PRESSRELEASE プレスリリース

第16036号

医療ビッグデータに関連するサービス、機器、システムの国内市場を調査
−2025年市場予測(2014年比)−
医療関連業界向け医療ビッグデータ分析サービス120億円(4.1倍)
病院向け診療データ分析ツール・DPCデータウェアハウス68億円(58.1%増)

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、医療ビッグデータに関連するサービス、機器、システムの国内市場の調査を行った。レセプトや電子カルテデータを軸とした医療データのデジタル化や集積の進展に伴い、それらを医療ビックデータとして利活用したサービスや関連する機器、システムの需要が増加している。その結果を報告書「2016年 医療ITのシームレス化・クラウド化と医療ビッグデータビジネスの将来展望 No.2 医療ビッグデータビジネス編」にまとめた。

この報告書では創薬支援システム1品目、医療ビッグデータ分析サービス・ツール6品目、医薬品開発支援システム4品目、診断・治療支援機器・システム10品目、医療向けプロモーション支援サービス・システム5品目、介護・福祉支援機器・システム2品目、医療向け個人情報管理システム3品目について市場の現状を分析し、将来を予測した。

医療データベースの形成および利活用に向けた規制の見直しが図られており、規制改革の観点からも医療データのデジタル化・標準化や地域医療情報連携、データ利活用の環境整備が進められている。特に「日本再興戦略」では医療・介護分野を収益性の高い基幹産業と位置付け、世界に冠たる医療データベース構築を含めた活性化や生産性の向上を図る成長戦略が立てられている。

◆注目市場

1.医療関連業界向け医療ビッグデータ分析サービス

2015年見込
2025年予測
2014年比
市場規模
32億円
120億円
4.1倍

個人情報を外したレセプトやDPC(診断群分類包括評価)、カルテなどのデータを、統計データとして二次的に分析などして提供するサービスを対象とする。市場はレセプトコンピュータシステムの普及やDPC制度の開始に伴い立ち上がり、参入企業の継続的な需要の掘り起こしにより拡大している。製薬企業のマーケティングや、生損保企業の保険商品の企画立案などでの活用が中心であり、一部で学術研究機関などの活用もみられる。今後、精緻なデータベースの形成などにより、医療機器企業やOTC企業、ヘルス&ビューティ・ケア企業などの活用が進み市場拡大が予想される。

2.病院向け診療データ分析ツール・DPCデータウェアハウス

2015年見込
2025年予測
2014年比
市場規模
45億円
68億円
158.1%

レセプトやDPC、カルテなどのデータや病院経営データなどを保管するデータウェアハウス(DWH)および分析システム/サービスを対象とする。2003年4月に特定機能病院など82病院を対象としたDPC制度の開始に伴い、データ提出のためのツールとして市場は本格的に立ち上り、DPC導入病院数の増加と共に拡大してきた。2012年4月の診療報酬改定でデータ提出加算が新設されており、市場は堅調に拡大するとみられる。また、データ集積や整理だけでなく、経営改善や診療の質向上への活用ニーズが高まっており、それらを主目的として高機能化によるシステム単価の上昇や目的別の複数システムの導入が進み、更なる市場拡大が期待される。

3.医療向けe-プロモーションサービス

2015年見込
2025年予測
2014年比
市場規模
162億円
372億円
2.6倍

製薬企業が利用するインターネットを活用したドクターや医療従事者に対するプロモーションサービスで、パッケージ化されたものを対象とする。MRによるドクターへのプロモーションの効率化を目的としたものが大半である。参入企業の継続的なサービス拡充が奏功し、ユーザーの効果実感や利便性の評価が高まり需要は増加している。製薬企業では営業コスト削減や業務効率の改善が課題であり、プロモーション戦略の見直しに伴うe-プロモーションの活用拡大が予想される。また、今後の展開としてドクター向けポータルサイトやドクター向けSNSとの連携が注目される。多くのドクターが加入するポータルサイトやSNSの情報を活用することで、e-プロモーションの更なる効率化および質の向上が進むとみられる。

◆調査結果の概要

政府の方針・計画に沿った各種政策により、医療のICT化推進および医療情報の利活用促進が図られることで、今後の医療ビッグデータに関連するサービス、機器、システムの市場は各分野で拡大が予想される。

1.医療ビックデータ分析サービス・ツール分野

2015年見込
2025年予測
2014年比
市場規模
330億円
560億円
183.0%

医療ビッグデータ分析は「日本再興戦略」など、政府の成長戦略で強化対象となっており、また厚生労働省の研究事業でも医療ビッグデータの形成および利活用に向けた環境整備が進んでいるため、医療関連業界向け医療ビッグデータ分析、体質遺伝子検査、保険者向けデータ分析など、各サービスで市場拡大が期待される。また、データ取扱量や外部保存ニーズの増加により医療用データセンター関連の市場も拡大が予想される。

2.創薬支援システム分野

2015年見込
2025年予測
2014年比
市場規模
126億円
215億円
174.8%

コンピュータ上のシミュレーションにより薬物動態、薬効、副作用などの予測や薬物探索、計算に基づく理論的な分子設計などを行うインシリコ創薬・創薬支援システムを対象とする。国内製薬企業の創薬に対する投資意欲は依然として高く、政府も医療ビッグデータの形成および創薬への利活用を強力に推進する方針である。既存製品は普及が進んでいるものの、今後は臨床試験への利用範囲拡大による需要増や、新規の計算手法やレセプトデータなど、新たなデータを活用した新規システム/サービスの登場により市場拡大が期待される。

3.医療向けプロモーション支援サービス・システム分野

2015年見込
2025年予測
2014年比
市場規模
353億円
801億円
2.6倍

ドクター向けポータルサイトやドクター向けSNSによる会員の獲得が、医療向けe-プロモーションサービスやWeb講演会サービスのターゲットとなるドクター数の増加につながり、各サービスの市場が拡大している。また、製薬企業向け営業支援システムはMRの生産性・効率性向上ツールとして需要増加が予想される。

4.診断・治療支援機器・システム分野

2015年見込
2025年予測
2014年比
市場規模
2,756億円
4,456億円
165.5%

各検査・治療機器は基幹システムである電子カルテやレセプトコンピュータシステムなどと連携しており、それらのデータはビッグデータとして利活用が期待される。2014年時点で2,000億円を超えるテーラーメイド医療(個別化医療)の構成比が高い。また、血圧や血糖値・その他生体のリアルタイムモニタリングシステムなどの診断関連機器の需要が堅調である。医療用3Dプリンタをはじめ、医用人工知能や、薬剤や吸入器にセンサーチップを内蔵し服用データなどが検出できる薬剤搭載型デジタルセンサーは2020年には本格的な市場形成が予想される。

◆調査対象

分野
品目
創薬支援システム 1.インシリコ創薬・創薬支援システム
医療ビッグデータ分析サービス・ツール 1.医療関連業界向け医療ビッグデータ分析サービス、2.病院向け診療データ分析ツール・DPCデータウェアハウス、3.保険者向けデータ分析サービス、4.健康管理サービス、5.体質遺伝子検査サービス、6.医療用データセンター・データホスティングサービス
医薬品開発支援システム 1.臨床試験支援システム、2.EDCシステム、3.安全性情報管理システム、4.製造販売後調査支援システム
診断・治療支援機器・システム 1.医療用3Dプリンタ・金属3Dプリンタ、2.手術支援ロボット、3.テーラーメイド医療(個別化医療)、4.医用人工知能、 5.リアルタイム血圧モニタリングシステム、6.リアルタイム血糖値モニタリングシステム(OGM)、7.その他リアルタイム生体モニタリングシステム 、8.医療用脳波計、9.薬剤搭載型デジタルセンサー、10.医療用ディスプレイ
医療向けプロモーション支援サービス・システム 1.医療向けe-プロモーションサービス、2.ドクター向けポータルサイト、3.ドクター向けSNS、4.Web講演会サービス、5.製薬企業向け営業支援システム
介護・福祉支援機器・システム 1.介護ロボット(装着型) 、2.徘徊管理システム
医療向け個人情報管理システム 1.マイナンバー制度・医療等ID対応システム、2.地域共通診察券、3.電子カルテ用バイオメトリクス

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2016/04/27
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