PRESSRELEASE プレスリリース
パワー半導体世界市場3兆3,009億円(37.0%増)自動車向け需要に期待感
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、民生機器から自動車、新エネルギーなどの幅広い分野で採用されているパワー半導体と、その構成部材、製造装置、パワー半導体が採用されているアプリケーション機器の世界市場を調査した。
その結果を報告書「2015年版 次世代パワーデバイス&パワエレ関連機器市場の現状と将来展望」にまとめた。この報告書では、パワー半導体15品目、構成部材13品目、製造装置16品目、アプリケーション機器31品目の各市場について現状を分析し、今後を予測した。
SIC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)といったWBG(ワイドバンドギャップ)の特性を持つ化合物半導体への需要が高まっている。特に、SICパワー半導体については大手自動車メーカーが2020年までに実車に搭載する計画を発表したことから、パワー半導体、構成部材、製造装置の各メーカーが注力度を強めている。また、GaNパワー半導体については、需要は200V級の低耐圧領域向けと限定的であったが、2015年は600V級の中耐圧領域向けが期待されており、アプリケーションが広がることで、今後は新エネルギーや産業、情報通信機器などの分野で市場が形成されていくとみられる。
◆調査結果の概要
1.パワー半導体の世界市場 (販売ベース)
2014年 |
2020年予測 |
2014年比 |
|
市場規模 |
2兆4,092億円 |
3兆3,009億円 |
137.0% |
パワー半導体は以前からあるシリコンと次世代パワー半導体(SIC、GaN、ダイヤモンド、酸化ガリウム)に分類される。
シリコンパワー半導体は、民生機器分野向けの伸びが鈍化している。その代替として自動車・電装分野向けに期待するパワー半導体メーカーの注力先シフトがみられる。また、パワー半導体メーカーの提案は、収益性の確保を目指し、価格競争の激しいディスクリート製品からモジュール製品へシフトしている。特に、自動車向けは価格競争が激化しており、低価格化が進んでいる。
次世代パワー半導体は、SICパワー半導体の用途先の裾野が着実に広がっている。2015年は翌年から本格化するとみられるウェーハの大口径化を見据えた展開が顕在化するとみられ、設備投資や製品ラインアップ拡充の動きが期待される。
2.次世代パワー半導体の世界市場 (販売ベース) ※パワー半導体の世界市場の内数
2014年 |
2020年予測 |
2014年比 |
|
市場規模 |
129億円 |
1,665億円 |
12.9倍 |
1)SIC(SIC-SBD、SIC-FET)パワー半導体
SICウェーハの量産が着実に進んでおり、低価格化の動きがある。2015年は6インチ口径の生産、販売が進むとみられるが、本格化するのは2016年以降とみられる。また、トレンチタイプの製品投入も顕在化しており、SICトランジスタの低価格化が進むとみられる。今後は新エネルギー、産業、情報通信機器の分野で採用が期待でき、SIC-FET単体や、SIC-FETを搭載したSICモジュールの販売も本格化すると予想される。
また、自動車・電装分野はPHV/EVに利用される急速充電器や車載充電器で採用実績が出始めている。大手自動車メーカーの実車搭載計画が本格化すれば、2020年頃には自動車・電装分野の採用アプリケーション市場の3分の1を占めると予想される。
2)GaNパワー半導体
横型構造半導体と縦型構造半導体があり、横型構造半導体が主流となっている。2014年以前は、200Vまでの低耐圧領域で実用化され、サンプル出荷や小口販売であったが、2015年からは主要パワー半導体メーカーが600V耐圧領域向けの量産化の動きを加速させるとみられる。課題はエピ技術に要するコストや、動作中の電流コラプスの抑制、650V以上の耐圧が挙げられ、よりハイレベルな技術が要求される。有望用途は通信局、基地局用電源やUPSなど情報通信機器(PFC回路など)、太陽光発電用パワーコンディショナ、産業用電源など向けであり、また、自動車の非接触給電などへも期待できる。600V帯までの中耐圧領域では民生機器のACアダプタへの採用が有力であるが、一層の低価格化が必要になるとみられる。
縦型構造半導体は、国内では2014年のノーベル物理学賞の受賞以降、LED向けGaN結晶化技術が注目され、パワー用途の応用研究が産学連携を通じて活発になるとみられる。1,200V以上の耐圧領域に向くが、SICパワー半導体と競合する領域であり、GaN単結晶やSIC基板を下地基板に利用するため、更なる技術進展と一層の低価格化が必要になるとみられる。
3.パワー半導体構成部材の世界市場 (生産ベース) ※SICウェーハ/GaNウェーハ市場を含む
2014年 |
2020年予測 |
2014年比 |
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市場規模 |
1,505億円 |
2,396億円 |
159.2% |
パワー半導体市場の拡大に伴い構成部材市場も伸びており、2014年は1,505億円となった。今後も拡大が予想されるが、パワー半導体1個あたりの材料使用量が減少しており、伸びは緩やかと予想される。SICパワー半導体の量産化によって、焼結型素子接合材や絶縁基板の需要増加が期待される一方で、ボンディングワイヤはパッケージングタイプによっては不要となるため、需要が減少する可能性もある。
4.パワー半導体製造装置の世界市場 (販売ベース)
2014年 |
2020年予測 |
2014年比 |
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市場規模 |
1,462億円 |
3,034億円 |
2.1倍 |
2015年まではパワー半導体市場の拡大に伴い、堅調な伸びが見込まれる。大手自動車メーカーの実車搭載計画によると、2016年から本格的に設備投資が始まるとみられ、これに伴いSICパワー半導体製造装置の需要増加が期待される。
GaNパワー半導体製造装置は、MOCVDが重要となるが、他の装置はシリコンパワー半導体製造装置が転用可能であるため、パワー半導体の量産化に伴う市場への派生は少ない。
◆調査対象
| パワー半導体 | 整流ダイオード、SBD(ショットキー・バリア・ダイオード)、FRD(ファースト・リカバリー・ダイオード)、バイポーラパワートランジスタ、低耐圧パワーMOSFET、高耐圧パワーMOSFET、IGBTディスクリート、サイリスタ・トライアック、パワーモジュール、パワーIC、SIC-SBD、SIC-FET、GaN系パワーデバイス、ダイヤモンド系パワーデバイス、酸化ガリウム系パワーデバイス |
| パワー半導体構成部材 | SICウェーハ、GaNウェーハ、半導体レジスト、バッファーコート膜、ダイボンディングペースト、はんだ、焼結型素子接合材、リードフレーム用条材、ボンディングワイヤ、封止材料、絶縁基板、放熱シート、放熱グリース |
| パワー半導体製造装置 | エピ膜成長装置、GaN向けMOCVD、プラズマCVD、露光装置、ドライエッチング装置、イオン注入装置、アニール装置、レーザアニール装置、CMP装置、ウェーハ表面検査装置、バックグラインダ、ダイシング装置、ダイボンダ、ワイヤボンダ、電気テスタ装置、チップ外観検査装置 |
| アプリケーション機器 | 冷蔵庫、洗濯機、ルームエアコン、IHクッキングヒータ、炊飯器、電子レンジ、LED照明用電源、スマートフォン、ノートPC、タブレット端末、液晶テレビ、サーバ、無線基地局・中継局、UPS(小容量)、UPS(中・大容量)、エコカー用駆動用インバータ、エコカー用DC-DCコンバータ、電動パワーステアリング、アイドリングストップシステム、回生エネルギーシステム、車載用充電器、急速充電スタンド、普通充電スタンド、鉄道車両、家庭用燃料電池、太陽光発電用パワーコンディショナ、風力発電用パワーコンディショナ、SVC、汎用インバータ、サーボアンプ、エレベータ |
※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。
