PRESSRELEASE プレスリリース

第18070号

外食産業(ファストフード、テイクアウト、交通機関、給食など)の国内市場を調査
−2018年市場見込(2017年比)−
ハンバーガー6,811億円、とんかつ・かつ丼605億円、CVSカウンターファストフード6,676億円

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、2016年以降のハンバーガーの回復や継続する回転ずしの好調で伸びているファストフードや、量販店デリカの高齢者向けメニュー充実による需要増加などで堅調なテイクアウトなどの国内外食産業市場について調査し、その結果を「外食産業マーケティング便覧 2018 No.1」にまとめた。

この調査では、ファストフード、テイクアウト、ホームデリバリー・ケータリング、交通機関、レジャー施設、給食の6カテゴリー65業態の市場について現状を調査し、将来を予想した。なお、後日、料飲店、ファミリーレストラン、喫茶、西洋料理、日本料理、東洋料理、エスニック料理、宿泊宴会場の8カテゴリー73業態の市場調査結果を発表する。

◆注目カテゴリー市場

1.ハンバーガー

2015年まで縮小していたものの、2016年は日本マクドナルドが既存店の改装や差別化を図った商品投入でメニューの魅力を高めたことにより実績を伸ばし市場をけん引したことで、6,000億円まで回復した。2017年は日本マクドナルドが相次ぐキャンペーンで実績を伸ばしたことや、各チェーンが既存店の集客力・販売力拡大に向けて客単価上昇につながるメニュー戦略に取り組み堅調だったことにより、市場は前年比8.4%増となった。2018年は、上位チェーンの店舗数増加などにより、市場は前年比4.6%増が見込まれる。

2.回転ずし

近年は年率3〜4%台の伸びを続けている。2017年は5月にアニサキス食中毒報道の影響により一部の上位チェーンでも既存店売上が前年割れとなったが、後半は上位チェーンの積極的な出店により好調で、市場は前年比4.5%増となった。2018年は、 上位チェーンを中心に積極的な出店が進められており、引き続き市場拡大が見込まれる。一方、競合の激化や人手不足による閉店などのため苦戦しているチェーンもみられ、今後は上位チェーンへの集約が進むことによる伸びの鈍化が懸念される。

3.牛丼

2015年以降微増が続いている。 2017年は多くの上位チェーンが店舗の統廃合により店舗数を減らしたものの、新メニューや期間限定品などにより、市場は前年比0.5%増となった。2018年はすき家本部が期間内であれば何度でも割引価格で牛丼が食べられるパスの販売や、吉野家がソフトバンクとのコラボレーション企画によりユーザー層を広げるなど、上位チェーンが積極的な展開を進めていることで、市場は前年比1.8%増が見込まれる。

◆注目市場

1.とんかつ・かつ丼

2017年
2018年見込
前年比
市場規模
530億円
605億円
114.2%

2016年はかつや、松のや・松乃屋の好調や豚屋とん一の積極的な新規出店、とんから亭やかつ庵の新規参入などにより、前年比18.1%増となった。2017年は 上位チェーンの積極的な新規出店により、市場は前年比17.8%増の530億円となった。2018年も引き続き市場が活性化しているのを受けて、参入各社はとんかつ・かつ丼を注力分野と位置付けて展開しており、新規出店や期間限定メニューなどの商品施策により、市場は前年比14.2%増が見込まれる。とんかつ・かつ丼を手軽に喫食できるため需要獲得が進んでおり、今後も市場拡大が期待される。

2.CVSカウンターFF

2017年
2018年見込
前年比
市場規模
6,537億円
6,676億円
102.1%

CVSのレジカウンター近辺に設置するホットスナック(中華まんじゅう、からあげ、フライドポテト、コロッケ、焼き鳥など)、カウンターコーヒー、カウンタードーナツ、ソフトクリームなどを対象とする。2017年は、サークルKサンクスと経営統合したファミリーマートが焼き鳥、中華まんじゅう、おでんなどの販売を強化したのをはじめ、上位チェーンが店舗数を増やすとともにカウンターフードへの注力度を高めたことにより、市場は前年比7.3%増の6,537億円となった。 2018年は、カウンターコーヒーが豆やマシーンのリニューアルなど活発なテコ入れにより好調である。また、揚げ物類、焼き鳥を中心としたチキンメニューが原料の見直しや夕夜間の販促強化により伸びている。CVSの店舗数は不採算店の整理などにより減少するものの、既存店1店舗あたりの販売が好調なため市場は拡大が見込まれる。
時間帯別の売上高はランチが50%以上を占めるが、今後はモーニングやディナーの需要開拓により新規顧客と新規シーンの取り込みが進むと考えられる。

◆調査結果の概要

2017年
2018年見込
前年比
ファストフード
2兆9,964億円
3兆0,840億円
102.9%
テイクアウト
7兆4,839億円
7兆5,450億円
100.8%
ホームデリバリー・
ケータリング
1兆1,769億円
1兆1,795億円
100.2%
交通機関
1,041億円
1,060億円
101.8%
レジャー施設
9,859億円
9,880億円
100.2%
給食
4兆0,347億円
4兆0,786億円
101.1%

1.ファストフード

2017年はハンバーガーが期間限定メニューの積極投入やドリンクメニューの強化などで既存店の底上げを図り好調だったほか、回転ずしは上位チェーンの展開地域の拡大に伴う店舗増により伸長し、また、天丼・天ぷらは中堅の参入企業が実績を伸ばすなど、多くの業態が好調だったため市場は拡大した。2018年も、規模の大きい業態を中心に好調が続いており引き続き市場拡大が見込まれる。

2.テイクアウト

量販店デリカが高齢者世帯向けメニューの拡充や野菜訴求メニューの強化などにより好調を維持し、また、CVSテイクアウトフードはサラダや麺メニューが好調なほか夕夜間の販促強化などでカウンターファストフードが伸びるなど、単身世帯や共働き世帯が増加する中で簡便需要を取り込み市場は拡大している。

3.ホームデリバリー・ケータリング

宅配ピザが上位チェーンの持ち帰り客への割引サービスが好評で好調を維持しているほか、宅配ずしは参入企業が経営資源を集中投下していることが奏功し伸びている。また病者・高齢者食宅配は、喫食者層の増加を背景に上位チェーンを中心に需要獲得が進んでいる。

4.交通機関

列車内食、機内食、客船食堂が訪日外国人の増加に伴うインバウンド需要により利用者が増加していることから、2014年以降拡大が続いている。また、駅構内飲食店は、近年飲食店が入居する商業施設の新設が相次いでおり集客力が高まっていることから好調である。

5.レジャー施設

近年はレジャーランド、野球場が堅調である。レジャーランドは集客が好調なことにより、また、野球場は球場グルメを充実させるなど飲食事業にも積極的に取り組んでいることにより好調である。一方、ゴルフ場、健康ランド・スーパー銭湯、ギャンブル場、カラオケボックス、複合カフェは縮小している。

6.給食

高齢者福祉施設給食がサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を中心とした施設数の増加により伸びており、市場拡大をけん引している。一方、産業給食や学校給食、病院給食は縮小している。

◆調査対象

ファストフード ハンバーガー、プレミアムハンバーガー、チキン、ドーナツ、サンドイッチ、クレープ、アイスクリーム、ラーメン、カレーショップ、ステーキ、立ち食い・セルフ式そばうどん、クイックパスタ・ピザ、回転ずし、牛丼、天丼・天ぷら、海鮮丼、スタミナ丼、とんかつ・かつ丼、定食チェーン、スープカフェ
テイクアウト テイクアウト弁当、デリカショップ、百貨店デリカ、その他デリカ、おにぎり、テイクアウトずし、ベーカリーショップ、量販店デリカ、CVSテイクアウトフード、CVSカウンターFF、スイーツ店、百貨店スイーツ店、シュークリーム専門店、ポップコーン専門店、たこ焼き・お好み焼き類、たい焼き専門店
ホームデリバリー・ケータリング 宅配ピザ 、宅配ずし、宅配中華料理、宅配釜めし、FR宅配、FF宅配、病者・高齢者食宅配、仕出し弁当・ケータリング
交通機関 駅構内飲食店、列車内食、機内食、有料道路SA/PA、客船食堂
レジャー施設 ゴルフ場、スキー場、健康ランド・スーパー銭湯、レジャーランド、野球場、映画館・シネコン、ギャンブル場、カラオケボックス、複合カフェ
給食 産業給食、学校給食、病院給食 、高齢者福祉施設給食、有料老人ホーム給食、幼稚園・保育所給食、学生食堂

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2018/08/07
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