PRESSRELEASE プレスリリース
■燃料電池システムの世界市場 12兆5,813億円(46.7倍)
~FCVやトラック・バスのほか、船舶や鉄道、ドローンなどでFC展開が進み、市場拡大~
【注目分野市場】
■FCトラック・バス用のアジア市場 1兆4,586億円(88.9倍)
~モデル運用都市制度の推進によりFCトラック・バスの普及が加速、2025年度以降急伸長~
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 清口 正夫 03-3241-3470)は、カーボンニュートラルの達成に向けて多用途で活用が期待される燃料電池システムの世界市場を調査した。その結果を「2021年版 燃料電池関連技術・市場の将来展望」にまとめた。
この調査では、燃料電池システム市場を用途別、エリア別、タイプ別に捉え、PEFCとSOFCのスタックや主要部品の市場についても現状を把握し、将来を予想した。
◆調査結果の概要>
■燃料電池システムの世界市場
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2021年度見込 |
2020年度比 |
2035年度予測 |
2020年度比 |
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3,734億円 |
138.5% |
12兆5,813億円 |
46.7倍 |
2021年度の市場は、前年度比38.5%増の3,734億円が見込まれる。最も規模が大きいのは産業・業務用で市場の3割以上を占め、燃料電池車(FCV)、FCトラック・バス用と続く。産業・業務用は米国と韓国が中心であり、特に政策による支援を背景に韓国の伸びが大きい。従来は工場や発電施設、商業ビル向けの中型・大型機の導入が中心であったが、高効率な業務用SOFCの実用化により、小型機の市場創出が期待される。FCVは、トヨタ自動車の新型「MIRAI」が投入されたことで大きく伸長している。FCトラック・バス用は欧州や中国で市場が活性化しており、特に中国の伸びが大きい。
2025年度以降、FCVとFCトラック・バス用が急伸し、市場をけん引するとみられる。FCVは主要メーカーによる販売拡大や次世代モデルの投入により市場の活性化が期待され、FCトラック・バスは有望なFCモビリティとして各メーカーが開発、商用化を進めていることから2030年度の市場は2020年度比19.0倍の5兆1,216億円が予測される。
主要各国では、モビリティにおける脱炭素化を進めており、EVやFCモビリティが重要な役割を担うと想定される。2030年度以降、先進国で内燃機関車の新車販売が禁止される中、急速に電動車両の普及が進むとみられる。FCVはEVと競合しつつ、長距離・大型車両で普及し、FCトラック・バスはFCモビリティの有望アプリケーションとして市場拡大に寄与するとみられる。また、今後はFCVやFCトラック・バスのほか、船舶や鉄道、ドローンなどでFC展開が進むとみられ、さらなる市場成長が期待される。
【注目分野市場】
・FCV
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2021年度見込 |
2020年度比 |
2035年度予測 |
2020年度比 |
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全 体 |
775億円 |
138.9% |
7兆7,014億円 |
138.0倍 |
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日本 |
120億円 |
155.8% |
9,679億円 |
125.7倍 |
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アジア |
458億円 |
133.9% |
3兆3,335億円 |
97.5倍 |
※アジア、日本は全体の内数
FCVは、乗用車(タクシーも含む)を対象とする。
2021年度は、2020年12月にトヨタ自動車が投入した新型「MIRAI」が、日本や北米、欧州の主要地域で好調なほか、現代自動車「NEXO」も、韓国・米国を中心に前年度を上回るペースで販売を伸ばしていることから市場は前年度比38.9%増の775億円が見込まれる。今後は中国や欧州の自動車メーカーの参入が市場活性化のポイントになるとみられる。中国では、すでに広州汽車がSUVタイプFCV「AionLX FC」の実証試験を開始しており、ほかにも複数の企業が市場参入を予定している。欧州では、2022年度よりドイツのBMWがSUVタイプFCVの限定生産を予定しているほか、各国の自動車メーカーがFCVの開発を進めている。2025年度以降、世界的な脱炭素化の動きと環境規制などの各種政策により、FCVの普及が加速すると予想される。トヨタ自動車と現代自動車を筆頭に各メーカーから量産モデルが投入され、FCVは現在のEVの価格(300万円~400万円)と同程度か、それを下回る価格水準になるとみられる。水素インフラの整備が進む日本や欧州、米国、中国、韓国を中心に市場は大きく拡大し、2035年度には2020年度比138.0倍の7兆7,014億円が予測される。
FCVの普及において、重要な要素となるのが燃料供給のインフラとなる水素ステーションの整備である。2020年度における世界の水素ステーション整備数は500箇所以上となっており、主要国の中で最も多いのは日本の162箇所で、中国の100箇所、ドイツの92箇所と続く。今後もFCVの普及に向けて各国・各地域で積極的に整備が進められるとみられる。
・FCトラック・バス用
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2021年度見込 |
2020年度比 |
2035年度予測 |
2020年度比 |
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全 体 |
717億円 |
2.5倍 |
2兆8,836億円 |
101.9倍 |
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アジア |
499億円 |
3.0倍 |
1兆4,586億円 |
88.9倍 |
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欧州 |
169億円 |
2.3倍 |
1兆2,360億円 |
171.7倍 |
※アジア、欧州は全体の内数
トラックやバスは、車両の電動化において長距離走行や大型車両への対応といった燃料電池のメリットを活かしやすいことからFC化が急速に進んでいる。市場は中国が中心である。欧州や北米でも普及に向けて一部で生産が開始されおり、特に欧州では今後の燃費規制への対応や2050年のカーボンニュートラル達成に向けて大型商用車メーカーの動きが活発化している。2020年度は、中国における補助金政策の転換や新型コロナの流行により販売台数が減少したことが影響し、市場は大幅に縮小したものの、2021年度は変更された補助金政策による中国市場の回復や欧州で大型FCトラック普及のためのプロジェクトが進行していることから、市場は前年度比2.5倍の717億円が見込まれる。中国では、エリア別にFC車両と水素ステーション建設を進めるモデル運用都市制度の推進によりFCトラック・バスの普及が加速し、市場をけん引するとみられる。欧州では、生産体制や大型水素ステーション建設が進むことで、2025年度以降量産規模の拡大が予想される。
■燃料電池スタックの世界市場
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2021年度見込 |
2020年度比 |
2035年度予測 |
2020年度比 |
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PEFC |
354億円 |
164.7% |
2兆1,498億円 |
100.0倍 |
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SOFC |
195億円 |
108.3% |
421億円 |
2.3倍 |
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合 計 |
549億円 |
139.0% |
2兆1,919億円 |
55.5倍 |
2021年度の燃料電池スタックの世界市場は、前年度比39.0%増の549億円が見込まれる。
PEFCはFCVやトラック・バス、フォークリフトなどのモビリティ分野が中心となっている。特に、FCトラック・バス向けの伸びが大きく、市場の約半数を占める。トヨタ自動車や現代自動車など、FCV向けでスタックを量産するメーカーがFCモジュールを多用途に展開する動きが加速している。今後はFCトラック・バスに加え、FCV市場の拡大により、FCスタックコストの低減が進み、そのほかのモビリティへ普及することで市場の成長が期待される。
SOFCは量産メーカーが限定的であるためコストが高止まりしており、普及の課題となっている。現在、多用途展開を含めた量産体制の構築やセルスタックの設計、材料開発・材料代替、生産委託などによりコストの低減が図られている。近年、Ceres Powerを中心にメタル支持型セルスタックの量産化が予定されており、BoschやDoosan Fuel Cellがパートナー企業として量産を担うこととなっている。メタル支持型セルスタックの採用により、600℃前後の低温作動化やシステムコスト低減が実現され、モビリティ分野での採用などが期待される。
◆調査対象
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燃料電池システム市場 |
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・産業・業務用 |
・燃料電池車(FCV) |
・産業用車両 |
・ポータブル/ |
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・家庭用 |
・FCトラック・バス用 |
・その他駆動用 |
バックアップ用 |
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スタック部品市場 |
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PECFスタック |
・電極材 |
・電解質 |
・セパレーター |
・GDL |
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SOFCスタック |
・電極材(アノード) |
・電極材(カソード) |
・電解質 |
・金属インターコネクター (金属IC) |
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