PRESSRELEASE プレスリリース
■LFP系:2,152GWh(5.2倍) 三元系:1,205GWh(2.5倍)
低コスト・長寿命性に優れたLFP系の採用が拡大
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 代表取締役 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、コバルト価格の高騰に伴い、コバルトフリーとして注目される、正極材にLFP(リン酸鉄リチウム)やLMFP(リン酸マンガン鉄リチウム)を使用するリチウムイオン電池(LiB)、また、高エネルギー密度に優位性を持つ三元系(ニッケル、マンガン、コバルト)を使用するLiBなど、xEV用駆動電池として使用される液系LiBの世界市場を調査した。その結果を「LFP系LiB vs ハイエンドLiB:車載電池市場の最新動向」にまとめた。
この調査では、xEV別に液系LiB(LFP系、三元系、その他)市場の現状を把握し、将来を予想するとともに、xEV用液系LiBの7割以上を占めるEV向けについて、LFP系や三元系の正極材別の自動車サイズ別の採用動向、すみ分けの方向性などを捉えた。また、主要プレイヤーのハイエンドLiB開発動向や今後の展開などについても整理した。
※三元系はニッケル含有量に応じてハイニッケル、ミッドニッケル、ローニッケルに大別した。LFP系はLFPと、LFPの派生技術を使用するLMFPに大別した。
◆調査結果の概要
■xEV用液系LiB(LFP系、三元系、その他)の世界市場[容量ベース]

xEV用駆動電池の市場は、2024年時点で、大部分を液系LiBが占めている。正極材別では、高エネルギー密度な三元系が高価格帯EVを中心に採用されており、過半を占めている。今後、普及価格帯EVの出荷が増えるに伴い、低コスト・長寿命性に優れたLFP系の採用が増加し、2040年には6割以上を占めると予想される。また、その他はLMR(リチウムマンガンリッチ)を中心に2028年頃から採用が増えるとみられる。
xEVの中でも、液系LiBの採用はEVが最も多く、EV向けは2024年時点で7割以上、2040年では8割程度を占めると予想される。
EV用液系LiBを正極材別でみると、2024年時点では、高エネルギー密度の三元系(ニッケル含有量が多いハイニッケルが中心)が5割以上を占め、多くの高価格帯EVで採用されている。また、LFP系も5割弱を占め、特に中国で需要が増えており、普及価格帯EVでの採用が好調である。
2040年になると、普及価格帯EVの伸びに伴い、低コスト性に強みがあるLFP系の採用が増加し、6割程度を占めるとみられる。三元系は高価格帯EVでの採用は続くとみられるが、高コストのため普及価格帯での採用は難しく、構成比は3割強に低下すると予想される。また、LMRは低コスト性と高エネルギー密度に対応できるため、大型車EVでの採用増が期待される。
また、EVにおける正極材別の液系LiB採用は、自動車のサイズによるすみ分けも進むとみられる。小型車は、低コストを重視するためLFP系の比率が高く、将来的にも自動車メーカーのコスト重視の姿勢が続くため、LFP系の比率はさらに高まると予想される。中型車は、現状、低価格帯ではLFP系、SUV(スポーツ用多目的車)やMPV(多目的乗用車)などでは三元系、とすみ分けがみられるが、中型車の低価格モデルのラインアップが増えるに伴い、LFP系の採用増加が予想される。大型車は、航続距離確保のため大容量電池の搭載が必要であることから、高エネルギー密度で省スペース性に優れた三元系が2024年時点では7割程度を占めるが、2028年頃から省スペースと低コストが両立できるLMRの採用が増えるとみられる。また、小型トラックをはじめとしたLCV(小型商用車)は、コスト要求が強いことから、将来的にはLFP系の採用が中心になると予想される。
◆調査対象
xEV
・EV
・PHV
・HV
・MHV
・FCV
・xEVトラック
・xEVバス
xEV用駆動電池
・液系LiB(リチウムイオン二次電池)
・固体LiB
・SiB(ナトリウムイオン二次電池)
・NiMH(ニッケル水素電池)
xEV用駆動電池の内、ハイエンドLiB
・三元系LiBおよびLMR等三元系LiBと同等以上のエネルギー密度を有する液系LiB
・HV用高出力液系LiB
xEV用駆動電池の内、液系LiBタイプ
・ハイNi三元系(Ni80%以上)
・ミッドNi三元系(Ni50%以上80%未満)
・ローNi三元系(Ni0%以上50%未満)
・LMR(リチウムマンガンリッチ系)
・LFP
・LMFP
・LTO負極(正極種の指定なし)
・その他
