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急拡大するアジア市場に注目
燃料電池システム世界市場を用途分野別・需要エリア別に調査

−2030年度市場予測(2017年度比)−
燃料電池システム 世界市場 4兆9,275億円(28.0倍)、アジア市場 2兆1,301億円(49.8倍)


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、中国でFCトラック・バスの生産が急増するなど世界的に市場が活性化しつつある燃料電池システムの世界市場を調査した。その結果を「2018年版 燃料電池関連技術・市場の将来展望」にまとめた。この調査では、燃料電池システムの世界市場を用途分野別、タイプ別、需要エリア別に捉え、将来を予測した。あわせて、PEFCとSOFCの主要スタック部品市場についても調査・分析した。

◆調査結果の概要

1.燃料電池システムの用途分野別世界市場



2017年度の燃料電池システム市場は1,757億円となった。産業・業務用、FCV、駆動用が市場をけん引した。主要各国では、2025年または2030年の普及目標に向けた技術支援が続けられており、エネルギーの多様化、低炭素社会の実現に向けた燃料電池システムの普及促進が図られている。また、各用途で市場拡大に伴いシステムコストの削減が進み、今後補助金に依存しない産業自立化が実現するとみられる。2025年度に市場は1兆円を超え、2030年度には4兆9,275億円に達するとみられる。

【産業・業務用】
産業・業務用は米国・韓国の導入補助制度を背景に市場は堅調に拡大している。既存の燃料電池は安価な天然ガスを原燃料として用いることが多いが、低炭素化を推進する目的で水素燃料やバイオガスを用いた実証実験が進められている。

【駆動用】
駆動用は、これまで主な商品が燃料電池フォークリフトに限られていたが、トヨタ自動車が量産型FCバスを2018年に発売したほか、欧米ではFCバス・トラックでのフリート走行実証が行われている。中国では普及目標が掲げられ、FCバス・トラックの生産が急増している。2030年度には中国が市場をけん引し、2017年度比49.0倍の1兆4,511億円になるとみられる。

【FCV】
FCVは2017年に新車種の投入が見られなかったため、市場成長は鈍化しているものの2018年は現代自動車が「NEXO」を投入するなど、2020年にかけて参入メーカーが増加するとみられる。また、2021年から2025年にかけては主要地域における水素ステーションの整備が進む。2025年頃から量産体制が整うことでコストダウンが実現し、普及が進む。また、水素ステーションの稼働率が上昇することで運営自立化が徐々に進展するとみられる。補助金に依存しないで市場が拡大していくとみられ、2030年度には2017年度比111.5倍の2兆2,084億円になると予測される。

2.燃料電池の需要エリア別世界市場



主要各国では、燃料電池システムの普及に向けて技術支援が続けられており、アジア(中国・韓国)市場が急拡大していくとみられる。EVが普及している中国ではFCVの普及を促すような政策の転換がみられ、特にFCバス・トラックの生産が急増している。また、韓国では導入補助制度を背景に産業・業務用をベースに、FCVやFCバスの普及に注力している。欧州はFCVが市場をけん引する。インフラ整備、技術実証が進められた後、2020年頃から主要国で拡大していくとみられる。

3.主要スタック部品市場



PEFCは主にFCVやFCフォークリフト、FCバスなどに用いられており、これらが市場をけん引し、2017年度は141億円となった。また、水素ステーションの普及が課題となり、本格的な市場形成には時間がかかるものの、水素エネルギー・燃料電池システムの普及拡大に向けた官民一体の施策が各国で進められている。近年は中国におけるFCV、FCバス・トラックの商品化・技術開発が活発化しており、EVに続き燃料電池システムに関する関心が高まっている。

SOFCスタック部品は産業・業務用向けが市場の大半を占める。コストの削減やシステム実証が進んでおり、参入メーカーが増加している。日本でも、2017年に京セラ、三浦工業などが商品化を開始し、今後も市場参入を予定しているメーカーがある。SOFCは作動温度が高温であるため、セラミックおよび耐熱金属以外の材料選択が難しく、作動温度の低温化による安価な材料代替に向けた開発が進められている。今後は産業・業務用、家庭用での採用が市場をけん引していくとみられる。

◆調査対象

 
燃料電池システム 用途分野 産業・業務用、家庭用、燃料電池車、駆動用、ポータブル/バックアップ用、携帯機器用
タイプ PAFC、MCFC、SOFC、PEFC(RMFC含む)、DMFC
スタック部品 PEFCスタック部品 電極材、電解質、セパレータ、GDL
SOFCスタック部品 アノード、カソード、電解質、金属インターコネクタ

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2019/01/11
       
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