PRESSRELEASE プレスリリース

第23111号

ゲノム解析関連サービス・装置の国内市場を調査
― 2027年予測(2022年比) ―
■ゲノム解析関連サービス・装置の国内市場  504億円(39.6%増)
がん検査や新型出生前診断などの医療応用が進む
今後は解析手法や解析対象の広がりにより、需要増加に期待
●マイクロバイオーム解析(腸内フローラ含む)市場  41億円(51.9%増)
腸内フローラや子宮内フローラの検査サービスや消費者向け検査キットが市場をけん引

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、発展するゲノム解析技術に注目し、ゲノム解析関連サービス・装置の市場を調査した。その結果を「2023 注目ゲノム解析およびIVD遺伝子・細菌・病理検査市場」にまとめた。

この調査では、がんゲノムプロファイリング検査やNIPT(新型出生前診断)、次世代シーケンサー、シングルセル解析装置、次世代シーケンシング解析、エピジェネティクス解析、メタボローム解析など、ゲノム解析関連サービス・装置の最新市場動向を捉えた。また、新型コロナウイルス感染症流行の影響を大きく受けた遺伝子検査、さらに、細菌検査、病理検査など(新型コロナウイルス抗原検査、自己血糖検査)の市場についても分析した。

◆調査結果の概要

■ゲノム解析関連サービス・装置の国内市場

ゲノム解析関連サービス・装置の国内市場

がんゲノムプロファイリング検査やNIPT(新型出生前診断)といった医療応用が急速に進み拡大している。現在はゲノミクスを中心とした一次配列の変異に注目した解析が中心であるが、今後はゲノムなど、生物の分子レベルの情報を総体的に解析するオミックス解析が進展し、様々な解析を組み合わせたマルチオミックス解析やシングルセル解析へと発展していくとみられる、活用シーンも研究から始まり品質管理、医療応用へと広がっており市場は大きく拡大することが期待される。

■遺伝子検査、細菌検査、病理検査の国内市場

遺伝子検査、細菌検査、病理検査の国内市場

遺伝子検査は、2022年時点で90%以上を新型コロナウイルス関連が占めている。2022年4月に保険点数が大きく引き下げられたものの、依然として点数の高い検査項目であり市場は拡大が続いた。2023年には流行自体が収束傾向にあり、感染症分類も引き下げられたため大幅な縮小が予測される。

細菌検査は、オート用培地が約60%を占めている。現在、コロナ禍での受診控えや検査数の減少からの回復段階にあり、新型コロナの5類感染症移行があった2023年5月以降、新型コロナ流行前に近い水準に回復してきている。原料価格高騰により価格転嫁の動きがみられ、今後市場は拡大が続くとみられる。

病理検査は主にがんの診断・治療で実施されるケースが多く、がん患者の増加および新規の治療法登場(新薬発売)などで成長している。高齢社会が進みがん患者が増加していくことで、今後も伸びが予想される。

◆注目市場

●マイクロバイオーム解析(腸内フローラ含む)

マイクロバイオーム解析(腸内フローラ含む)

微生物叢のメタゲノム解析の受託サービスを対象とする。腸内フローラ検査など、研究用途以外のサービスも、マイクロバイオーム解析の1つとして対象としている。

市場はアカデミアや民間企業での研究用途のサービスが中心であるが、解析手法としては成熟している。一方で近年は医療機関で受診できる検査サービスや消費者向けのセルフ検査キットが伸びており、市場拡大に貢献している。

研究用途では、他の解析手法との組み合わせ提案により微増が続くとみられる。また、近年の研究で多くの疾患が腸内細菌と関連していることが明らかになっていることを受け、マイクロバイオーム治療やマイクロバイオーム医薬品の開発が進められており、創薬分野での活用により将来的な成長が期待される。

検査サービスでは2022年4月から不妊治療の保険適用範囲が拡大され、複数の子宮内フローラ検査が先進医療として保険診療との併用が認められた。2023年からは多くの地方自治体で費用の助成が始まっており、子宮内フローラ検査の需要が増加していくとみられる。腸内フローラや子宮内フローラ以外に口腔内フローラなどの検査サービスも広がりつつあり、今後消費者向け検査キットや医療機関向け検査サービスの開発や製品化が進み、市場をけん引していくと考えられる。

●NIPT(新型出生前診断)

ESP/NIPT(新型出生前診断)

妊娠10週~16週中に採血を行い、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミーについての可能性(陽性、陰性、判定保留)を調べるスクリーニング検査である。非認証施設においては上記3つ以外の変異や疾患なども合わせて検査するケースも多く、これらも対象とする。

日本医学会の認証医療機関では原則35歳以上の妊婦を対象とした検査であり、受診希望者の比率は高まっているが、通院可能な認証施設が無いなどの理由で検査を受けられないケースもみられ、2017年ごろからは35歳未満にも検査を実施する非認証施設が増えている。

2020年6月の新型出生前遺伝子検査に関する指針の改定により、新たに連携施設の認証が開始され、認証施設数が増加しているほか、非認証医療機関向けのNIPT受託サービスへの参入も増えており、21トリソミー、18トリソミー、13トリソミー以外の検査項目を含む高価格帯メニューの提供もみられるため、市場は拡大が続くと予想される。

●がんゲノムプロファイリング検査(プレシジョン・メディシン)

がんゲノムプロファイリング検査(プレシジョン・メディシン)

保険適用の検査に加え、自費診療で実施されている検査も対象とする。各種研究開発のモニタリング検査や先進医療でも活用されており、研究用のパネル検査でも実臨床にて活用されているケースは対象とする。

2019年6月に保険適用され本格的に市場が立ち上がった。現在は標準治療がない、または局所進行または転移が認められ標準治療が終了となった固形がんが保険適用範囲となっている。そのため診療上の出口戦略として、治験組み込みを含めた新たな治療法を見出す手段としての検査となっている。

現在初回治療時や治療モニタリングなどの利用法について先進医療などで検証が行われており、今後これらの利用法が保険適用となることで対象患者が大きく拡大することが期待される。製品面では2023年に複数の新製品が保険適用での利用が開始されたほか、今後血液がん向けのがんゲノムプロファイリング検査パネルの投入が期待されており、市場はさらに拡大するとみられる。

●遺伝子検査試薬の注目市場

ESP/遺伝子検査試薬の注目市場

新型コロナウイルス関連は、感染症流行に伴い2020年から2022年まで大幅に増加した。新型コロナの流行を受けて、小規模病院やクリニックで使用できる小型の遺伝子検査装置が多く発売され、自治体からの補助金制度などもあり急速に普及したことが試薬市場の伸びにつながった。2023年は5月に感染症分類が引き下げられたことで患者に費用負担が生じるようになったため、検査需要が激減した。

がん関連は例年新規の検査項目が発売されるほか、RAS遺伝子変異やEGFR遺伝子変異などの検査項目の実施増加もあり、微増が続くとみられる。

◆調査対象

IVD(体外診断薬・装置)
・遺伝子検査(試薬)
・遺伝子検査(装置)
・細菌検査(試薬)
・細菌検査(装置)
・病理検査(試薬)
・病理検査(装置)
・新型コロナウイルス抗原検査キット(OTC)
・血糖自己測定(SMBG)(試薬)
・血糖自己測定(SMBG)(装置)

注目ゲノム解析サービス
・がんゲノムプロファイリング検査(プレシジョン・メディシン)
・NIPT(新型出生前診断)

注目ゲノム解析関連サービス
・次世代シーケンシング解析
・マイクロバイオーム解析(腸内フローラ含む)
・メタボローム解析
・プロテオーム解析
・エピジェネティクス解析(DNAメチル化解析)

注目医薬向けゲノム解析関連装置
・次世代シーケンサー(NGS)
・シングルセル解析装置
・DNAチップ・解析装置(マイクロアレイ)

注目ゲノムデータビジネス
・DNAストレージ


2023/10/13
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