PRESSRELEASE プレスリリース

第16013号

海洋エネルギーシステム、海洋開発システム、海洋開発関連資機材・サービスなど
2015年海洋関連ビジネスの世界市場を調査
−2030年水処理・環境保全システム市場4兆6,400億円(2014年比14.0倍)−

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、海洋エネルギーシステム、海洋・海底資源、海洋開発(生産・貯蔵・輸送)システム、次世代養殖ビジネス、海洋開発関連資機材・サービス、水処理・環境保全システムなど、市場成長が期待される海洋関連のビジネス市場を調査した。その結果を報告書「海洋ビジネスの最前線と将来展望 2016」にまとめた。

この報告書では海洋エネルギーシステム6品目、海洋バイオマス1品目、海底資源4品目、海洋開発(生産・貯蔵・輸送)システム4品目、次世代養殖ビジネス3品目、海洋開発関連資機材・サービス7品目、水処理・環境保全システム5品目の動向に加え、先端技術の研究開発動向についてもまとめた。

◆注目海洋関連ビジネスの世界市場

2015年見込
2030年予測
2014年比
水処理・環境保全システム
5,265億円
4兆6,400億円
14.0倍
海洋エネルギーシステム
1兆0,996億円
3兆0,000億円
4.9倍
海洋開発(生産・貯蔵・輸送)システム
2兆0,910億円
3兆8,450億円
138.3%
海洋開発関連資機材・サービス※
3兆2,530億円
5兆5,842億円
127.5%

※海洋開発関連資機材・サービスの内、気象観測・航海気象サービスは国内市場+日系企業の海外販売を対象

1.水処理・環境保全システム

海水淡水化システム、 バラスト水処理システム 、随伴水処理システム、CCSを対象としている(※エコシップは市場未算出)。

海水淡水化システムは、人口増加と工業発展による水不足の深刻化を背景に、公共水道や工業用水向けが増加している。市場拡大に向けて、処理時に大量に発生する濃縮海水の活用方法を見出すことが必要となる。

随伴水処理システムは、石油やガスを生産する過程で、石油やガスとともに採取される随伴水を処理するシステムである。市場は近年順調に拡大してきたが、2015年に原油価格の下落に伴う油田・ガス田開発への投資鈍化により、市場は一時的に縮小している。今後は原油回収法が二次回収法、三次回収法(増進回収:EOR)の採用率上昇に伴い、発生する随伴水の量も膨大になることから、随伴水処理システムの需要も増加するとみられる。また、随伴水の処理規制の強化が進めば、更なる市場拡大が期待できる。

CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)技術を利用した大規模な施設(70万〜100万t/年のCO2回収・貯留)が、北米(米国、カナダ)、欧州(ノルウェー、イギリス)、アジア(中国、韓国)などで稼動している。CO2削減目標の達成に向けて市場拡大が期待される。また、数十年前に稼動を開始した油田は生産が限界に達していることから、CO2を利用するEORによって石油生産率を高める必要があるため、CCSの導入も増加するとみられる。更に、鉄鋼所、化学プラント、発電所、CTL(Coal-to-Liquid)設備などへの導入拡大が期待される。

エコシップは電気推進船、電池推進船、ハイブリッド船、LNG燃料船を指しており、日系の造船会社を中心に開発が進んでいる。船舶の大きさ、搭載技術、航行距離などによって船舶の価格帯は大きく異なり、数千万円〜数百億円とみられる。普及には船舶の低価格化が求められており、今回市場は未算出ではあるが、2030年以降に市場本格化が予想される。エコシップのなかでは、LNG燃料船の採用が欧州の内航船を中心に進んでおり、引き続き採用は進むとみられる。

2.海洋エネルギーシステム

洋上風力発電、潮流・海流発電、波力発電、海洋温度差発電、浸透圧発電(塩分濃度差発電)、浮体式太陽光発電のシステムを対象としている。

2015年の市場の98%を洋上風力発電システムが占める。そしてそのほとんどが欧州市場である。欧州市場は、2020年には成熟しているとみられ、その後は日本、中国、米国などに普及していくと予想される。

その他の海洋エネルギーシステムは、浮体式太陽光発電(陸水設置)を除いて実証段階にあるが、2030年までには潮流発電、波力発電、海洋温度差発電などの商用化が予想される。

3.海洋開発(生産・貯蔵・輸送機)システム

海洋の石油やガスの生産に用いる洋上プラットフォームの一つであるFPSOと、LNGを運搬するタンカーであるLNG船、水素貯蔵・輸送技術(運搬・輸送船)を対象としている(※メタンハイドレートは市場未形成)。

FPSOとLNG船の市場は、2015年に原油価格の下落に伴う油田・ガス田開発への投資鈍化や石油・ガス減産により、マイナスが見込まれる。現在も原油価格の動向から油田・ガス田開発への投資や石油・ガス増産に慎重な企業が多いものの、石油やガスの需要は新興国を中心に増加していることから、2020年には企業の投資や生産は回復するとみられる。FPSOは特に水深1,000m以上の案件が増加するとみられる。LNG船はシェールガスのガス田開発や増産に伴い需要が伸びるとみられる。近年は日系の造船会社を中心に省エネ化、搭載システムの軽量化・コンパクト化、安全航行の技術開発などが進められている。

水素貯蔵・輸送技術は2020年に液化水素運搬船、有機ハイドライド輸送船(小規模)の実証稼動が予定されており、市場が立ち上がるとみられる。海上輸送における規定策定、ボイルオフガス対策、大規模輸送技術とコスト削減の両立などの課題が解決され、市場が本格化する期待される。

4.海洋開発関連資機材・サービス

海底パイプライン 、海底ケーブル、 海底探査機、掘削システム、 塗料・コーティング材、 機能材料・素材(スーパー繊維、繊維強化プラスチック)、気象観測・航海気象サービスを対象としている。

2015年は原油価格の下落により海洋油田・ガス田開発が進まなかったことから、油田・ガス田で用いられる海底パイプライン、海底探査機、掘削システムの市場が大幅に縮小している。

海底ケーブルは、送電用が洋上風力発電の需要で伸びている。長期的には潮流発電や海洋温度差発電など、他の海洋エネルギーシステムの市場本格化も期待されるため、需要は更に増加するとみられる。通信用はインターネットの普及による国際通信量の増加に伴い、需要が増加するとみられる。

海底探査機は、油田・ガス田開発に用いる水深100〜300mに対応するタイプは、主に欧米企業が製造・販売を行っている。近年は水深1,000〜3,000mの深海における海底資源探査への活用が増加している。日本は「海のジパング計画」を発表するなど、深海の海底資源探査では先行しており、将来的には日本の海底資源探査技術の輸出も検討されている。

掘削システムは水深1,000m以上の案件増加により耐圧性に優れた掘削リグの需要が高まる。

◆調査対象

海洋エネルギーシステム 洋上風力発電、潮流・海流発電、波力発電、海洋温度差発電、浸透圧発電(塩分濃度差発電)、浮体式太陽光発電
海洋バイオマス 藻類バイオ燃料
海底資源 海底熱水鉱床、コバルトリッチクラスト、マンガン団塊、海底レアアース
海洋開発(生産・貯蔵・輸送)システム FPSO、LNG船、水素貯蔵・輸送、メタンハイドレート
次世代養殖ビジネス 完全養殖※1、陸上養殖※1、アクアポニックス※3
海洋開発関連資機材・サービス 海底パイプライン、海底ケーブル、海底探査機、掘削システム、塗料・コーティング材、機能材料・素材(スーパー繊維、繊維強化プラスチック)、気象観測・航海気象サービス※2
水処理・環境保全システム 海水淡水化システム、バラスト水処理システム、随伴水処理システム CCS エコシップ※3

※1:次世代養殖ビジネスの完全養殖、陸上養殖は国内市場を対象
※2:気象観測・航海気象サービスは国内市場+日系企業の海外販売を対象
※3:アクアポニックス、エコシップは市場を算出していない

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2016/02/12
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