PRESSRELEASE プレスリリース
2030年以降、逆潮流対応の蓄電池の普及で拠出可能容量が増加
制御可能蓄電池、高出力製品の増加で調整力は拡大
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 代表取締役 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、2026年度から電力需給の調整に低圧リソースの活用が可能となったことで、調整力として注目が集まる家庭用蓄電池のポテンシャルとそれを活用したビジネスの国内市場を調査した。その結果を「家庭用蓄電池アグリゲータの最新動向調査」にまとめた。
この調査では、累計で導入された家庭用蓄電池の出力容量のほか、制御可能な家庭用蓄電池のうち調整力として供出される出力容量をポテンシャルとして試算した。また、家庭用蓄電池をIT技術で束ね、電力市場での取引や需給調整を行うアグリゲータの動向を捉え、家庭用蓄電池アグリゲーションビジネスの将来を展望した。なお、主要アグリゲータ7社については事例分析を行った。
◆調査結果の概要
■家庭用蓄電池の累計導入出力容量、調整力ポテンシャル

家庭用蓄電池のうち、現状でもAC(アグリゲーションコーディネーター)/小売電気事業者へ供出目的の逆潮流に対応しているモデルはあるものの、現在は逆潮流対応機能を有していない家庭用蓄電池が普及しているのが実状であり、ネガワット型の制御が大半を占めるとみられる。逆潮流に対応しているネガポジ型での制御はACなどで実証や、一部で商用化が行われている。供出可能な平均出力容量については、ネガワット型の制御は約1.0kW/台、ネガポジ型の制御では約2.0kW/台が想定される。電力調整容量の大きさからACの大半はネガポジ型での制御を志向するが、太陽光発電のFIT売電を行う需要家は逆潮流を禁止されており、ネガポジ型での制御が進まない課題の一つとなっている。
現在、各蓄電システムメーカーが開発している逆潮流対応の蓄電池は2030年以降普及するとみられ、これによりネガポジ型の供出が可能になり、供出可能容量の増加が予想される。
■家庭用蓄電池アグリゲーションビジネスの動向
現在は、電力の需給調整市場/容量市場での実運用に向けAC/小売電気事業者、EMSベンダー、蓄電システムメーカー、プラットフォーマーが参入している。「家庭用蓄電システム導入支援事業(DR補助金)」の活用、家庭用蓄電池導入時のDR(デマンドレスポンス)契約のセット提案の増加で、ACへの参加率は高まっている。
2026年度には、需給調整市場へ低圧リソースの参加が解禁となり、電力の安定供給を担う調整力として家庭用蓄電池導入が進むことが予想される。さらに、2027年度から適用される省エネ住宅の新基準「GX ZEH」ではGX ZEH、GX ZEH+に家庭用蓄電池の設置が必須となるため、新築住宅における制御可能台数の増加も期待される。
長期的には、補助金の利用だけでなく第三者保有(蓄電池PPA)などで蓄電池導入台数の増加、既設の蓄電池に対するDR対応可のアプローチや新サービスの登場で制御可能台数は増加の一途をたどるとみられる。蓄電池アグリゲータの事業範囲の広がりのほか、自動制御技術の発展、参入企業の協業活発化などで電力需給バランスの調整や電力需給ひっ迫時の調整など、家庭用蓄電池アグリゲーション市場の本格形成が予想される。
◆調査対象
家庭用蓄電池市場・累計導入台数/累計接続台数/累計導入出力容量/調整力ポテンシャル
家庭用蓄電池アグリゲータ
・事例 7社
