PRESSRELEASE プレスリリース

第21062号

ペット関連商品の国内市場を調査
新型コロナの流行に伴いペットと過ごす時間が増え需要が高まる
―2023年予測(2020年比)―
■ペット関連商品の国内市場 5,433億円(7.9%増)
~ペットフードやペットケア用品、ペット生活用品すべてのカテゴリーで拡大~
●スナック市場       1,003億円(30.3%増)
~犬用ウェットおやつやキャットスナックの好調により、伸長~
●ペット用トイレタリー市場    43億円(19.4%増)
~新型コロナウイルス感染症の流行により衛生意識が向上し、伸長~

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、在宅時間の増加によりペットと過ごす時間が増えたことで、商品の実績がプラスに推移しているペット関連商品の国内市場を調査した。その結果を、「2021年 ペット関連市場マーケティング総覧」にまとめた。

この調査では、ペットフード10品目、ペットケア用品10品目、ペット生活用品9品目の現状を調査・分析し、将来の市場を予測するとともに、注目ビジネスとしてペット保険やペット専用飲料、猫用ハンモック、家庭用ペットバリカンの動向についても明らかにした。

◆調査結果の概要

■ペット関連商品の国内市場

 

2020年

2019年比

2023年予測

2020年比

ペットフード

3,765億円

103.3%

4,088億円

108.6%

ペットケア用品

825億円

103.0%

871億円

105.6%

ペット生活用品

444億円

103.7%

474億円

106.8%

合 計

5,034億円

103.3%

5,433億円

107.9%

※市場データは四捨五入している

2020年の市場はすべてのカテゴリーにおいて伸長し、前年比3.3%増の5,034億円となった。

ペットフード市場は2020年、ドッグフードが減少したものの、その他の品目が堅調で、前年比3.3%増の3,765億円となった。特に、市場の4割を占めるキャットフードや二桁近い伸長となったスナックが市場拡大に貢献した。今後も、犬の飼育頭数減少によりドッグフードは縮小するものの、スナックなど好調な品目もみられることから、2023年は2020年比8.6%増の4,088億円になると予測される。

ペットケア用品市場は2020年、市場の3割以上を占める猫砂が、システムトイレ用の好調により、市場拡大に貢献したため、前年比3.0%増の825億円となった。また、新型コロナウイルス感染症の影響で、ペットオーナーのペットに対する健康面や衛生面への関心が高まっており、健康管理商品や衛生ケア用品の需要が増加していることから、2023年は2020年比5.6%増の871億円が予測される。

ペット生活用品市場は2020年、ペットショップの休業や外出自粛により首輪/胴輪/引紐や衣類の需要が減少した。一方、在宅時間の増加により、観賞魚の飼育に注目が集まったため水槽/周辺器具/水質調整剤が、ペットと触れ合う時間が増えたため玩具が、それぞれ伸長した。また、国民一人当たり10万円の特別定額給付金を支給されたことなどが追い風となり、新規ペットオーナーが増加したことでスターターキットの需要が高まるなど、前年比3.7%増の444億円となった。ペットの室内飼育が進み家族化することで、ペットの健康で豊かな生活を望むオーナーがみられることから、今後は玩具やブラシ/クシ、食器/給水器などが好調に推移し、2023年は2020年比6.8%増の474億円が予測される。

◆注目市場

●スナック【ペットフード】

 

 

2020年

2019年比

2023年予測

2020年比

全 体

770億円

109.5%

1,003億円

130.3%

 

キャットスナック

275億円

120.6%

435億円

158.2%

※キャットスナックは全体の内数

犬・猫の間食やしつけなどの目的で給餌されるスナック類(おやつ)を対象とする。市場は犬用のジャーキーやガム、ビスケット、その他スナック、キャットスナックに分類した。なお、その他スナックには犬用ウェットおやつや素材おやつ、チーズ、ケーキ、ゼリーなどを含めた。

2020年の市場は、犬用ウェットおやつを中心としたその他スナックとキャットスナックがそれぞれ二桁伸長し、ジャーキーやガム、ビスケットが微増したことから、前年比9.5%増の770億円となった。今後はキャットスナックが市場をけん引し、2023年の市場は2020年比30.3%増の1,003億円になると予測される。

2020年のキャットスナックの市場は参入企業の主力商品の好調により、前年比20.6%増の275億円となった。一方、猫の飼育頭数は、2016年から増加していたものの、2020年はわずかに減少した。今後は、猫の飼育頭数が安定して推移し、メーカーや小売店がキャットスナックに注力するとみられ、2023年には2020年比58.2%増の435億円になると予測される。

●ペット用トイレタリー【ペットケア用品】

2020年

2019年比

2023年予測

2020年比

36億円

120.0%

43億円

119.4%

ペットの汚れをふき取ることを主な目的として使用されるウェットティシュとボディタオルを対象とする。

ペットと過ごす時間が増えた結果、ペットオーナーの衛生意識が向上し、利用頻度の上昇や新規利用者が増加したため、2020年の市場は前年比20.0%増の36億円となった。また、ウェットティシュは散歩後のお手入れなどを気軽に行える点、ボディタオルはシャンプーより簡単に全身の汚れや被毛をケアできる点など、簡便性が評価され、どちらも伸びている。

今後も、衛生意識への高い関心や自宅でケアするペットオーナーの増加といった傾向は続くとみられ、2023年は2020年比19.4%増の43億円になると予測される。

●玩具【ペット生活用品】

2020年

2019年比

2023年予測

2020年比

44億円

107.3%

51億円

115.9%

犬猫用の玩具を対象とする。なお、キャットツリーは含めない。

ペットと触れ合う時間が増え、ペットのストレス解消を目的に需要が高まったことから、2020年の市場は、前年比7.3%増の44億円となった。

商品の役割が再認識されたことや買い替えが頻繁に行われることから、今後も市場は成長すると予想される。また、ペットオーナーのペットに対する健康意識が年々高まっていることから、デンタル玩具の需要も増加しており、2023年の市場は2020年比15.9%増の51億円になると予測される。

●ペット保険(契約件数)

2020年

2019年比

2023年予測

2020年比

221万件

116.3%

317万件

143.4%

※契約件数は、各年次12月末時点

ペットの怪我や病気で、動物病院での診察、治療、通院の医療サービスを受け、支払った額を保障するサービスを対象とする。

2020年は新規ペットオーナーが増え、ペット保険の契約件数が増加した。また、参入各社の積極的なプロモーションや、一般の保険会社が、既存顧客向けにペット保険の販売を行ったことなども功を奏し、2020年の契約件数は221万件となった。

健康を重視したペットフードなどの影響でペットの寿命が延びているほか、国内の保険加入率は10%前後と欧米に比べて低く、認知度向上やペットの健康や疾患に対する情報が適切にペットオーナーに伝わることで、2023年には317万件が予測される。

●家庭用ペットバリカン

トリミングサロンの休業から、家庭内でカットする機会が増加し、2020年の市場は拡大した。

自宅でケアしやすい部分カット商品が増加しているほか、トリミング初心者でも使いやすい切れ味の良い替え刃やバリカンの洗浄ができる商品が増えている。

今後は、ペットサロンの人手不足による施術価格の高騰化が予想され、家庭内でのカットが定着するとみられる。また、ペットの高齢化で、体力的にトリミングサロンへ行きにくくなるケースも増えることから、市場は拡大するとみられる。

◆調査対象

ペットフード

・ドッグフード

・観賞魚用フード

・ミルク

・キャットフード

・小鳥・観賞鳥用フード

・療法食

・プレミアムフード

・小動物用フード

 

・スナック

・サプリメント

 

ペットケア用品

・猫砂

・しつけ剤

・イヤークリーナー

・トイレ/トイレ用シーツ

・消臭剤/脱臭剤

・デンタルケア用品

・オムツ

・防虫剤/殺虫剤

 

 ・ペット用トイレタリー

・シャンプー類

 

ペット生活用品

・首輪/胴輪/引紐

・キャリー

・玩具

・ベッド/マット/ヒーター

・ブラシ/クシ

・衣類

・ケージ/サークル/ゲート

・食器/給水器

・水槽/周辺器具/水質調整剤

ペット関連注目ビジネス

・ペット保険

・猫用ハンモック

 

・ペット専用飲料

・家庭用ペットバリカン

 


2021/06/25
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。