PRESSRELEASE プレスリリース

第14037号

ヘアケア・ヘアメイクとメンズコスメティックス 国内化粧品市場を調査
−2013年市場−
女性用スカルプケア 30代〜40代の新規需要で、2012年比7.0%増の169億円
メンズシャンプー・リンス 新商品の投入で拡大、同20.3%増の225億円

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋)は、2014年2月から6分野44品目の化粧品の国内市場について、3回に分けて調査を行う。その第2回目の調査結果を「化粧品マーケティング要覧 2014 No.2」にまとめた。 この報告書ではヘアケア・ヘアメイク7品目と、メンズコスメティックス6品目の市場を調査分析した。なお、第3回目はメイクアップとボディケアの市場を調査分析し、結果を発表していく。

◆ヘアケア・ヘアメイク市場

2013年
2014年見込
2013年比
市場規模
5,263億円
5,317億円
101.0%

ヘアケア・ヘアメイク市場はシャンプー、リンス・コンディショナー、ヘアトリートメント、女性用スカルプケア、ヘアスタイリング剤、ヘアカラー、パーマネントウェーブ剤を対象とした。 2013年、ヘアケアではシャンプーでオイル配合やオーガニックを訴求した新ブランドの需要が高まったほか、これまで苦戦の続いていたトイレタリー系メーカーのブランドに需要回復の兆しがみられた。また市場をけん引したのはアウトバストリートメントで、ノンシリコンシャンプーの広がりに伴って髪の“きしみ”や“パサつき”を気にする消費者が増加したことを背景に、特に髪の潤いを訴求したオイルトリートメントの需要が高まった。また、女性用スカルプケアも各社が積極的な商品投入を行い、需要開拓が進み拡大した。ヘアメイクではナチュラル志向にあることから、ヘアカラー、パーマネントウェーブ剤、ヘアスタイリング剤が実績を落としたものの、ヘアケアの好調により、市場は2012年比0.5%増と僅かながら拡大した。

(1)ヘアトリートメント

2013年
2014年見込
2013年比
市場規模
1,051億円
1,078億円
102.6%

2013年の市場は、インバストリートメント、アウトバストリートメントともに拡大し、2012年比4.1%増の1,051億円となった。化粧品系メーカーを中心にノンシリコンシャンプーの新商品投入が相次いだが、リンス・コンディショナーと比べて高い保湿効果の期待できるインバストリートメントは、ノンシリコンシャンプーの投入に合わせてラインアップされるケースが多いことから併用購入が進み、市場が拡大した。また、アウトバストリートメントはオイルタイプが艶を与え、まとまる髪に仕上げたいというニーズ、その効果実感の高さから需要を集め、特に1,000円を超える高価格帯商品が好調だったことから拡大した。

2014年の市場は、2013年比2.6%増の1,078億円が見込まれる。インバストリートメントは消費者の使用定着が進んでおり、「クリア」(ユニリーバ・ジャパン)や「ディアボーテ」(クラシエホームプロダクツ)など大型ブランドの投入が見られたことから拡大が見込まれる。また、オイルタイプの商品の好調により成長してきたアウトバストリートメントも伸びは鈍化するものの、引き続き安定した成長が期待できる。

(2)女性用スカルプケア

2013年
2014年見込
2013年比
市場規模
169億円
178億円
105.3%

女性用スカルプケアは50代以上や本格的な薄毛に悩む層がメインターゲットとなっていたが、近年は“育毛エッセンス”や“スカルプケアエッセンス”などと表現し髪と地肌のケアを訴求した商品が増加しており、これまでよりも若い30代後半から40代をターゲットにした頭皮ケア需要の取り込みを図っている。新規参入がみられたことや、美容院などの業務用においても各社が店舗販売用にホームケアとして育毛剤やスカルプケア・育毛エッセンスをラインアップし、積極的な推奨を行っていることから2013年は2012年比7.0%増の169億円となった。

セルフ・トイレタリー系メーカー、訪販メーカー、制度品系メーカーが“エイジングケア”や“スカルプケア”などを切り口に商品の投入を積極的に行っていることから、今後も市場は拡大するとみられ、2014年は2013年比5.3%増の178億円が見込まれる。

◆メンズコスメティックス市場

2013年
2014年見込
2013年比
市場規模
1,061億円
1,079億円
101.7%

メンズコスメティックス市場は、メンズシャンプー・リンス、メンズスタイリング剤、メンズスカルプケア、メンズシェービング料、メンズフェイスケア、メンズボディケアを対象とした。 2013年は、メンズスタイリング剤やメンズスカルプケアの実績が縮小したものの、メンズシャンプー・リンス、メンズフェイスケア、メンズボディケアが拡大したことから、市場は2012年比3.9%増の1,061億円となった。

2014年は、若年層向けを中心にメンズシャンプー・リンスやメンズフェイスケア、メンズボディケアで積極的な新商品投入が行われており、ユーザーの需要喚起や店頭での販促活動によって市場は拡大し、2013年比1.7%増の1,079億円が見込まれる。

(1)メンズシャンプー・リンス

2013年
2014年見込
2013年比
市場規模
225億円
240億円
106.7%

2008年のスカルプケアを訴求した「スカルプD」(アンファー)のヒットをきっかけにシャンプー・リンスによる育毛・発毛需要が開拓された。3,000円以上のスカルプケア商品が需要を得たことで購入単価アップに繋がり、市場の拡大が続いている。 ドラッグストアなどでは「サクセス」(花王)や「サンスタートニック」(サンスター)などトイレタリーブランドに加えて、地肌ケアの「リガオス」(ジャパンゲートウェイ)や「h&sフォーメン」(P&Gジャパン)などのヘアケアブランドからメンズシャンプー・リンスが新たに発売されたことから、2013年も市場は拡大した。

「スカルプD」のヒットによりメンズシャンプー・リンスは、スカルプケア効果が期待されるとともに、皮脂除去による地肌ケアや防臭機能を付加した商品が新たな需要を開拓しており、今後も市場は拡大するとみられる。2014年は、4月に世界的なヘアケアブランドである「クリアフォーメン」(ユニリーバ・ジャパン)が発売され、市場は2013年比6.7%増の240億円が見込まれる。

(2)メンズボディケア

2013年
2014年見込
2013年比
市場規模
58億円
63億円
108.6%

メンズボディケア市場は、2008年前後から各メーカーが新メンズブランドを相次いで投入したことで広がりを見せ、2010年以降は順調に拡大が続いている。 2013年は男性特有の臭いや加齢臭ケアを訴求した新ブランド「デ・オウ」(ロート製薬)が投入されるなど、ボディシャンプーが急拡大したことにより、2012年比18.4%増の58億円となった。

また、2014年もニオイケアに対する新商品が発売され、TVCMなどの販促も行われているため、引き続きボディシャンプーが市場をけん引するとみられ、2013年比8.6%増の63億円が見込まれる。

◆調査対象

ヘアケア・ヘアメイク シャンプー、リンス・コンディショナー、ヘアトリートメント、女性用スカルプケア、ヘアスタイリング剤、ヘアカラー、パーマネントウェーブ剤 (7品目)
メンズコスメティックス メンズシャンプー・リンス、メンズスタイリング剤、メンズスカルプケア、メンズシェービング料、メンズフェイスケア、メンズボディケア (6品目)

 


2014/06/10
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