PRESSRELEASE プレスリリース

第15004号

通信販売(物販)の国内市場を調査
通販市場は2016年に10兆円越え、ECは8割を占めると予測
ネットスーパーは2015年に1,000億円突破(予測)

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、通信販売(物販)の国内市場を調査し、その結果を「通販・e-コマースビジネスの実態と今後 2014-2015 市場編」にまとめた。 この報告書では、通販市場を形態別(カタログ、テレビ、ラジオ、EC、その他)と、商品カテゴリー別(食品・産直品、アパレル、生活雑貨など)に分類し、各市場の現状を分析して今後を予測した。加えて、仮想ショッピングモール、ネットスーパー市場などの動向も捉えた。

◆調査結果の概要

2013年
前年比
2016年予測
2013年比
通販市場(物販)
7兆7,634億円
113.8%
10兆5,352億円
135.7%

通販市場は食料品や日用品の購入においてもEC(※1)の定着が進み、拡大が続いている。2004年の市場は3兆円程度で、5割近くをカタログ通販が占めていたが、2007年には大きく拡大を続けるECが市場の5割を超え、2013年は通販市場が7兆7,634億円、内EC市場が5兆7,065億円と、7割以上を占める。 2016年は通販市場が10兆円を突破し、そのうちECが8割を占めると予測される。なお、カタログ通販はシニア層をターゲットに底堅い需要を獲得し1兆円規模を維持するとみられる。 市場は拡大しているものの、参入事業者にとっては円安の進行による商品原価の上昇、宅配業者からの運賃の値上げ要請などが課題となっている。

2013年
前年比
2016年予測
2013年比
EC市場
5兆7,065億円
118.9%
8兆4,321億円
147.8%

EC市場は、商品やサービスの拡充、仮想ショッピングモールの台頭などによって毎年二桁増を続けている。ECの中で最も構成比が高いのは、PCサイト経由であり、2013年で市場の8割弱を占める。 スマートフォンサイト経由は2011年に市場が本格化した。2012年から2013年にかけて通販事業者がサイトの最適化やショッピングアプリの展開などスマートフォンへの対応を進めたことで、2013年には1兆円を突破した。2016年には2013年比2.3倍となり、ECにおける構成比は3割を超えると予想される。 一方、PC経由は拡大を続けるものの、伸びは鈍化すると予想される。ECは、実店舗と違い商圏がないため、国内すべての事業者が競合になる。そのため、知名度や規模から上位事業者の寡占が進みやすく、現状M&Aなども進んでいる。また、店舗販売を行う小売企業のEC対応強化、小規模なECサイトの増加とともに、通販市場のみならず、小売業におけるECの位置づけがさらに高まると予想される。

◆注目商品カテゴリー通販市場

2013年
前年比
2016年予測
2013年比
食品・産直品通販市場
1兆0,558億円
129.5%
1兆8,400億円
174.3%

お中元やお歳暮を中心としたカタログ通販、仮想ショッピングモールでの産地直送品を扱う事業者の出店などで食品・産直品の通販市場は拡大してきた。また、2007年頃より大手GMSを中心にネットスーパーへの参入が始まり、食品の新しい通販形態が生まれた。食品分野は小売店舗数の多さから通販への対応が遅れていたが、2010年以降、スーパーのみならずCVSでのECやカタログ通販、店頭商品の配送サービスの開始や、仮想ショッピングモールのアマゾンジャパンによる食品取扱いの本格化もあり、二桁増を続けている。2016年の食品・産直品通販市場は1兆8,400億円が予測される。ECの比率は2004年で1割強にとどまっていたが、2016年には8割以上になるとみられる。

◆注目市場

2013年
前年比
ネットスーパー
916億円
119.0%

量販店が会員顧客からインターネット、電話、FAXを通じて注文を受け、個人宅まで商品を配達する宅配サービスである。 以前から商品宅配のニーズは高かったが、働く女性の増加や高齢化の進行、インターネットの普及を受けて2000年に西友、2001年にイトーヨーカ堂などがネットスーパー事業を開始した。ネットスーパーの認知度の高まりと共に2008年頃よりイオン、ダイエー、サミットなどが次々と参入した。ネットスーパーは受注から配送までのコストが高く、取扱う商品が単価の低い食料品や日用品であることから、収益性を確保するのが難しく、2014年にはサミットの撤退もあった。しかし、潜在需要が高く新規会員の開拓余地があることや、新規会員増加に加え既存会員の利用頻度向上を参入事業者が進めることで、今後も堅調に拡大し、2015年には1,000億円を突破すると予測される。

◆調査対象

通販形態 カタログ通販、テレビ通販、ラジオ通販、EC(PC、スマートフォン、モバイル)(※2)
商品カテゴリー 食品・産直品、健康食品・医薬品、 ビューティ他、生活雑貨、アパレル、 家電製品・パソコン、書籍・ソフト、家具・インテリア・寝具

※1.EC:PC、スマートフォン、モバイル(フィーチャフォン・ガラケーなど従来型携帯電話)による注文
※2.モバイルはフィーチャフォン・ガラケーなど従来型携帯電話。カタログ、テレビ、ラジオによる告知でも注文手段としてPC、スマートフォンなどを使用した場合はECに含む。スマートフォンで閲覧したが注文がPCサイト経由の場合はスマートフォンに含まずPCに含む。

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。

 


2015/01/19
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。