PRESSRELEASE プレスリリース
潜在需要は浄水で173億円、工場用水処理などの民需で88億円
企業独自のPFAS規制への取り組みを受けて民需が増加
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、世界的に規制・廃絶の動きが進むPFAS(有機フッ素化合物)の処理・浄水システムの潜在需要を予想した。その結果を「2025年版 有機フッ素化合物(PFAS)の処理・浄水技術・市場の将来展望」にまとめた。
この調査では、これまでに顕在化しているPFAS対策費用とPFAS濃度が50ng/Lを超える地域の取水量を元に、PFAS処理・浄水システムの潜在需要を推定した。また、国内外の規制動向と先行してPFAS浄化対策事業に取り組む企業事例や部材の開発動向をまとめた。
◆調査結果の概要
■PFAS処理・浄水システムの国内潜在需要

PFAS(有機フッ素化合物)は、その特性を生かして様々な用途に使用されてきたが、毒性や生態蓄積性の高い特定PFASは国際的な規制・廃絶の対象となっており、自然界ではほぼ分解されないことから市中残留が問題視されている。国内でも水中や土壌から基準値を超えるPFAS汚染が報告され、健康や環境への影響が懸念されている。
国内では2021年頃からPFAS問題が顕在化し、世界的に対策が本格化したことから対策技術の需要が増加し、特に米国では厳しい規制が設けられている。国内の規制は米国ほど厳格ではないため、浄水場では従来からの活性炭処理でも対応可能な地域も多く、より高度な対策技術の導入は限定的である。
浄水は、2025年でPFAS処理・浄水システムの潜在需要は181億円と見込まれる。2025年以降は横ばいとなり、長期的には漸減するとみられる。規制によってPFAS含有製品が製造されなくなることや、川上での対策が進展すること、人口減による浄水量の低下などが主な要因となる。
民需は、工場などの事業場用の用水処理、排水処理、産廃最終処分場浸出水処理、土壌・地下水浄化などで活用されるPFAS処理・浄水システムの潜在需要対象とする。民需では排水規制はないものの、米国などで厳しい規制値が設けられていることを受け、グローバルに事業展開する企業が輸出先で要求される基準に合わせた処理を行う事例が顕在化しつつある。企業の自主的な取り組みを中心とした需要が想定される。
なお、PFASの潜在需要は排水規制が発効されるタイミングや新たな規制対象が追加されること、また、規制値が強化されることで大幅に増加する可能性がある。
◆調査対象
・PFAS処理・浄水システム