マーケット情報


エネルギーマネジメント関連の国内市場を調査

−2025年市場予測(2016年比)−
HEMS エネルギーの自家消費ニーズの高まりにより、需要増加 120億円(81.8%増)
REMS 設備の予防保全など省エネにとどまらない導入メリットで好調 27億円(92.9%増)


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の普及により創エネ・蓄エネ設備の標準化が進む家庭分野と、IoT/ビッグデータソリューションとの連携によりエネルギー管理用途にとどまらない活用が期待される産業・業務分野におけるエネルギーマネジメント関連の国内市場を調査した。その結果を報告書「2017 エネルギーマネジメントシステム関連市場実態総調査」にまとめた。

この報告書では機器・デバイス7品目、システム6品目、サービス3品目、発電設備・システム3品目、通信技術5品目、収集・分析・処理技術等5品目の市場を調査・分析し、家庭、産業・業務の各需要分野における市場の実態と方向性を明らかにした。

◆注目市場

1.エネルギーマネジメントシステム

2016年
2025年予測
2016年比
HEMS
66億円
120億円
181.8%
REMS
14億円
27億円
192.9%
FEMS
27億円
35億円
129.6%

HEMS(Home Energy Management System)市場は、HEMSの構成に必須なゲートウェイ、電力計測を行うための機器、データの閲覧や住宅設備の操作を行うための専用モニターを対象とする。2016年は補助金が出るZEH支援事業においてHEMSの導入が支援の必須条件となっていたことから大手ハウスメーカーだけではなく、中堅ビルダーや工務店での採用の増加が予想された。しかし申請が通らなかった際の仕様変更の負担を懸念し、支援事業への申請に対して消極的な事業者もみられたことから、交付件数自体は前年とほぼ変わらず、市場は大幅な拡大には至らなかった。2017年以降はZEHのさらなる普及に伴い新築戸建住宅での採用が増加するほか、太陽光発電システムの自家消費ニーズの高まりにより、住宅における蓄電池の導入が増加し、住宅内のエネルギーを最適化するために必要となるHEMSの導入が促進されるとみられる。

REMS(Retail Energy Management System)、FEMS(Factory Energy Management System)市場はクラウドサーバ上でデータを管理するための管理用ソフトウェアとEMS制御装置、ゲートウェイ、電力計測機器を対象とする。

REMSは、店舗の空調・照明設備のエネルギー使用状況を管理、最適化する業務分野向けのシステムである。エネルギー管理だけではなく、店舗設備の運転状況や温度を遠隔監視、自動制御することで省人化・省力化に繋がるほか、設備の予防保全などにも活用できることから省エネにとどまらない導入メリットがあり、市場は堅調に拡大していくとみられる。

FEMSは、製造現場におけるエネルギー管理に特化したシステムである。エネルギー管理や省エネ対策としてのFEMSのニーズは一巡しているものの、近年ビッグデータの活用による生産効率改善や設備監視、予防保全など業務効率化・環境改善を目的としたシステムソリューションに対するニーズが高まっている。2017年以降は従来どおりリプレース需要が中心となるものの、業務効率化・環境改善などの活用を組み合わせたソリューションのニーズが高まることから1システム当たりの単価が上昇するとみられ、市場は堅調に拡大していくと予想される。

2.EMS向けセンサーデバイス

2016年
2025年予測
2016年比
市場規模
39億円
46億円
117.9%

EMSで採用される電流センサー、温度センサー、室温度センサー、人感センサーを対象とする。センサーはエネルギーの利用状況や施設の環境情報などの見える化を行うためのデバイスとして広く採用されている。今後は複数のセンサーや認識技術による計測データを組み合わせることでより細やかな設備制御を実現させる高付加価値なEMSへのニーズが高まっていく。またセンサーによる計測・検知情報を省エネ以外に活用する動きもみられ、産業分野の生産設備では設備に流れる電流情報を連続して計測・モニタリングすることで、設備の劣化状態を把握するなど予防保全としての活用が期待される。

◆調査結果の概要

1.需要分野別エネルギーマネジメント関連市場

1)家庭分野…ZEHの普及、エネルギーの自給自足ニーズで好調

HEMS、電力計測対応分電盤(住宅向け)、定置用蓄電システム(住宅向け)、V2X(自動車電力供給システム)、家庭向け省エネサービスを対象とする。

家庭分野では、電力買取価格の下落、定置用蓄電システムの価格低下やZEH支援事業の推進などにより、太陽光発電エネルギーの自家消費ニーズが増加し、創エネ・蓄エネのコントローラーとしてHEMSの需要が増加するとみられる。今後は電力小売り事業者などエネルギー関連事業者の参入により新しい活用方法の積極的な提案が行われ市場は堅調に拡大していくとみられる。2025年の市場は産業・業務分野を超える1,544億円が予想される。

2.産業・業務分野…IoT/ビッグデータソリューションとの連携が進み、拡大

産業・業務分野は、BEMS(BAS/BEMS単独システム)、REMS、FEMS、見える化ツール(単回路電力モニター・多回路計測ユニット・マルチ指示計器・データ収集サーバー)、デマンドコントローラー、定置用蓄電システム(産業・業務向け)、業務・産業向け省エネサービスを対象とした。

産業・業務分野では、デマンド監視などのエネルギーコスト削減対策としてのEMSの導入は一巡しており、リプレース需要が中心となっている。今後は通信環境の整備が進み、IoT/ビッグデータソリューションとの連携が積極的に行われることで、設備監視や予防保全、空調・照明など空間快適制御など、多様なセンサーを活用したEMSの高付加価値化が進むとみられる。

◆調査対象

機器・デバイス 見える化ツール【業】、電力スマートメーター(低圧需要家向け)、ガススマートメーター(超音波式ガスメーター)、デマンドコントローラー【業】、電力計測対応分電盤(住宅向け)【家】、定置用蓄電システム【家】【業】、V2X(自動車電力供給システム)【家】
システム HEMS【家】、MEMS【家】※1、BEMS(BAS/BEMS単独システム)【業】、REMS【業】、FEMS【業】、CEMS【業】※1
サービス 産業・業務向け省エネサービス【業】、家庭向け省エネサービス【家】、マンション高圧一括受電サービス【家】※1
発電設備・システム 太陽光発電システム、パワーコンディショナ(太陽光発電システム向け)、コージェネレーションシステム
通信技術 IEEE802.15.4規格準拠モジュール(2.4GHz/920MHz)、電力線通信(Power Line Communication)技術※2、ECHONET Lite※2、LPWA(Low Power Wide Area)※2、EnOceanモジュール 
収集・分析・処理技術等 AI×EMS※2、Edge Computing×EMS※2、BIM×EMS※2、センサーデバイス×EMS、VPP/デマンドレスポンス/ネガワット取引

【家】は家庭分野向け、【業】は業務・産業分野向け
※1は金額ベースの市場未算出、※2は数量、金額ベース共に市場未算出

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2017/08/14
       
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