PRESSRELEASE プレスリリース

第23132号

エチケットケア用品や睡眠ケア用品、鼻洗浄用品などの国内市場を調査
― 2024年予測(2022年比) ―
●エチケットケア用品の国内市場  412億円(4.8%増)
においケア意識の高まりでユーザーが増加。効果を実感できる高単価な制汗剤の人気で拡大
●鼻洗浄用品の国内市場  42億円(23.5%増)
花粉症対策に加えてウイルス対策の啓発で新規ユーザーの獲得が進む

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、新型コロナウイルス感染症の5類移行による外出機会の増加や、様々なケア意識の高まりで需要が変化しているトイレタリー用品とライフスタイルグッズ8カテゴリー35品目の最新動向を調査した。その結果を「トイレタリー&ライフスタイルグッズマーケティング要覧 2023-2024 No.2」にまとめた。

この調査では、殺虫剤・忌避剤、ガーデニング用品、アロマケア、除菌・ウイルス対策、パーソナルケア、ベビーケア、シルバー・介護用品、フェミニンケアの8カテゴリーを対象として、最新動向や注目のコンセプト、価格動向などについてまとめた。

◆注目市場

●エチケットケア用品

 

2023年見込

2022年比

2024年予測

2022年比

汗拭きシート

92億円

103.4%

95億円

106.7%

制汗剤

312億円

102.6%

317億円

104.3%

合 計

404億円

102.8%

412億円

104.8%

市場は夏場の天候要因に影響を受けるが、新型コロナウイルス感染症の流行下では外出機会の減少で打撃を受けた。2022年は夏場の高温に加え、在宅時間の増加で自身のにおいに敏感になった消費者が多く、においへのケア意識が高まったことなどから市場は前年を上回った。2023年は夏場から10月ごろまでの猛暑で使用が促進され、市場は前年比2.8%増の404億円が見込まれる。

今後も天候要因に左右されるものの、未使用者が多い男性の需要開拓や、機能性の高い商品の拡販による単価アップにより市場は拡大していくと予想される。またマスク着用機会の減少がにおいケアを意識する消費者の増加につながることも期待される。

汗拭きシートは手軽さや清涼感を得られることが男性から支持されている。2020年、2021年は外出自粛やリモートワークの定着により市場は大幅に縮小したが、2022年以降は外出機会の増加と共に伸びている。今後も堅調な需要が期待されるが、シートタイプの制汗剤が増加していることや、ロールオン/スティックタイプの制汗剤が好調であるため、汗拭きシートに対する参入企業の注力度が低下することが懸念材料である。

制汗剤は2022年、2023年ともに外出機会の増加や夏場の猛暑が追い風となっている。剤型ではスプレー・ミストが中心であるが、肌に直接塗布することで効果が実感しやすいロールオン/スティックタイプやクリームの需要が増加しており、これらの単価が高いことも市場拡大を後押ししている。においケア意識の高まりに伴い今後も拡大が予想される。

●睡眠ケア用品

 

2023年見込

2022年比

2024年予測

2022年比

アイマスク

19億円

105.6%

20億円

111.1%

鼻腔拡張グッズ

24億円

100.0%

24億円

100.0%

耳栓(イヤープラグ)

18億円

100.0%

18億円

100.0%

合 計

61億円

101.7%

63億円

105.0%

※市場データは四捨五入している

市場は近年成長が続いており、コロナ禍の在宅時間増加に伴い、ヘルスケアの一環として睡眠の質を見直す消費者が増加したことで成長が加速した。2022年の市場は、前年発売のアイマスク「バクネ アイマスク」(TENTIAL)の好調が続いたことなどから、伸び率は鈍化したものの前年比3.4%増となった。

今後も睡眠ケアに対する需要は大きいとみられるが、コロナ禍から続く新規需要は一巡したため、2023年は前年比1.7%増が見込まれる。調査対象外の寝具や食品なども含め、睡眠ケアを訴求した商品全般への関心が高まっていることから、異業種からも商品投入が期待されるが、リピーターの育成が課題となっている。

アイマスクは、2021年に「バクネ アイマスク」や通販専用の「NEYO eyesleep」(グローバルロード)がヒット商品となったことで前年比40%以上の成長を遂げ、2022年も好調が続いた。2023年以降は新規ユーザー開拓が落ち着いて微増になるとみられ、ユーザーの定着化が求められる。

鼻腔拡張グッズは、鼻腔拡張テープの「ブリーズライト」(佐藤製薬)などが主要商品であり、認知度も高くリピーターを確保して堅調に伸びている。また、テープ以外にクリップやピンなどの新商品で新規参入もみられる。テープでは商品の差別化、クリップなどではリピーターの育成が課題となっている。

耳栓(イヤープラグ)は、コロナ禍で旅行需要が激減した影響を受けたが、睡眠への関心の高まりからトライアルユーザーを獲得したことや、参入企業による睡眠ケアにおける耳栓のメリットについての啓発、新商品の投入により需要は堅調である。2023年は旅行需要の回復による好影響が期待されるが、トライアルユーザーの定着が課題である。

●鼻洗浄用品

2023年見込

2022年比

2024年予測

2022年比

38億円

111.8%

42億円

123.5%

鼻うがい用の洗浄器や専用洗浄液、スプレー/ミストで鼻腔内の花粉や雑菌を洗浄する商品を対象とする。主に花粉症対策として使用されてきたが、ウイルス対策として鼻うがいがメディアで紹介されたことで認知度が高まり、使用が習慣化したユーザーも現れたことで2020年に前年比40%近い成長を遂げた。

その後感染症対策需要は落ち着いたものの、春先を中心とした需要から通年商品として広がりがみられ、参入企業も継続的なプロモーションで認知度向上を図っているため、市場は拡大が続いている。現状、使用率はまだ低いことから、今後も花粉症対策とウイルス対策の啓発活動を続けることで、ユーザー開拓が進み市場は拡大していくと予想される。

●リードディフューザー

2023年見込

2022年比

2024年予測

2022年比

85億円

100.0%

84億円

98.8%

アロマオイルをリードスティックで吸い上げ香りを拡散させる商品を対象とし、詰め替え用リキッドなども含む。ライフスタイル提案型ブランドやアロマセラピー商品専門メーカーなどが展開する商品を対象とする。

コロナ禍で在宅環境への注目度の高まりが新規ユーザーの獲得に繋がった。

2023年は外出機会の増加が逆風になるものの、消費者の香りへの関心は高く、リードディフューザーの簡便性が支持されたことでリピート需要を獲得しているため市場は前年を維持するとみられる。

今後、消費者の節約志向の高まりから低価格なトイレタリーブランド(市場対象外)や、アロマを訴求した化粧品との競合激化が懸念されるため、話題性の高い香調の発売や、インテリアにもなるデザインの商品展開などにより活性化が求められる。

◆調査結果の概要

■トイレタリー・ライフスタイルグッズ8分野の国内市場

 

2023年見込

2022年比

2024年予測

2022年比

殺虫剤・忌避剤

780億円

104.8%

795億円

106.9%

ガーデニング用品

431億円

101.9%

442億円

104.5%

アロマケア

183億円

100.0%

182億円

99.5%

除菌・ウイルス対策

2,542億円

81.7%

2,366億円

76.1%

パーソナルケア

2,103億円

101.0%

2,115億円

101.6%

ベビーケア

1,202億円

101.3%

1,186億円

99.9%

シルバー・介護用品

1,373億円

105.5%

1,428億円

109.7%

フェミニンケア

759億円

101.5%

764億円

102.1%

殺虫剤・忌避剤は、2023年は夏場以降の高温でハエ・蚊用殺虫剤などは継続的に使用されたものの、売場が作られ始める4~5月ごろの低温で立ち上がりが低調であった影響が出ている。しかし、コストアップが顕著なエアゾールをはじめ、多くの商品が値上げされたことで市場は拡大するとみられる。

ガーデニング用品は、コロナ禍で新たにガーデニングに取り組む消費者が増加し、2020年以降市場は拡大が続いた。2023年は外出機会の増加でトライアルユーザーやビギナーが離脱していることや、降雨量が少なく対象害虫の発生頻度が下がっていることが農薬や害虫駆除剤にとってはマイナス要因であるが、値上げの影響で市場は前年を上回るとみられる。原料価格の高騰から2024年も値上げが行われ、市場は拡大が続くと予想される。

アロマケアは、空間に香りを広げるアロマディフューザー用オイルやマッサージオイルとして使用するエッセンシャルオイル、リードスティックでオイルを吸い上げ芳香させるリードディフューザー、エッセンシャルオイルをアロマテラピー用の濃度に薄めるためのキャリアオイルを対象とする。コロナ禍の“おうち時間"を充実させるアイテムとして芳香やマッサージ目的の需要が高まった。2023年は家庭でのエッセンシャルオイル利用について離脱がみられるものの、行動制限が無くなったことでエステティックサロンへの来店機会が増加してキャリアオイルが伸び、リードディフューザーも堅調であるため市場は安定した推移が続くとみられる。

除菌・ウイルス対策は、2021年以降は市場縮小が続いている。2023年は新型コロナの5類移行により需要がさらに減退し、市場は前年比20%近い減少が見込まれる。特に家庭用マスクや手指消毒剤、除菌剤といった特需の影響が大きい品目は大幅減が続くとみられる。一方で鼻うがい用の鼻洗浄用品は、花粉症対策に加えてコロナ禍をきっかけにウイルス対策として通年使用の習慣が広がったことで、2023年以降も伸びが予想される。

パーソナルケアはボディシャンプーなどのバス関連用品や、制汗剤などのエチケットケア用品が対象である。2023年はボディシャンプーにおいて液体タイプから単価の高いプレフォームタイプへの移行が進んでいることや、外出や人と会う機会の増加で身だしなみ意識が高まり、グルーミング関連用品や制汗剤も好調であるため、市場は伸びるとみられる。

ベビーケアは少子化の進行に伴い縮小が続いている。2022年はベビー用紙おむつの価格競争で低価格化が進んだことも縮小要因となった。2023年は大手企業がベビー用紙おむつの値上げを実施したことで市場は一時的に上向くとみられるが、その後は再び縮小が予想される。

シルバー・介護用品は高齢者および被介護者の増加に伴い拡大している。2022年から2023年にかけて参入各社が大人用紙おむつなどを値上げしたほか、高機能で単価の高いパッドタイプの好調もあり、2023年の市場は対前年比5.5%増が見込まれる。

フェミニンケアは、少子化による生理用品市場の苦戦が続いてきた。近年ではフェムテックなど、女性の心身の健康に関する情報に消費者がリーチしやすくなったことで、通常のナプキンと併用することで吸収量をプラスする生理用ナプキンや、大判サイズのパンティライナーといった高付加価値商品の認知度が向上している。値上げの影響もあり、2023年の市場は前年比1.5%増が見込まれる。

◆調査対象

殺虫剤・忌避剤

 

 

・ハエ・蚊用殺虫剤

・ダニ・不快衛生害虫用殺虫剤

・忌避剤

・ゴキブリ用殺虫剤

・燻煙・燻蒸剤

 

ガーデニング用品

 

 

・肥料

・切り花延命剤

 

・農薬(含除草剤)

・害虫駆除剤

 

アロマケア

 

 

・エッセンシャルオイル

・リードディフューザー

・キャリアオイル

除菌・ウイルス対策

 

 

・家庭用マスク

・手指消毒剤

・ハンドソープ

・ウェットティシュ

・除菌剤

・鼻洗浄用品

パーソナルケア

 

 

・ボディシャンプー

・浴用剤

・替刃

・ハンドクリーム

・汗拭きシート

・ディスポーザブルカミソリ

・石鹸

・制汗剤

・シェービング料

ベビーケア

 

 

・ベビー用スキンケア

・ベビー用紙おむつ

・おしりふき(ベビー用ウェットティシュ)

シルバー・介護用品

 

 

・大人用紙おむつ

・軽失禁ライナー・パッド

・介護用口腔ケア用品

フェミニンケア

 

 

・生理用品

・パンティライナー

 

注目市場

 

 

・エチケットケア(汗拭きシート/制汗剤)

・睡眠ケア(アイマスク/鼻腔拡張グッズ/耳栓(イヤープラグ))


2023/12/12
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。