マーケット情報


水素ステーション、水素燃料、水素発電システムなど
水素燃料関連市場の調査を実施

−2030年度予測−
水素燃料関連市場は2020年度頃から本格化し5,903億円


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、水素利用を通じたCO2削減とエネルギーセイフティの実現で注目される水素インフラ、水素燃料など、水素燃料関連の国内市場を調査した。その結果を報告書「2017年版 水素燃料関連市場の将来展望」にまとめた。

この報告書では、水素燃料・製造装置、水素輸送、水素ステーション、水素利用といった水素燃料関連の市場を調査・分析するとともに、次世代の水素関連技術、政府や地方自治体の取り組みなどについても動向をまとめている。

◆調査結果の概要

水素燃料関連の国内市場

ここでは、水素燃料、R水素製造装置、水素輸送関連(大規模水素輸送、輸送用容器)、水素ステーション、簡易型水素ステーション、水素利用関連(車載用高圧容器、車載用水素センサー、水素発電システム)の各市場を対象としている。国内市場は、2015年度に184億円となった。2014年度より商用の先行整備が開始された水素ステーションが市場の大半を占める。今後は水素ステーションの増設や燃料電池車普及進展、水素燃料の大規模輸入や国内流通の増加、水素発電の導入などにより、2020年度頃から市場は本格化し、2030年度には2015年度比32.1倍の5,903億円が予測される。

◆注目市場

1.水素ステーション

2015年度
2030年度
2015年度比
市場規模
176億円
387億円
2.2倍

2015年度は、水素供給設備整備事業(経済産業省)の助成を受けた商用ステーションの開所件数が47件、また、地域再エネ水素ステーション導入事業(環境省・経済産業省連携)の支援を受けた小型水電解ステーションが4件、合計51件となった。水素供給設備整備事業による建設目標は、2015年度末までに100カ所としていたが、その目標は未達となった。2016年度は、地域再エネ水素ステーション導入事業による開所件数は増加するものの、商用ステーションによる開所件数が大幅に減少することから、合計30件にとどまると見込まれる。地域再エネ水素ステーション導入事業の支援利用は自治体が多く、燃料電池車の購入と併せた導入が増えており、今後短期的には小型水電解ステーションの開所件数の増加が続くとみられる。一方、水素供給設備整備事業では交通量が見込める幹線沿いという立地の制約や、火気離隔距離の確保、資格を持った運営人員の確保などが商用ステーションの普及阻害要因となっており、短期的には2016年度と同程度の開所件数で推移するとみられる。

今後は、燃料電池フォークリフトや燃料電池バスの販売が本格化する。また、燃料電池車は車種が増加して2030年度の販売台数が年間20万台以上、普及台数が90万台近くに拡大するとみられる。燃料電池車などの普及とともに水素ステーションの需要が拡大し、2030年度の水素ステーション開所件数は220件、市場は387億円が予測される。

2.水素燃料

2015年度
2030年度
2015年度比
市場規模
0.5億円
1,472億円
2,944.0倍

ここでは燃料電池車や水素発電向けに燃料として使用される水素を対象とする(産業分野や宇宙分野向け、オンサイト製造での自家消費分は対象外)。

市場は、2014年度に水素ステーションの先行整備が開始され、また、2015年度には燃料電池車がトヨタ自動車、本田技研工業から発売され、供給と需要の環境が整ったことで拡大しはじめた。需要は当面先行する燃料電池車向けが中心となるが、燃料電池フォークリフトや燃料電池バス販売の本格化、2017年度には水素発電の実証稼働が予定されるなど、様々な需要が期待できる状況となってきている。

2020年度の市場は、90MW級の水素発電所の実証稼働が予定されていることから水素発電向けが急増し、195億円が予測される。この発電所の稼働により、水素発電向けが燃料電池車向けや、半導体やガラス・金属加工業など産業用水素市場(水素燃料関連市場の対象外)の規模を超え、2025年度には870億円まで拡大する。海外からの水素の大規模輸入が始まり水素単価は下落するものの、市場は拡大し続け、2030年度には1,472億円が予測される。

3.水素発電システム

2015年度
2030年度
2015年度比
市場規模
1,961億円

ここでは水素ガスを燃料とする発電システムを対象とする(工場で発生する副生水素による水素発電や、再生可能エネルギー由来の電力を用いて水電解を行い発生させた水素による発電は対象外)。

2017年度に1台(2MW×1台)、2020年度には1案件3台(30MW×3台=90MW)の発電システムの実証稼働が予定されている。中長期的には30MW級の発電システムが主流になるとみられる。

日本は2030年度に温室効果ガス2013年度比26%削減を表明していることから、CO2削減への寄与度が大きい水素燃料の利用拡大は進むとみられる。水素発電システム市場拡大のためには水素製造・輸送・貯蔵等のサプライチェーンが整備され、化石燃料と同程度の輸入・輸送コストの実現、また、発電コストの低減が必要である。

今後は、2030年度までは自治体による分散型電源や水素コージェネレーションシステムとしての水素発電の導入が中心になるとみられる。自治体では人口減に対応するため、コンパクトシティを含めた都市計画を再整備する局面に入っており、地域計画と合わせた導入が期待される。2030年度以降は、民間企業による水素発電事業としての導入へと移行すると予想される。

◆調査対象

水素燃料関連市場対象品目
その他対象品目
水素燃料・
R水素製造装置関連
水素燃料
R水素製造装置
液体水素関連技術
次世代水素製造技術
産業用水素
水素輸送関連 大規模水素輸送
輸送用容器
水素吸蔵・貯蔵技術
水素ステーション
関連
水素ステーション
(ステーション関連機器:水素製造装置、脱水素化装置・分離膜モジュール、蓄圧器、水素コンプレッサ(液水ポンプ)、水素ディスペンサ、水素バルブ、水素ガス検知器・炎検知装置)
簡易型水素ステーション
 
水素利用関連 車載用高圧容器
車載用水素センサー
水素発電システム
 

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2017/05/26
       
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は弊社グループ広報部(TEL 03-3664-5697)までご連絡をお願いいたします。