PRESSRELEASE プレスリリース
サービスロボット(3分野24品目) 11兆5,481億円
高齢化と労働力不足を背景とした自動化・省人化ニーズにより今後も市場は続伸
※上記市場に含めていない注目市場
ヒューマノイドロボット 9,500億円
量産化により製品投入活発化。AI技術などの進展も追い風に急成長
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 代表取締役 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、近年、飲食店では配膳・下げ膳や調理業務を代替し、商業施設・宿泊施設・オフィスビルでは案内や清掃、警備を担い、インフラ施設や工場などでは点検業務を行い、屋外では商品や医療物資を配送するなど、私たちの日常に急速に溶け込みだしたサービスロボットの市場を調査した。その結果を「2025年版 ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望 サービスロボット編」にまとめた。
この調査では、メディカル・ケア、商業・サービス業、現場作業といった3分野24品目のサービスロボットについて、導入先の傾向やロボット技術・多機能化の動向などを把握しつつ、世界市場の現状と今後を展望した。また別途、米国や中国を中心に開発が過熱している注目のヒューマノイドロボットや四足歩行ロボットの世界市場、注目のサービスロボット関連ソリューションの国内市場についても整理した。
◆調査結果の概要
■サービスロボット(3分野24品目)の世界市場

3分野24品目のサービスロボット市場は、2025年に前年比13.6%増の2兆7,415億円が見込まれる。サービスロボットの普及には依然として導入コストや導入環境面で課題が残るものの、AIやIoTをはじめとする技術の進展により、ロボットが担える業務領域は着実に拡大している。一方、ユーザーニーズは一層多様化し、費用対効果に優れた多機能型ロボットの需要が増加している。また、特定業務に特化した単機能型ロボットの導入メリットも浸透しつつある。今後も世界各国での高齢化、労働力不足や人件費高騰などを背景に、自動化・省人化の切り札としてサービスロボットの需要は高まることから、市場は拡大が続くと予想される。
メディカル・ケア分野の市場は、2025年に前年比16.8%増の5,155億円が見込まれる。高齢化を背景に、患者や要介護者が増加する中、医療・介護従事者の作業負担の軽減を目的に導入が増加している。
手術支援ロボットが市場の約9割を占める。2024年は中国の景気低迷や韓国における医師の大規模ストライキなどの影響を受けながらも、近年相次いだ新製品の市場投入、ロボット活用における包括的なユーザートレーニングの進展や新規術式の採用などを追い風に、国内外で需要が増加した。今後も世界各国で医師不足が続くとみられ、さらなる需要増加が予想される。また、主に介護で活用されるアシストスーツや移乗ロボット、排泄支援ロボット、入浴支援ロボットなどは、高齢化が加速しているアジア圏を中心にニーズが高まっている。高齢者人口が多く、医療・介護分野へのロボティクス技術の実装が国策として進められている中国では、特にニーズが高い。
商業・サービス業分野の市場は、2025年に前年比17.9%増の2,105億円が見込まれる。新型コロナウイルス感染症の流行を背景に、2020年以降、飲食店や宿泊施設、医療機関、オフィス、教育機関などで増加した非接触ニーズは近年落ち着いてきたものの、様々な施設に導入が進んだことにより、一部のロボットは社会的受容性が高まりつつある。また、人流が新型コロナ流行前に戻る中、接客や清掃、警備、調理などの業務では人手不足が深刻化しており、ロボットを活用した業務の自動化・省人化ニーズが以前よりも増している。
現場作業分野の市場は、2025年に前年比12.4%増の2兆156億円が見込まれる。サービスロボット市場の約7割を占める巨大なマーケットになっている。建設やインフラ、製造、物流、農業などでは、世界的に人手不足や作業員の高齢化が進行しており、年々導入ニーズが増加している。
品目別にみると、ドローンの市場構成比が最も高い。空撮用途での導入が増加している。今後は配送用途での導入増加も期待される。デリバリーロボット(屋外)は、米国ではフードデリバリー事業、中国では製造・物流事業への導入増加で伸びている。遠隔操作建設ロボットや無人農業機械、自動収穫ロボットなどは、現状では試験的な導入が多いが、中長期的には本格導入が期待される。
■■ドローン(現場作業分野)

産業や商業で使用されるドローンを対象とし、ホビーユース製品や、イベントなどのパフォーマンスで使用される製品、軍事用製品は対象外とする。現状は、空撮向け製品を測量や点検、警備などに活用することで業務の自動化・省人化が図られている。空撮向け製品以外では、農業の人手不足を背景に農薬散布向け製品の導入も堅調である。直近では、配送向け製品の開発も進んでいる。すでに中国や米国などではドローンを活用した商品配送サービスが展開されている。
2024年の市場は、測量や点検目的を中心に、防衛意識高まる各国の国境警備や監視、偵察目的でも導入が進み、前年に続き拡大した。2025年には前年比6.7%増の9,600億円が見込まれる。今後は、測量や点検、警備・監視、偵察といった空撮用途を中心に、中国や米国では配送用途での導入増加も期待され、さらなる市場拡大が予想される。
国内では、点検や測量目的、農業での導入が多いが、製品開発が進められている配送用途も今後堅調に需要が増加するとみられる。
◆注目市場
1.ヒューマノイドロボットの世界市場

ここでは人間の形状および動作特性を模倣した二足歩行型のロボットを対象とする。下半身が自律移動可能な駆動部で、上半身が人型のセミヒューマノイドロボットも含めた。主に研究開発用途や二次開発用途、工場や倉庫、医療・介護業務での導入がみられる。家庭分野への普及を目標とする企業も多いが、実用化には時間を要するとみられる。
米国や中国では製品開発が活発化に行われ、2023年から2024年にかけて製品展開が本格化し、製造業で導入が増加したことから注目度が急速に高まり、市場が急成長している。2025年の市場は、前年比2.6倍の490億円が見込まれる。現状、量産化フェーズにある企業は限定的であるが、2025年から2027年にかけて量産体制が整備・強化され、製品導入が活発化するとみられる。高齢化や労働力不足などに加え、AI技術などの進展、各国の政策支援などが追い風となり、今後も市場は拡大が予想される。
課題は、開発コスト、ハンド部分の技術向上、安全性などの社会的受容性である。用途や機能などによって開発に莫大な費用を要するため政策支援などが必要とされている。また、技術面では二足歩行以上にハンド部分における制御技術の向上が普及要件となる。長期的には、家庭分野への製品展開が期待されるが、安全性の向上やプライバシーの保護などにより社会的受容性が高まることが条件となる。
国内では、これらの課題に対する懸念が強いため、製品開発を行う企業が限定的であることから、今後中期的には、中国をはじめとする海外製品の導入が先行する。しかし、長期的には品質や安全性の面から対応力の高い国内メーカーへの期待が高まると予想される。
2.サービスロボット保守代行サービスの国内市場

ここでは、ロボットメーカーやその販売代理店とは異なるサービスベンダーが提供する、キッティングやマッピングなどの導入設定、導入後の定期点検や故障・不具合時の修理・メンテナンスなどの保守サービスを利用する業務用サービスロボットを対象とし、市場はその台数とした。なお、AGVなどの産業向けロボットや家庭用ロボットなどは除く。
中国など海外の配膳・下げ膳ロボットや業務用清掃ロボットの導入増加に伴い、導入時や導入後のサポートとしてサービスの利用が進んでおり、市場が急拡大している。
2024年の市場は、海外製品の導入増加に伴い、堅調に拡大した。また、新たに国内市場に投入された海外ロボットの保守代行を始めるサービスベンダーや、警備ロボットなど普及しつつあるロボットの保守代行を開始するサービスベンダーもみられた。2025年は、数千台の契約が期待されるサービスベンダーもあり、市場は前年比35.0%増の1万3,500台が見込まれる。今後もサービスに対する需要は高水準を維持し、拡大が予想される。
◆調査対象
1.サービスロボット
メディカル・ケア分野・アシストスーツ
・手術支援ロボット
・移乗ロボット
・排泄支援ロボット
・入浴支援ロボット
商業・サービス業分野
・業務用コミュニケーションロボット
・テレプレゼンスロボット
・業務用清掃ロボット
・警備ロボット
・配膳・下げ膳ロボット
・デリバリーロボット(施設内)
・棚管理ロボット
・調理ロボット
・寿司ロボット
・米飯盛り付けロボット
現場作業分野
・自動建設ロボット
・遠隔操作建設ロボット
・インフラ点検ロボット
・ドローン
・デリバリーロボット(屋外)
・AGV・AMR
・業務用芝刈ロボット
・無人農業機械
・自動収穫ロボット
2.注目サービスロボット
・ヒューマノイドロボット・四足歩行ロボット
・屋外で飛行・走行するサービスロボット
3.注目サービスロボット関連ソリューション
・ロボットプラットフォーム・サービスロボット保守代行サービス
◆導入先分類(業種・施設)
・医療・介護、飲食店、小売店舗・商業施設、宿泊施設、オフォスビル、製造業、物流業、農業、教育、インフラ施設、公共施設