報酬改定によりリハビリテーションの加算対象が見直され、対象となったロボット製品などの導入が進んでいる。また、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて一時縮小した、規模の大きい運動療法リハビリテーション機器は、高齢者施設や個人向け需要が回復しつつある。

今後は、リハビリテーション関連機器・システムの保険加算の検討などが進み、最新機器の導入の追い風になるとみられ、新製品の開発進展が予想される。また、DX化関連技術・開発製品の発売が2025年前後に活発化すると予想され、2025年度は2021年度比47.9%増の139億円が予測される。

【運動療法リハビリテーション機器】

2022年度見込

2021年度比

2025年度予測

2021年度比

57億円

103.6%

61億円

110.9%

筋力の維持、回復、強化を目的に使用する筋力トレーニング機器およびバランス力を訓練・計測するバランスリハビリ機器、起立・歩行をトレーニングする起立・歩行訓練機器を対象とする。

2022年度は高齢者施設向けが新型コロナの影響から回復しつつあり、病院・クリニック向けはコロナ前より需要が増加している。病院・クリニックでは、従来のリハビリテーション機器のほか、関連ロボットのニーズが増えており、価格帯の高いロボット機器の導入も進んでいる。

今後は、高齢者人口の増加により、高齢者施設向け、病院・クリニック向けともに需要は増加し、市場拡大が予想される。

在宅リハビリテーションや利用状況データの利活用を提案するDX化関連プロダクト・サービスは、現状、一部が活用されている。省人化対応やデータの見える化による効率化といった点が評価され、製品開発が多数行われており、2030年度以降に市場が本格化すると予想される。

【VR・アプリ活用デジタルリハビリテーション】

2022年度見込

2021年度比

2025年度予測

2021年度比

1億円

100.0%

5億円

5.0倍

VR技術やスマートフォン用アプリケーションなどを用いたリハビリテーションを行うプロダクト・サービスを対象とする。

2014年の薬機法改正に伴い、ソフトウェアがプログラム医療機器の対象となったことで、研究開発が進み、VR技術を用いて運動療法、認知行動療法、ソーシャルスキルトレーニングを行う製品が2019年に発売され市場が立ち上がった。

2022年度は、認知行動療法、ソーシャルスキルトレーニングのプロダクト・サービスは障害者・障害児支援施設や、介護施設が中心に、運動療法のプロダクト・サービスは病院・クリニックを中心に導入が進んでいる。

また、国内では禁煙、高血圧に続く3例目の治療アプリとなる不眠症治療アプリが2023年に発売が予定され、市場拡大に寄与するとみられる。不眠症患者向け治療アプリであるが、対象疾患は患者の非薬剤的アプローチへの期待値が高く、2035年以降は患者数の約1割が薬物療法と併用すると想定される。

将来的にはうつ病患者や睡眠障害患者向けの治療アプリやVR技術を活用した治療、ADHD向けのゲーミフィケーション治療アプリなどの開発が想定される。

【リハビリテーション・機能訓練支援システム】

2022年度見込

2021年度比

2025年度予測

2021年度比

6億円

150.0%

20億円

5.0倍

高齢者施設が実施するリハビリテーションのスケジュール管理や身体機能訓練、口腔機能訓練のプログラム立案の支援を行うシステムを対象とする。

2017年に市場が立ち上がり、導入施設数の増加に伴って、2020年頃から新規参入が活発化しており、市場は拡大している。

現状では機能訓練プログラムは介護士が入力した情報を基に、機能訓練プログラムが立案されている。将来的には各種情報を集めたビッグデータやAI技術などを用いた高度な機能訓練プログラム立案が可能になるとみられる。高齢者施設におけるリハビリテーションは機能訓練指導員の約7割を看護師が兼務していることや、理学療法士などのセラピストの配置率が低いことによるリハビリの質の担保が課題であるため、同システムの活用により、それらの課題改善が期待される。

◆調査対象

・運動療法リハビリテーション機器

・ロボット義肢

・自立支援型機器・ロボット

・VR・アプリ活用デジタルリハビリテーション

・移動支援型ロボット

・リハビリテーション・機能訓練支援システム

・リハビリ支援ロボット

・BMI・ニューロリハビリテーションロボット


2023/02/16
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