マーケット情報


業務施設のエネルギー消費実態を調査

−施設別エネルギー消費(2017年)−
総エネルギー消費量トップは事務所・オフィスビル 85,643万GJ
1施設当たりのエネルギー消費量トップはデータセンター 97,629GJ


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、省エネ・省CO2・コスト削減などを目的に、電気、ガス、その他熱源のエネルギーミックスやストック設備での省エネ機器への更新など、多様なエネルギー提案が行われている業務施設のエネルギー消費実態を調査した。その結果を「2018年版 業務施設エネルギー消費実態調査」にまとめ、施設ストック数やエネルギー消費量が多い業務施設7分野50業種のエネルギー消費特性を明らかにした。

◆調査結果の概要

1.エネルギー消費量ランキング(2017年)



施設別の年間の総エネルギー消費量と1施設当たりのエネルギー消費量(平均)のランキングトップ10を示した。1施設当たりのエネルギー消費量は大きくないものの、施設ストック数が多いことから総エネルギー消費量のランキングにランクインする施設は、事務所・オフィスビル、旅館、食品スーパー、コンビニエンスストア、理・美容院などである。また、1施設当たりのエネルギー消費量が多いことからデータセンター、シティホテル、病院、スーパー銭湯などもランクインしている。

総エネルギー消費量ランキングトップの事務所・オフィスビルは、1施設当たりのエネルギー消費量は1,171GJであるが、施設ストック数が731,300件と群を抜いて多い。施設規模としては、延床面積500m2未満と1万m2以上が増加しており、二極化が進んでいる。

1施設当たりのエネルギー消費の内訳は、空調が44%と最も多く、次にPC(サーバー含む)、複合機やプリンターなどコンセントを経由した消費が24%、照明が20%である。空調や照明では小規模施設でも高効率空調やLED照明の導入などにより省エネ化が進んでおり、エネルギー消費量の低減が進んでいくとみられる。

1施設当たりのエネルギー消費量ランキングトップのデータセンターは、メガクラウドサービス向けの増加などにより施設の大型化が進んでおり、延床面積2,500m2以上の施設の新設が相次いでいる。

1施設当たりのエネルギー消費の内訳は、サーバーなどのICT機器、UPS、配電機器などが合わせて60%近くを占める。ICT機器の省エネ性能は向上しているものの、施設の大型化によってエネルギー消費は増加している。また、データセンターではICT機器の正常な運用のため24時間365日温度・湿度が一定に保たれていることから、空調の比率も高くエネルギー消費の36%を占める。大規模なデータセンターでは、消費電力が低く1台当たりの冷凍能力が高いターボ冷凍機の採用が多くみられる。

2.電力契約別施設ストック数ランキング(2017年)



電力契約別の施設ストック数ランキング、トップ15を示した。施設ストック数が多いのは、事務所・オフィスビル、理・美容院、居酒屋、診療所、歯科診療所、コンビニエンスストアである。そのなかで、事務所・オフィスビル、居酒屋、コンビニエンスストアは高圧・特別高圧契約、低圧契約どちらの施設数も多い。一方、理・美容院、診療所、歯科診療所は低圧契約の施設数が圧倒的に多い。

3.エネルギー自由化にともなう業務施設向け提案

電力小売市場における連携と業務施設向け提案

電力小売の全面自由化に際し、小売電力事業者は高圧施設への提案を継続しつつ、低圧で電力消費量が多い業界を対象とした業界特化型の電力メニューを打ち出し低圧業務施設の需要家獲得に動いている。

業界特化型プランは、小売電気事業者が各業界でつながりの深い企業と提携することで需要家へ提案されている。取引先企業からの業界特化型プランの提案による電力契約切り替えで経費節減につながることが認知されつつあり、今後も多業種で行われていくとみられる。

現在業界特化型プランは、パン屋、歯科診療所、動物病院、飲食店、理・美容院、保育園向けなど、低圧契約の施設ストック数が多い業種を中心に展開されている。

ガス小売市場における連携と業務施設向け提案

ガス小売の全面自由化によって、小口の法人をターゲットとした提案がなされているが、都市ガスは電力よりも調達のハードルが高く、提案ノウハウの蓄積が求められることから参入事業者は限られていた。

しかし、既に参入する東京電力エナジーパートナーと日本瓦斯が新たに設立した東京エナジーアライアンスがガスの卸供給や顧客管理システムなど様々な機能をパッケージ化し提供し始めたことで、同社のプラットフォームを活用して新たに参入する事業者が増えている。

電力と合わせてガスを提案するケースが多い。また、電力と同様にガス多消費業界へは、業界と接点を持つ事業者との連携による業界特化型プランの展開が注目される。

◆調査対象

事務所関連施設 事務所・オフィスビル、郵便局、銀行、データセンター、コールセンター
物販・物流施設 GMS(総合スーパー)、食品スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストア、ホームセンター、家電量販店、自動車販売店、ガソリンスタンド、弁当屋・惣菜店、パン屋、冷蔵倉庫
飲食施設 ハンバーガー店(ファストフード店)、コーヒーショップ、牛丼店、ラーメン店、うどん・そば店、ファミリーレストラン、焼肉店、居酒屋
宿泊施設 シティホテル、ビジネスホテル、旅館
医療・福祉施設 病院、診療所、歯科診療所、動物病院、介護老人福祉施設(特養)、介護老人保健施設、グループホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、保育所
文教施設 小学校・中学校、高等学校、大学、学校給食センター
サービス関連施設 理・美容院、.クリーニング店、フィットネスクラブ、スーパー銭湯、パチンコホール、映画館、ゴルフ場、道の駅、SA(高速道路)

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2018/08/20
       
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