マーケット情報


高齢者人口の増加により拡大が予想される
高齢者/介護関連製品・サービス市場は2025年に9,254億円

−2025年市場予測(2017年比)−
見守り関連 124億円(93.8%増)
在宅介護や独居老人世帯の増加により在宅向け伸びる


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、アクティブシニアや軽度者の健康寿命延伸、中重度者への質の高いケアの提供、介護現場スタッフの負担軽減など、業界の課題解決に向けた製品やサービスの充実化により、介護保険に依存したビジネスモデルからの転換が進みつつある高齢者/介護関連製品・サービスの市場を調査した。その結果を「注目「高齢者」施設・住宅&介護関連市場の商圏分析と将来性 2018」にまとめた。

この調査ではケアマネジャーを対象としたアンケート調査、都道府県別高齢者人口動態動向による商圏分析なども行い、政府の政策動向などを踏まえた上で、高齢者施設や個人宅での居住実態や介護製品・サービスの需要を分析した。

◆調査結果の概要

高齢者/介護関連製品・サービス市場



高齢者/介護関連製品・サービス市場は高齢者人口の増加にともない、各カテゴリーとも拡大が予想される。規模が大きいのは、高齢者リハビリテーション関連、注目生活用品関連、注目介護保険対象製品の3カテゴリーである。

高齢者リハビリテーション関連は、リハビリテーション特化型デイサービスの規模が大きい。介護保険では自立支援や重度化防止による介護給付費の抑制が急務であり、リハビリや機能訓練が重要視されていることから、今後も順調な拡大が予想される。

注目生活用品関連は、介護のための必需品であり、既に浸透している製品が多く、大きな需要を形成している。そのため介護用おむつを中心に安定的な推移が予想される一方で、安価な製品の台頭により企業間競争が激化している。介護者の人材不足や老老介護などから、介護者の負担軽減を目的に使い捨て製品への需要が高まっていくとみられるほか、使い心地のよい製品の利用を喚起することで、今後の成長に繋がるとみられる。

注目介護保険対象製品は、3年ごとに実施される介護報酬改定に左右される。軽度者への福祉用具の貸与・販売を介護保険給付の対象外とする議論があり、将来的には軽度者が対象から外れるとみるメーカーも多く、介護保険外での貸与・販売のルート基盤を作っている状況にある。今後軽度者への給付が対象外となれば、需要の減少も予想されるが、身体機能が低下し始めた高齢者が福祉用具を必要とすることは変わらないため、制度に依存しないビジネスモデルの構築が安定的な成長に繋がっていくとみられる。

◆注目カテゴリー

1.見守り関連

2018年見込
2025年予測
2017年比
市場規模
75億円
124億円
193.8%

現在は高齢者施設での需要が中心であり、在宅介護の場合は高齢者の子世帯からのニーズが高い。高齢者施設では認知症高齢者の徘徊や高齢者の急病を未然に察知する目的で使用されている。今後は在宅介護の進展や独居老人世帯の増加により高齢者施設以外での需要開拓が市場拡大の鍵となる。プライバシーに配慮した製品・サービスが提供されているものの、見守りを受けることに対する抵抗感も根強い。そのため実証実験による有用性のアピール、見守り機器の導入に関する前向きな施策などによる後押しも必要とされる。

2.フレイル関連

2018年見込
2025年予測
2017年比
市場規模
61億円
122億円
2.2倍

フレイルとは、「加齢とともに運動機能や認知機能などの心身機能が低下し、要介護状態への進展が懸念される状態」のことを指す。栄養と運動の2要素の改善で予防が可能とされており、日本老年医学会がフレイルの概念を提唱し、対策の重要性を広めている。フレイル関連市場では、「栄養」の改善に貢献するスマイルケア食「青(食機能に問題はないが、健康な体を維持し活用するために栄養補給を必要とする人向けの食品)」や、口腔ケア関連製品(口腔保湿剤、口腔スポンジブラシ、口腔ウェットティッシュ)を対象とする。

高齢者施設や病院では口腔ケアを実施しなければ低栄養状態や誤嚥性肺炎のリスクの増加に繋がることが認識されているため、口腔ケア関連製品の使用が浸透している。一方で、家庭では認知が低く、口腔ケアの重要性の啓発が必要とされている。

農林水産省が介護食品の普及に向けて新しく制度化したスマイルケア食のうち「青」がフレイル関連に該当する。制度に対する認知度の低さから市場は小規模であるが、大手食品メーカーも参入していることから、十分なたんぱく質の摂取が健康寿命を延伸させるという啓発が浸透していき、スマイルケア食「青」も今後拡大が期待される。

厚生労働省では介護給付費の抑制に向けて2016年からフレイル対策の実証実験を様々な自治体で実施しており、要介護状態への移行を阻止する目的で口腔ケア、食事や運動など関連市場の活性化が期待される。

◆ケアマネジャー意識調査(インターネットリサーチ)>

1.介護保険対象外製品の推奨経験…ある 383名、ない 116名、合計 499名

介護保険対象外の製品を利用者や家族に推奨した経験のあるケマネジャーは、499名中383名であり、割合は76.8%に上った。

推奨経験のある商品としては、介護シューズやリハビリシューズ、GPSシューズなどの高齢者向けシューズが247名と最も多く、推奨した理由としては「浮腫や外反母趾などの具体的な症状があった」「履きやすさ、転倒防止、必要性の高さ」などが挙げられた。次点は、栄養補助食品や介護食品、とろみ剤、高栄養流動食などの高齢者向け食品であり、推奨した理由としては「食欲低下・食事量減少」「嚥下・飲み込み対策」「栄養対策」などが挙げられた。 

2.介護保険対象外サービスの推奨経験…ある 386名、ない 113名、合計 499名



介護保険対象外のサービスを利用者や家族に推奨した経験のあるケマネジャーは、499名中386名であり、割合は77.4%に上った。

推奨経験のあるサービスとしては、食事宅配サービスが288名と最も多く、推奨した理由としては「調理困難・負担軽減・利便性の向上」「栄養対策・食事管理目的」「安否確認・独居対策」などが挙げられた。次点は、家事代行・生活支援サービスであり、推奨した理由としては「介護保険では対応不可のサービスが必要と判断したため」などが挙げられた。

介護保険対象外の製品・サービスの紹介はケアマネジャーの業務範囲対象外になるが、7割以上が介護保険対象外の製品・サービスを推奨していた結果から、利用者の生活の質の向上のためには介護保険対象外でも推奨していることが伺える。

3.介護関連で不足している主な製品・サービス



ケアマネジャーから見た介護関連で不足している製品やサービスについては、「独居高齢者・認知症高齢者の見守り」が最も多く挙げられた。次点は「認知症の予防・改善」となった。

その他には、おしゃれな製品、介護ロボット、軽介護者や若年要介護者へのサービス、通院介助、要介護や要支援にならないための運動などの施設といったものなどが挙げられた。

◆調査対象

フレイル関連 口腔保湿剤、口腔スポンジブラシ、口腔ウェットティッシュ、スマイルケア食「青」
高齢者リハビリテーション関連 高齢者向けリハビリテーション機器、個別機能訓練支援システム、リハビリテーション特化型デイサービス
見守り関連 在宅用見守り機器・システム、施設用見守り機器・システム、機器・システム型見守りサービス、訪問・電話型見守りサービス
認知症関連 高齢者向け脳トレ教室、認知症予防運動機器、物忘れ改善薬、臭覚検査キット
介護保険外サービス 生活支援サービス(高齢者向け家事代行サービス)、介護食宅配サービス
注目介護保険対象製品 介護用電動ベッド、手動車いす、電動車いす、シルバーカー/歩行車・歩行器、床ずれ防止用具、体位変換器/ポジショニングクッション、入浴補助用具 、腰掛便座(ポータブルトイレ)
注目生活用品関連 介護用おむつ、介護用ウェットティッシュ、尿漏れ対応パンツ ・高齢者用肌着、高齢者向けシューズ、防水シーツ、介護用手袋、介護用消臭剤

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2018/07/26
       
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は弊社グループ広報部(TEL 03-3664-5697)までご連絡をお願いいたします。