PRESSRELEASE プレスリリース

第26049号

医療分野の生成AI/AIエージェント関連市場の調査結果
医療事務や検査、診療支援などで活用が進む
― 2040年国内市場予測(2025年比) ―
■医療分野の生成AI/AIエージェント関連 2,515億円(147.9倍)
医療事務支援が先行して普及。2035年頃から診療支援などでも導入が加速

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 代表取締役 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、事務や検査業務の効率化にとどまらず、診察・診断・治療・手術支援、さらには個別化医療の推進に寄与することが期待される、医療分野の生成AI/AIエージェント関連国内市場を調査した。その結果を「医療分野における生成AI/AIエージェント市場の現状と将来予測」にまとめた。
この調査では、医療分野における生成AI/AIエージェントを活用した製品・サービスについて、医療事務支援分野、検査支援分野、診療支援分野、その他分野に分けて、市場の現状を捉え、将来を予想した。

医療機関とITソリューション/システムベンダーの連携で、生成AI/AIエージェントを活用した製品・サービスの開発・導入が始まっている。2024年には医療AIプラットフォーム技術研究組合から「医療・ヘルスケア分野における生成AI利用ガイドライン」が策定され、本格導入のための環境整備が進められている。生成AIによる医療情報の取扱いや不正確な情報の反映など課題はあるが、AIエージェントの展開も進展しており、今後、業務自動化や治療・診断ツールとしての活用が加速するとみられる。

◆調査結果の概要

■医療分野の生成AI/AIエージェント関連国内市場

医療分野の生成AI/AIエージェント関連国内市場

2024年4月に施行された「医師の働き方改革」では、医師の時間外労働に上限が設定されたため、医療機関ではDXの推進や業務の効率化を進める動きが高まっている。特に、退院サマリーや紹介状、カルテ記載の文書作成業務が大きな負担になっているため、システムによる効率化が必要である。生成AIを活用した音声認識によるカルテ記載や医療文書作成の自動化など、医療事務支援を中心にトライアル導入や実証実験などが行われており、本格導入を進める医療機関もみられる。しかし、大学病院などの大規模病院の一部で導入が進んでいる段階で、民間医療機関では導入ケースはまだ少ないのが実状である。導入には多額の投資が必要になるため、費用対効果が見えにくいことや、ガイドラインが整備中で法制度や運用リスクを懸念する医療機関が多いことが課題である。

2026年以降、医療機器メーカーやサービス事業者の積極的な展開により、病院やクリニックで医療事務支援システムの採用が増え、市場は順調な拡大が予想される。2030年以降はAIエージェントの本格導入が進み、診療支援などで活用の広がりが期待される。医療用AIエージェントの更なる普及や、生成AIの各業務支援に伴う個別化医療の進展に伴い導入が増え、2040年の市場は2,500億円を超えるとみられる。

医療事務支援分野は、診断書や証明書、意見書、退院時サマリー、診療情報提供書など様々な医療文書や、電子カルテの記載・要約の自動化、医学論文の検索・要約など、事務作業を支援するシステムを対象とする。「生成AI利用ガイドライン」の策定や、生成AI活用製品・サービスの広がりにより、2025年頃から需要が増えている。今後、資金力のある大型病院の先行投資や、価格やサービスの多様化などを受けて、市場は堅調な拡大が予想される。長期的にはAIエージェントによる診療予約システム枠の調整や自動電話対応など、より幅広い業務対応が可能となり、多くの医療機関で導入が増えることが期待される。

検査支援分野は、画像診断や検査データ解析・データ管理などで使用される検査支援システムを対象とする。臨床検査技師の不足や、技術継承、業務の拡大・複雑化に対応するため、一部医療機関で導入が進んでいる。検査データの抽出や所見文の自動生成、検査データ内の誤測定や傾向変化の検知などを目的に活用が増加し、また、生成AIの支援により効率化が期待される画像診断でも今後需要が高まるとみられる。

診療支援分野は、診察・診断・治療・手術などを支援するシステムを対象とする。患者への病気の説明や治療方針を伝える際に生成AIを組み込んだツールが使用されており、患者の理解向上につながることから、今後の採用増加が期待される。また、問診内容や検査データ、既往歴などの生成AI/AIエージェントを活用した分析により、疾患候補のリストアップや治療方針の検討が効率化され、それらは個別化医療の促進につながるとみられる。個別化医療は各医療機関が力を入れている分野であり、2030年頃から需要が急増するとみられる。

その他分野は、生成AIやAIエージェントを活用した、薬局向けシステム、介護施設向けシステム、創薬支援システム、臨床試験支援システムを対象とする。それぞれが人手不足を背景とした業務効率化や、製品開発の短縮化などを目的に大きく伸びるとみられる。

◆調査対象

対象分野
・医療事務支援
・検査支援
・診療支援
・その他


2026/5/8
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