PRESSRELEASE プレスリリース

第25058号

防犯ニーズの高まりによる需要増加や関連技術の応用拡大が注目される
セキュリティ関連(機器・システム・サービス)の国内市場を調査
― 2029年市場予測(2024年比) ―
■セキュリティ関連 1兆2,294億円(14.7%増)
監視カメラシステム分野や、バイオメトリクスなどのアクセスコントロール分野が大きく伸長
■セキュリティ関連技術を活用したDXシステム・ソリューション 2,484億円(75.7%増)
今後、人手不足対策や業務効率化で「住宅」「製造」「建設現場」などで利用拡大
●スマートロック 386億円(84.7%増)
賃貸集合住宅やマンション、オフィスを中心としたビル用途がけん引

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、闇バイトによる凶悪強盗事件の多発を受けた防犯ニーズの高まりへの対応、また、画像解析AIやアクセスコントロール、ロボティックスなどの技術を生かした活用が広がっているセキュリティ関連機器、システム、サービスの国内市場を調査した。その結果を「DXを実現するセキュリティ関連システム・ソリューション市場の将来展望2025」にまとめた。

この調査では、セキュリティに関連する機器、システム、サービス21品目の国内市場について、現状を捉え、将来を予想した。また、8用途(オフィス、店舗、製造、交通、住宅、建設現場、公共施設、防災)におけるセキュリティ関連技術を活用したDXシステム・ソリューションの市場を捉えた。

◆調査結果の概要

■セキュリティ関連(機器・システム・サービス21品目)の国内市場

セキュリティ関連国内市場

2024年の市場は1兆720億円となった。首都圏を中心とした再開発や設備投資の回復、防犯ニーズの高まりなどから好調だった。当面は堅調な市場拡大が続くが、2028年頃からは再開発が一段落することによるビル新築件数の減少に伴う需要減などで、伸びは鈍化するとみられる。

警備サービス/防犯関連機器・システム分野は、ホームセキュリティサービスが、強盗事件や闇バイトによる犯罪の増加を受けて堅調に伸びている。世帯契約率はまだ低いため、防災・防犯に加えて高齢者見守りなど需要拡大により、今後も伸びが続くとみられる。法人向け機械警備サービスは、新規需要は低調であるが、各種セキュリティシステム・サービスとのセット提案により、サービス1件あたりの売上拡大を図る動きがみられる。警備用ロボット/ドローン関連サービスは、警備用ロボットが警備員の人手不足の深刻化を背景とした省人化ニーズの高まりによって、限定的であるが需要が増えている。今後は再開発案件などの大型案件や警備員の人手不足・高齢化が加速することから伸びが期待される。後付け盗難防止装置(自動車用)は、自動車の盗難件数の増加、盗難手口の巧妙化が社会問題となり、自動車オーナーの防犯意識が高まったことから需要が増えている。各メーカーは比較的安価でシンプルな機能を搭載したエントリーモデルの拡販に注力している。

監視カメラシステム分野は、半導体など部材供給の回復や企業の設備投資の増加、また、2023年頃からの各ベンダーの値上げと高付加価値製品の販売注力により、2024年の市場は前年比8.4%増の1,348億円となった。アナログカメラからIPカメラへの切り替えが進んでおり、IPカメラは堅調に伸び、監視カメラ市場の約8割を占める。特に、AI画像分析機能を内蔵したエッジAIカメラのラインアップが拡充され、今後の伸びが期待される。また、IPカメラの伸びに伴い、映像総合管理ソフトウェアや画像録画装置(NVR)の需要が増えており、近年は製造現場の設備投資やDXを受けた工場用途が注目されている。一方、アナログカメラは苦戦している。2024年は根強いリプレース需要やマンション向けを中心に微増となったものの、中長期的には縮小が予想される。

アクセスコントロール分野は、2023年頃から半導体をはじめとした部材不足やサプライチェーンの混乱が収束したことにより、市場は拡大している。2024年の市場は前年から持ち越されていた案件や、首都圏を中心とした都市の再開発案件、企業の設備投資の動きが高まったことから、バイオメトリクスなどの需要増加により拡大した。中長期的にはビル新築着工件数は減少するため入退室管理システムやフラッパーゲートの需要減少などが懸念される。

防災設備分野は、火災報知設備が、部材価格の高騰などを受けた各メーカーの値上げにより2024年の市場は拡大した。長期的には、再開発案件や更新需要は堅調なものの、住宅やオフィスの新築件数が減少するため、緩やかな縮小が予想される。ガス漏れ警報器は、2024年はLPガスの採用減、新築減が影響したが、値上げが奏功してプラスを維持した。2025年以降は新築減に伴い縮小が予想される。

■セキュリティ関連技術を活用したDXシステム・ソリューション市場

スマートロック市場規模

オフィス、店舗、製造、交通、住宅、建設現場、公共施設、防災の8用途において、セキュリティ関連技術(画像解析AI、アクセスコントロール、生体認証、センサー、ロボティクスなど)を活用し、省人・無人化や業務効率化、安全性の向上などを目的に展開されているDXシステム・ソリューションの市場を対象とした。

クラウド型入退室管理システムや来訪者受付システムを含む「オフィス」、画像解析AIを活用した多数のソリューション展開がみられる「店舗」、安定した需要がある道路路面点検サービスや橋梁劣化診断サービスなどを含む「公共施設」の市場規模が大きい。今後は管理人不足対策や物件差別化策として需要増加が期待される「住宅」や、スマートファクトリー化に伴う活用拡大が進む「製造」、労働条件の改善や人手不足による業務効率化が求められる「建設現場」で高い伸長が予想される。

◆注目市場

●スマートロック

スマートロック市場規模

スマートロックとは、電気錠の一種であり、スマートフォンやICカード、テンキー、生体認証などを活用して施解錠を可能とする製品である。ここではスマートフォンなど多様な認証方式を採用すると共に、クラウドと連携して遠隔操作や状況確認などを可能とし、遠隔からの多拠点一括管理や利用権限の付与、利用期限付きのワンタイムパスコード発行ができる製品を対象とし、市場は機器販売とサブスクリプションによるサービス料金で捉えた。

錠前メーカーや入退室管理システムベンダーを中心に参入が増え市場は拡大を続けている。住宅向けは賃貸集合住宅やマンションで需要が増加しており、特に賃貸住宅管理会社が鍵管理の省力化を図る目的で導入するケースが増えている。業務施設向けは、オフィスを中心としたビル用途の割合が大きい。コロナ禍以降の出社率や人流の回復に伴い、情報管理の厳格化や人手不足への対応を目的とした無人化・省人化などにより伸びている。既存ドアに後付けで簡単に装着できるシステムも多く、大企業の支店、営業所への設置など大口ユーザー向けが増えている。オフィス以外では、無人化・省人化対応が求められる会員制のフィットネスクラブ、ゴルフ練習場、レンタルオフィス・シェアオフィス、トランクルーム、学校・コミュニティセンターなどで採用されている。スマートロック活用により、鍵の受け渡しなどの受付業務、鍵管理の省人化が実現できることから、今後も需要増加が期待される。

●バイオメトリクス(静脈認証、顔認証、指紋認証、虹彩認証)

バイオメトリクス(静脈認証、顔認証、指紋認証、虹彩認証)市場規模

各認証方式の入退室管理用途とPCアクセス管理用途を対象とした。多要素認証の導入拡大などを受けて、静脈認証や顔認証が今後堅調に伸びるとみられる。

静脈認証は、指紋を組み合わせたハイブリッド型や静脈と動脈を組み合わせた血流認証なども含む。入退室管理用途は、新築/新設向けが低調だったことやリプレース需要の一巡などで2023年の市場は大幅に縮小したが、2024年は主要ベンダーの新製品への切り替えや更新需要の増加により回復に向かった。PCアクセス管理用途は、国土交通省や厚生労働省などの行政機関や医療、教育など各分野の情報セキュリティガイドラインが改訂され、多要素認証のニーズが高まっていることから堅調な伸びが続いている。特に医療機関向けの安全管理ガイドラインでは、情報システムの新規導入/更新の際に2要素認証の導入が義務付けられることもあり、当面は市場拡大が予想される。

顔認証は、入退室管理用途で2023年、2024年とユーザー企業の設備投資の活性化などを背景に順調に市場は拡大した。非接触で迅速に認証できる利便性の高さや、非接触カード式認証と比べて紛失時の再発行など管理の煩わしさが解消できる点も評価され、普及が進んでいる。高いレベルのセキュリティが求められる施設や場所だけでなく、オフィスなどでの採用が増え、今後も市場拡大が予想される。PCアクセス管理用途は、リモートワークなどでPCを外に持ち出して利用する機会が増えたことから、需要が増加している。多要素認証の必要性が認識されるようになり、特に顔認証はPCに付属するカメラでの認証が可能で、費用が低く抑えられる点などが評価されており、指紋認証などからの代替需要も増えている。

指紋認証は、コロナ禍以降は非接触ニーズの高まりもあり、顔認証など他認証方式への切り替えが進んでいる。他認証方式へのシフトや認証精度の課題などはあるものの、指紋認証を選択するユーザーは一定数存在するため、今後もリプレース需要を中心に市場は11億円前後で推移するとみられる。

虹彩認証は、虹彩撮影のための専用カメラモジュールが必要で、認証エンジンと制御アプリが高価格なため市場は小規模にとどまっている。現在は海外ベンダー製品を国内代理店が販売するケースが多く、国内で研究開発を行う企業は限られている。

◆調査対象

セキュリティ関連(機器・システム・サービス)

監視カメラシステム分野

・監視カメラ
・画像録画装置
・映像総合管理ソフトウェア
・クラウド録画サービス
・エッジAIカメラ

アクセスコントロール分野

・入退室管理システム(非接触カード式)
・フラッパーゲート
・バイオメトリクス(静脈認証)
・バイオメトリクス(顔認証)
・バイオメトリクス(指紋認証)
・バイオメトリクス(虹彩認証)
・ナンバープレート認識システム
・鍵管理ボックス
・防犯ロック
・スマートロック

警備サービス/防犯関連機器・システム分野

・ホームセキュリティサービス
・法人向け機械警備サービス
・警備用ロボット/ドローン関連サービス
・後付け盗難防止装置(自動車用)

防災設備分野

・火災報知設備
・ガス漏れ警報器

セキュリティ関連技術を活用したDXシステム・ソリューション

対象用途

・オフィス
・店舗
・製造
・交通
・住宅
・建設現場
・公共施設
・防災


2025/6/6
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