PRESSRELEASE プレスリリース

第26076号

2026 ワクチン市場を調査
― 2034年度予測(2025年度比) ―
■国内ワクチン市場 3,872億円(12.6%増)
短・中期的に市場は拡大、長期的には接種回数の減少により縮小へ

★インフルエンザワクチン 622億円(13.3%増)
需要の一部はシフトするも、高単価ワクチンが市場を下支え、拡大推移を維持
★新型コロナワクチン 450億円(33.8%減)
2025年度以降縮小。混合ワクチン登場で縮小に拍車
★新型コロナ・インフルエンザ混合ワクチン 361億円
一度の接種で同時に予防できる利便性から一定の需要を取り込み拡大

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 代表取締役 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、2025年度は帯状疱疹ワクチンが定期接種B類に、新規肺炎球菌ワクチン「プレベナー20」が小児向けで定期接種に組み込まれ、2026年度にはRSウイルスワクチンが定期接種A類に、また、高用量インフルエンザワクチンが定期接種B類に組み込まれることが決定、そして今後RSウイルスワクチンの高齢者向けやHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの男性向けの定期接種化など、新たな展開も期待される国内のワクチン市場を調査した。その結果を「ワクチン市場 2026」にまとめた。

この調査では、2025年度のトレンド、2026年度以降のトピックス・新展開を押さえながら、2034年度までの国内ワクチン市場を展望した。

◆調査結果の概要

■国内ワクチン市場

国内ワクチン市場

2025年度の市場は、前年度比0.5%減の3,438億円となった。帯状疱疹ワクチンが65歳を対象とする定期接種B類になったこと、また、同時に70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳になった人、100歳以上の人を対象にキャッチアップ接種が行われたことがプラス要因となった。しかし、新型コロナワクチンの接種回数が国の補助終了に伴い自己負担額を引き上げた自治体を中心に減少し、マイナスとなった。また、HPVワクチンのキャッチアップ接種が2024年度で終了したこともマイナス要因となっている。

海外では無償化されているが日本では任意接種となっているワクチンや接種率が低いワクチンは多く、政府や厚生労働省は定期接種化の検討を進めている。RSウイルスワクチンは、妊婦向け(母子免疫)が2026年度から定期接種化された。自治体の助成が進む新生児向けRSウイルス予防薬(抗体製剤)も予防接種法の枠組みで定期接種化が期待される。HPVワクチンについては、女性向けはキャッチアップも終了し、接種が進んでいる。男性向けは早ければ2027年度には定期接種化が期待される。そのほかノロウイルスやヒトメタニューモウイルスなどのワクチン開発が海外を中心に進められている。アンメットニーズが高いことから、発売されれば早期に定期接種化される可能性がある。

一方で、人口の減少、特に新生児の減少による接種回数減少がマイナス要因となり、長期的には市場は縮小に転じると予想される。

◆注目市場

■■インフルエンザ/新型コロナ/新型コロナ・インフルエンザ混合ワクチン

インフルエンザワクチンほか市場

★インフルエンザワクチン

2024年度はインフルエンザ流行の始まりが遅かったことや新型コロナワクチンの接種疲れから、定期接種B類を中心に接種回数が減少したが、2025年度は流行の始まりが早かったことから僅かに増加した。また、2歳以上19歳未満向けの点鼻ワクチン「フルミスト」(第一三共)の接種回数が前年度に比べ増加した。単価が高いことから市場を押し上げる要因となった。2026年度は高用量インフルエンザワクチン「エフルエルダ」(サノフィ)が75歳以上向けに定期接種化が予定されている(2026年度市場見込には売上予想を織り込んでいる)。単価が一般の不活化インフルエンザワクチンに比べて高いことから、接種層の一部が切り替えることで市場は前年度比二桁増が見込まれる。

今後は、成人向け点鼻ワクチンの発売が期待される。注射を嫌う層の需要掘り起こしにつながる可能性がある。一方で、新型コロナとの混合ワクチンが登場するとみられ、接種層の一部がシフトすると予想される。

★新型コロナワクチン

5類感染症になって以降、新型コロナワクチンの接種意識は低下しており、特に若年層の接種離れが進んでいる。2025年度は国の助成終了に伴い多くの自治体で定期接種B類の自己負担額が増え、接種回数が減少したことから、市場が大きく縮小した。メーカーを中心に新型コロナ感染症やそのワクチンに対する啓発活動は続けられているが、自己負担額の高さや接種が習慣化されていないことから、2026年度も縮小するとみられる。今後インフルエンザワクチンとの混合ワクチンが発売されれば早い段階で定期接種B類に組み込まれるとみられ、一部の接種層が混合ワクチンにシフトし、市場は更に縮小すると予想される。

★新型コロナ・インフルエンザ混合ワクチン

新型コロナ・インフルエンザ混合ワクチンは、現在開発中である。新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンを接種する層にとっては一度の接種で予防できるため、その利便性から一定の需要があるとみられる。2028年度頃には発売され、市場が立ち上がると予想される。

◆調査対象

・インフルエンザワクチン
・新型コロナワクチン
・新型コロナ・インフルエンザ混合ワクチン
・RSウイルスワクチン
・水痘ワクチン/帯状疱疹ワクチン
・HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン
・肺炎球菌ワクチン
・3種/5種/6種混合ワクチン
・B型肝炎ワクチン
・ロタウイルスワクチン
・麻しん・風しん混合ワクチン(麻しんワクチン/風しんワクチン)/麻しん・風しん・おたふくかぜ混合ワクチン
・おたふくかぜワクチン
・その他ワクチン


2026/7/22(調査期間2026/3~5)
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