PRESSRELEASE プレスリリース

第25007号

抗菌製品技術協議会(SIAA)マーク認証制度の運用開始で注目される
抗菌・抗バイオフィルム剤(ぬめり対策)の国内市場を調査
― 2030年予測(2023年比) ―
●抗バイオフィルム剤市場 16.0億円(8.4倍)
新たな認証基準の追加、表面加工技術との併用による高い防汚性の実現が拡大を後押し
特にエアコン・空調機、浴室関連での採用増加に期待

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、微生物の繁殖によって水回りやインフラなどの構造物に生じる汚れ(バイオフィルム)に対応し、水回りなどの「ぬめり」解消のほか、電化製品や住設機器などの衛生改善、感染症対策、部材の長寿命化、省エネ貢献などを実現する抗菌・抗バイオフィルム剤市場を分析、調査した。その結果を「認証制度スタートで注目が高まる抗バイオフィルム剤市場の将来展望」にまとめた。

この調査では、抗バイオフィルム剤、およびぬめり対策として使用されている抗菌剤を対象に市場の現状を明らかにし、将来を展望した。また(無機系および有機系)抗バイオフィルム剤の用途別や剤型別市場、価格や参入企業動向などを調査した。

◆注目市場

●抗バイオフィルム剤の国内市場

抗バイオフィルム剤の国内市場

バイオフィルム由来の汚れによるつまりや漏水対策ニーズは高く、2020年頃から、抗菌剤や抗ウイルス剤を商品展開する企業の一部でエアコンや浴室のぬめり対策として、抗バイオフィルム剤の開発が進められてきた。2023年7月には、抗バイオフィルム加工製品の評価試験方法(ISO4768)が国際標準化されたことで、参入企業が徐々に増加している。

今後、エアコンや浴室、キッチンを中心に、洗剤やスプレー剤、コーティング剤など幅広く使用が期待される。また、2024年7月のSIAA抗バイオフィルム剤加工マーク(無加工品と比較時にバイオフィルムを60%以上の付着抑制性能)の認証制度がスタートしたことで、新規企業の参入や新製品の開発増加で市場拡大が予想される。

現状は一般消費者向けが多いが、業務・産業用でも伸びが期待される。一方、「バイオフィルム」という言葉の認知度向上や使用時の効果の持続性などが求められている。また、SIAAマーク(バイオフィルム付着抑制)に続き流水条件下での付着抑制など新たな認証基準の追加や、表面加工技術との併用だけでなく菌・カビ由来の汚れ、水垢、皮脂や食品などの油汚れに対する高い防汚性の1つとして、使用が定着することによって市場拡大が予想される。

【用途別】

エアコン・空調機、浴室関連が中心である。エアコン・空調機では、排水管つまりの原因となる、ドレンパン(エアコンの結露水を受けるトレイ)のぬめり対策として採用されている。店舗や商業施設、ビル、工場などの業務用エアコン・空調機への使用が多く、今後も市場拡大が予想される。

浴室では、排水口周り(排水口接続部、ヘアキャッチャー、排水トラップ)や浴槽、浴槽エプロン(浴槽外側のまたぎ込み部分)、カウンター、手すりなど使用対象が多岐にわたる。浴室は、日常生活で使用頻度が高く汚れが付きやすく溜まりやすいことから、バイオフィルム対策ニーズが最も高い。多くの企業で製品開発が検討されていることから今後も市場拡大するとみられる。

●抗バイオフィルム剤で加工した応用・関連製品の国内市場

抗バイオフィルム剤で加工した応用・関連製品の国内市場

現状、一部の企業から抗菌剤によるぬめり対策・抑制効果や抗バイオフィルム性能をアピールした製品が発売されている。ぬめり対策として抗菌剤の使用が多いエアコンのドレンパンやキッチンのシンク、浴室のヘアキャッチャーなどを中心に、今後抗バイオフィルム剤の使用が進むとみられ、2025年以降緩やかな市場拡大が期待される。

また、バイオフィルム(ぬめり)対策の一般消費者への浸透やSIAAマーク制度の拡充も採用増加を後押しするとみられる。


◆調査結果の概要

■抗菌剤の国内市場

抗菌剤の国内市場

現状、ぬめり対策としても一部使用がある抗菌剤・抗ウイルス剤が大部分を占める。 抗バイオフィルム剤は限定的な市場であるものの、今後幅広い用途で使用されることや業務・産業用途での需要増加などで伸びが期待される。


◆調査対象

【抗菌剤】
・抗バイオフィルム剤(無機系・有機系)
・抗菌剤(ぬめり対策として使用されるもの)

【用途別】
電化製品
・エアコン
・加湿器
・空気清浄機
・洗濯機
・トイレ
・冷蔵庫
・浄水器
・ウォーターサーバー
・ハンドドライヤー
・食器乾燥機
・炊飯器 など

住設機器
・浴室(浴槽・排水口)
・キッチン(シンク・排水口)
・洗面台 など

建材・内装材
・一軒家/マンション/ビル/飲食店/ホテル/工場などの配管
・浴室(床・壁・コーキング)
・プール
・公衆浴場(温泉・銭湯) など

日用品
・洗剤
・スプレー剤
・キッチン用品
・バス用品(一般家庭用、介護用)など

その他
・業務用洗剤/コーティング剤
・医療機器関連
・工場関連(食品・飲料工場などの生産設備)
・農業・畜産関連(機具、生産設備) など


2025/1/21
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