PRESSRELEASE プレスリリース
堅調に拡大する清涼飲料の国内市場を調査
茶系飲料の日本茶や麦茶、機能性飲料のエナジードリンクやパウチゼリー飲料の伸びが目立つ
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、2017年は茶系飲料、機能性飲料などの好調により拡大、また、2018年はそれらに加えてミネラルウォーター類の復調で拡大の継続が見込まれる清涼飲料の国内市場を調査した。その結果を「2018年 清涼飲料マーケティング要覧」にまとめた。
この調査では、清涼飲料8分野16品目(45サブ品目)の市場について、規模やメーカー・ブランドシェアを中心に現状を分析し、今後を予測した。また、特に目立った動きがみられる市場カテゴリーについては、トレンド変化分析(炭酸含有飲料、乳酸菌含有飲料、コーヒー系飲料)、注目カテゴリー(特定保健用食品、機能性表示食品、チルドカップ飲料、CVSカウンターコーヒー)として市場動向を捉えた。
◆調査結果の概要
清涼飲料市場

2017年の市場は前年比0.5%増の5兆1,631億円となった。前年が好調だったため、その反動が懸念されたが、年初から天候に恵まれ、暑い日が続いた7月は特に好調だった。8月以降は関東地方を中心とした天候不良により、最需要期となる夏場の販売が低調だったものの通年では小幅な伸びとなった。
品目別では、規模の大きい茶系飲料が無糖ユーザーの支持を得たことや、機能性飲料が栄養補給目的の需要増加により続伸したほか、ドリンクヨーグルトや野菜系飲料も健康訴求により好調だった。一方、コーヒー飲料はPETタイプがけん引しリキッドコーヒーが伸びたものの、SOT缶の不調が続いている缶コーヒーが実績を落としたほか、ミネラルウォーター類も参入メーカーによる大容量サイズの価格是正策の影響からマイナスとなった。
2018年の市場は前年比0.4%増の5兆1,848億円が見込まれる。好天が多かった3月まで好調な滑り出しをみせている。近年、安定して伸びている無糖茶飲料は水分補給用途や消費者の健康意識の高まりによる需要獲得から続伸、ミネラルウォーター類も販売量が増加するなど、無糖飲料が市場拡大をけん引すると見込まれる。また、栄養価値や健康価値訴求でパウチゼリー飲料やドリンクヨーグルト、野菜系飲料といったカテゴリーの伸びも期待される。
◆注目カテゴリー
2017年 |
前年比 |
2018年見込 |
前年比 |
|
果実・野菜飲料 |
4,942億円 |
102.9% |
4,902億円 |
99.2% |
茶系飲料 |
1兆0,373億円 |
101.6% |
1兆0,443億円 |
100.7% |
ミネラルウォーター類 |
3,591億円 |
98.5% |
3,626億円 |
101.0% |
機能性飲料 |
5,999億円 |
102.4% |
6,080億円 |
101.4% |
果実・野菜飲料は、果実飲料は原料高騰により収益性が低下しており、参入企業の注力度が弱まっているため縮小している。一方、野菜系飲料は、機能性表示食品の投入以降トマト飲料が健康訴求効果が見直されたことにより好調である。また、果実野菜混合飲料は、スムージーが健康感や間食、気分転換といった幅広いニーズに対応した飲料として需要が高まっている。
茶系飲料は、無糖茶飲料では、ウーロン茶やブレンドティが苦戦している一方、日本茶や麦茶は消費者の甘さ離れを背景に需要を獲得、また、上位メーカーがそれらに投資を集中していることもあり伸びている。紅茶飲料はシェア上位商品が堅調なものの、全体では縮小が見込まれる。
ミネラルウォーター類は、2011年以降備蓄意識の高まりにより、大容量サイズを中心に市場が拡大してきた。近年は炭酸入りやフレーバー入りなどの派生商品が登場し、消費者の支持を得ている。2017年はメーカーによる大容量サイズの店頭売価是正の働きかけで同容量の販売数量が減少したため、前年割れとなったが、2018年は大容量サイズの販売減が落ち着いたことに加え、上位ブランドの炭酸入り商品の積極的な拡販により、市場は回復に向かうとみられる。
機能性飲料は、エナジードリンクの伸びが目立つ。2016年に商品の集約などにより成長が鈍化したが、2017年は販路拡大やユーザーの裾野拡大もあり上位ブランドが好調で、エナジードリンクの市場は前年比13.8%増となった。また、パウチゼリー飲料は栄養素補給や食事代替、簡便性といったニーズを捉えて伸びている。一方、スポーツドリンクなどの機能性清涼飲料は縮小が続いている。
◆注目市場
コーヒー飲料(缶コーヒー、リキッドコーヒー)

1.リキッドコーヒー
PETタイプが中心である。2017年は、「クラフトボス」(サントリー食品インターナショナル)がヒット商品となり、パーソナルPETタイプが大きく伸びたことによって、市場は前年比17.6%増となった。これまで缶コーヒーを飲用していなかった若年層など新たなユーザー層の獲得につながったのがヒットの要因である。一方、ホームサイズは価格競争が進んでおり苦戦している。
2018年も「クラフトボス」は好調で、各メーカーからパーソナルPETタイプの新商品も発売され、続伸が見込まれる。パーソナルサイズは、売り場で一定のフェース確保や、各メーカーによる積極的な新商品の投入により、今後も伸びが期待される。ホームサイズはパーソナルへの需要流出や価格競争の進展により、今後も苦戦するとみられる。
2.缶コーヒー
主要チャネルである自販機の売り上げ低迷により、SOT缶は減少が続いている。また、リキャップ性で支持されてきたボトル缶も需要がPETタイプに流出しており苦戦している。2018年に入りメーカーによっては自販機でのボトル缶販売をPETタイプへ一部差し替えを行っているため、市場は縮小が見込まれる。
2017年 |
前年比 |
2018年見込 |
前年比 |
|
炭酸含有飲料 |
7,831億円 |
100.3% |
7,903億円 |
100.9% |
炭酸飲料、機能性飲料に含まれる食系ドリンクやエナジードリンク、ミネラルウォーター類のエクステンション品である炭酸入り商品などを対象とした。無糖炭酸飲料が消費者の健康性の高まりで好調、また、栄養補給を目的としたエナジードリンクや食系ドリンクも伸びている。
市場の約70%を占める炭酸飲料は夏場の需要が高いが、2017年は関東を中心に8月以降の天候不良が大きく影響し、若干の前年割れとなった。一方、エナジードリンクが販路拡大などにより伸びたため、炭酸飲料のマイナスをカバーし、炭酸含有飲料市場は前年比0.3%増の7,831億円となった。
2018年はエナジードリンクが引き続き好調である。また、無糖炭酸飲料は新商品の発売により市場が活性化している。ミネラルウォーターブランドからも新商品が発売されており、無糖を切り口とした盛り上がりにより、市場は前年を上回るとみられる。
◆調査対象
| 果実・野菜飲料 | 果実飲料 ・100%果汁飲料 ・低果汁入清涼飲料 ・果肉飲料 ・果汁入飲料 ・果粒含有果実飲料 野菜系飲料 ・トマト飲料 ・野菜飲料 ・果実野菜混合飲料 |
| 炭酸飲料 | 炭酸飲料 ・コーラフレーバー飲料 ・乳類入炭酸飲料 ・その他炭酸飲料 ・透明炭酸飲料 ・ジンジャーエール ・果汁系炭酸飲 ・無糖炭酸飲料 |
| 乳性飲料 | 飲用牛乳 乳飲料 ・白物乳飲料 ・コーヒー系乳飲料 ・色物乳飲料 ・プラカップ入乳飲料 ドリンクヨーグルト 乳酸菌飲料類 ・乳製品乳酸菌飲料 ・乳酸菌飲料 乳性タイプ飲料 ・乳類入清涼飲料 ・殺菌乳製品乳酸菌飲料 |
| コーヒー飲料 | コーヒー飲料 ・缶コーヒー ・リキッドコーヒー |
| 茶系飲料 | 紅茶飲料 無糖茶飲料 ・日本茶 ・麦茶 ・その他ティードリンク ・ウーロン茶 ・ブレンドティ |
| ミネラルウォーター類 | ミネラルウォーター類 ・国産ミネラルウォーター類 ・輸入ミネラルウォーター類 |
※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。
